Harvey Masonのドラミングを極める:リーダー作とセッション作の聴きどころとおすすめレコード

はじめに

Harvey Mason(ハービー・メイソン)は、ジャズ・フュージョンからポップ/セッションワークまで幅広く活躍するドラマー/プロデューサーです。その“ポケット”に収まる正確でグルーヴィーなタイム感と、音楽ジャンルを横断する適応力は、多くの名盤を支えてきました。本稿では、レコード・コレクションとして特に注目したい代表的な作品を厳選し、それぞれの聴きどころと選盤のポイントを深掘りして紹介します。

Harvey Masonとは

ハービー・メイソンはセッション・ドラマーとして1970年代から第一線で活躍し、ジャズ・フュージョン、ソウル、R&B、ポップに渡る著名な作品群に参加してきました。後にBob James、Lee Ritenour(後継にLarry Carltonなど)、Nathan Eastと結成したスーパーバンドFourplayの創設メンバーとしても知られ、リーダー作でもファンク〜ジャズのサウンドをリードしています。彼のドラミングは「派手さ」よりも“味”と“間(ま)”を重視するタイプで、曲全体のグルーヴを形作る力に長けています。

おすすめレコード(リーダー作)

  • Marching in the Street(Harvey Mason)
    説明:メイソン自身の持つファンク〜ジャズ志向が前面に出たリーダー作。ドラミングの多彩さに加え、R&Bやフュージョン的な編曲が味付けされており、リーダー作ならではの表現が楽しめます。レコードで聴くとスネアやタムのニュアンス、グルーヴの「抜け」がより明確に伝わります。

  • (選択肢として)近年作やコンピレーション
    説明:近年の彼のリーダー作や、参加曲をまとめた編集盤も、キャリアの広がりを知る上で有用です。オリジナルLPとリマスター盤での音の違いを楽しむのも一興です。

おすすめレコード(参加作・セッションワーク)

  • Head Hunters(Herbie Hancock)
    説明:ジャズ・ファンクの金字塔。ハービー・メイソンはこの時期のハービー・ハンコックの作品群で重要な役割を果たしています。タイトで重心の低いグルーヴ、シンセやベースと噛み合うファンク感は、メイソンの持ち味がよく出ている部分。レコードで聴くとローエンドの締まりやグルーヴの「間」がよく分かります。

  • Thrust(Herbie Hancock)
    説明:Head Huntersの延長線上にあるサウンドで、より洗練されたプロダクションと演奏が特徴。メイソンのフレキシブルなリズム感がバンド全体の推進力になっているため、彼のドラミングを学びたい人にとっての重要盤です。

  • Fourplay(Fourplay)
    説明:Bob James(キーボード)×Lee Ritenour(ギター、後にLarry Carlton等)×Nathan East(ベース)×Harvey Mason(ドラム)という豪華メンバーによるスムーズジャズ/ジャズ・フュージョンの名作。メイソンはここで「音を支えるドラマー」としての力量を遺憾なく発揮しており、ポップな曲でもジャズ的な細やかさを失わない。アンサンブル感とドラミングのバランスを味わうには最適の一枚です。

  • 代表的なセッション参加作(例)
    説明:1970s〜80sにかけての多くの大物アーティストのレコーディングに参加しています。具体的な参加作品は膨大なため、気になるアーティストのアルバムのクレジット(ライナーノーツ/Discogs/AllMusic等)を参照すると、メイソンの多彩な顔ぶれが見えてきます。セッションワークに注目すると、彼の“場面に応じたグルーヴの作り方”が学べます。

各作品の聴きどころ(細かなポイント)

  • 耳を澄ませたいリズムの「間」
    メイソンは装飾的なフレーズを多用するタイプではありません。むしろスネアの位置取り、ハイハットの刻み、バスドラのアタックといった「間」の作り方で曲を推進します。曲のドライブ感を支える微妙なニュアンスに注目して聴くと、彼の妙技が分かります。

  • バンドとの呼吸(アンサンブル性)
    四人編成やフュージョン編成では、ギターやキーボード、ベースとリズムがどう噛み合っているかを確認しましょう。メイソンは“目立たないこと”が長所になる場面が多く、全体のグルーヴを整える役割に徹することで楽曲を際立たせます。

  • 録音・プレスで変わる印象
    同じアルバムでもオリジナル盤、再発リマスター、CDなどで音の質感が変わります。特にローエンドの重みやスネアの抜け感はアナログ盤で強く感じられることが多いため、メイソンのドラム・タッチをアナログで追体験するのはおすすめです。

選び方のアドバイス

  • リーダー作で個性を掴む
    リーダー作はメイソンの音楽的志向(ファンク寄りかジャズ寄りか、編曲やゲストの傾向)が直接反映されるため、彼個人の好みやプレイの指向を知るのに有効です。

  • 参加作で幅を知る
    セッション・ワークを辿ることで、彼の多様な表現領域(ポップ、R&B、フュージョン、ジャズ)を体系的に理解できます。まずはHerbie HancockやFourplayといった代表作から入るのが良いでしょう。

  • プレス選び
    音質の違いを楽しみたい場合はオリジナル盤とリイシュー盤の両方を比較してみてください。オリジナル盤が手に入らない場合は信頼できるリマスターやアナログ再発を探すと良いです。

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参考文献