Harvey Mason(ハーヴィー・メイソン)— ジャズ/フュージョンを牽引した名ドラマーのプロフィールと演奏の魅力
Harvey Mason — プロフィールと魅力を深掘り
Harvey Mason(ハーヴィー・メイソン)は、ジャズ/フュージョン界を代表するドラマーの一人で、セッション・ミュージシャン、バンドメンバー、プロデューサーとして長年第一線で活躍してきました。幅広いジャンルに渡る柔軟なグルーヴ感とタイム感、音楽性の深さでスタジオやライブの要として重用され、多くの名演・名盤に名を刻んでいます。本コラムでは彼の経歴、演奏の特徴、代表作やコラボレーション、後進への影響などを詳しく解説します。
経歴の概観
- 生い立ちと音楽の出発点
1947年2月22日、アメリカ・ニュージャージー州の生まれ。幼少期から音楽に親しみ、若い頃にプロのシーンに入ってからはその高い適応力と音楽的センスで注目を集めました。
- セッションワークとスタジオ・ミュージシャンとしての活躍
1970年代以降、ハービー・ハンコック、クインシー・ジョーンズ、ジョージ・ベンソン、スティーヴィー・ワンダー、チャカ・カーン、グローヴァー・ワシントンJr.など、ジャンルを超えた多数の一流アーティストのレコーディングに参加。スタジオワークにおける「求められるもの」を瞬時に汲み取り、最適なビートやフィーリングを与える能力で高評価を得ました。
- フォープレイ(Fourplay)での活動
1990年代に結成されたスムース・ジャズ/クロスオーバーのスーパー・グループ、Fourplay のオリジナル・メンバーとして国際的な人気を確立。バンドではリズムの中心としてメロウで洗練されたグルーヴを供給し、グループの成功に大きく寄与しました。
- ソロやリーダー作
リーダー作でもその音楽性を発揮し、ジャズ、フュージョン、R&B の橋渡しとなるような楽曲・アレンジを提示しています。
演奏の特徴と魅力
- 安定したタイムと“歌う”ビート
Harvey Mason の最大の魅力は「歌うようなビート感」です。メトロノームのように機械的に刻むのではなく、楽曲全体のムードを考慮した上で柔軟に推進力を与えるため、プレイヤーや歌手が安心して乗れるグルーヴを作ります。
- ジャンル横断的な適応力
ジャズ・フュージョンからR&B、ソウル、ポップス、映画音楽まで幅広く対応。複雑な変拍子や高度なフュージョン・アレンジでも本質を損なわずにプレイできるため、プロデューサーやリーダーからの信頼が厚いです。
- 音色とダイナミクスのコントロール
スネアやタム、シンバルの使い分けが非常に繊細で、楽曲の細やかなニュアンスを表現するのが得意。音圧やアクセントを場面ごとに変化させることで、同じパターンでも聞き手に常に新鮮さを与えます。
- グルーヴを生む“シンプルさ”
技巧を誇示するだけに終始せず、楽曲のための最良の選択をする“引き算の美学”がある点も魅力です。特にスロー〜ミディアムの曲でのポケット感(ポケット=リズムの中心で音楽を支える感覚)が秀逸です。
代表作・名盤(参加/リーダー作)
- Fourplay(Fourplay)関連
Fourplay のセルフタイトル作やその後のアルバム群は、スムースジャズ/クロスオーバーの定番。Harvey の巧みなグルーヴがバンドの音を支えています。
- セッション参加作品(抜粋)
彼は多くの著名作品に参加しています。代表的な共演例としては、George Benson、Herbie Hancock、Quincy Jones、Chaka Khan、Stevie Wonder、Grover Washington Jr. など。ただし、楽曲やアルバムごとに参加形態が異なるため、気になるアルバムがあれば個別に確認することをおすすめします。
- リーダー作
Harvey Mason 名義のリーダー作でも彼の音楽性を堪能できます。フュージョン色の強い曲や、R&B、ソウルの要素を取り入れた楽曲が並び、多面的なドラミングを味わえます。
代表的なコラボレーションとエピソード
- トップアーティストとの共演
スタジオミュージシャンとしての活躍は幅広く、レコーディングやツアーで名だたるミュージシャンと共演。そうした経験が彼の「引き出しの多さ」を育み、どんなセッションでも適切なサウンドを提供できる理由になっています。
- プロデューサー的視点
プレイヤーとしてだけでなく、アレンジやレコーディングの現場でプロデューサー的な役割を果たすことも多く、曲の構成やサウンド全体を見渡す視点も持っています。
後進への影響と教育活動
- ドラミング教育とクリニック
Harvey Mason はクリニックやインタビューを通じて自身のアプローチを伝えており、特に「フィール」「ポケット」「曲作りに対するリズムの役割」といった点で多くの若手ドラマーに影響を与えています。
- スター・セッション・ドラマーとしてのモデル
「現場でいち早く良いグルーヴを作る」ことの重要性を示した存在であり、スタジオワークを志すドラマーにとっての模範となっています。
聴くときのポイント
- 細かなフィルや派手なフレーズだけに注目するのではなく、ベースやキーボードとの「呼吸感(インタープレイ)」を聴くと Harvey の凄さが分かります。
- 楽曲のテンポやムードに応じてどのようにダイナミクスを変えているか、スネアの位置取り(前打ち・裏打ちの強弱)などを注意深く聴いてみてください。
- Fourplay の楽曲では、バンドアンサンブル全体を支える「抑制された迫力」が味わえます。ソロ作やセッション参加盤では、よりバラエティに富んだスタイルが楽しめます。
まとめ — 何が彼を特別にするか
Harvey Mason の魅力は、単に高度なテクニックを持つドラマーというだけではありません。楽曲を深く理解し、必要なものを的確に提供する“音楽家としての成熟”がある点です。ジャンルの枠を越えて求められる柔軟性、安定したポケット、曲全体を見渡すサウンドメイキング能力。これらが組み合わさることで、彼は長年にわたり多くの名演と名盤に関与してきました。ドラムが前面に出る場面だけでなく、楽曲の支え手として百戦錬磨の信頼を得ていることこそ、Harvey Mason の真価と言えるでしょう。
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