チャーリー・ラウズ(Charlie Rouse)— モンク・クインテットの要として響く温かなテナーサックスの魅力と代表曲
プロフィール — Charlie Rouse(チャーリー・ラウズ)とは
Charlie Rouse(チャーリー・ラウズ、1924年4月6日生〜1988年11月30日没)は、米国のテナー・サックス奏者。長年にわたってセロニアス・モンクのクインテット/カルテットの主要メンバーを務めたことで最も広く知られており、その存在感あるトーンと独特のフレージングでジャズ史に強い足跡を残しました。
略年譜(ポイント)
- 1924年:ワシントンD.C.生まれ。
- 1940〜50年代:さまざまなバンドやリーダーの元で活動し、経験を積む。
- 1959年頃〜1970年代後半:セロニアス・モンクの主要メンバーとして活動。モンクの演奏スタイルに安定感と対話性をもたらした。
- 1988年:没。だが、その音楽的影響は現在も語り継がれている。
演奏スタイルと魅力 — なぜ聴く価値があるのか
チャーリー・ラウズの魅力は一言で言うと「温かみと知性を併せ持ったテナーの声」です。以下が具体的なポイントです。
- トーン:太く温かい音色で、ロングトーンやバラードの表現に説得力があります。攻める場面でも粗さよりも緻密さを感じさせる音色です。
- フレージング:シンプルに聴こえるが計算されたフレーズが多く、和声の裏側やリズムの隙間を巧みに突くことで、聞き手に「間」を感じさせます。
- リズム感とタイム感:モンクのようなユニークなリズム感を持つリーダーとの相性が非常に良く、不規則な拍感や複雑なフレーズでも的確に対応します。
- コミュニケーション力:モンクとの長期の共演で培われた即興の会話力。モンクのユニークな音楽言語に寄り添いながら、自らの声を失わないバランス感覚が魅力です。
セロニアス・モンクとの協働 — キャリアの中心
ラウズのキャリアはモンクとの長年の協働抜きには語れません。1959年以降、モンクの主要なグループの一員として国内外のツアーや録音に参加し、モンクの楽曲群に対して「親しみやすさ」と「即興的な深さ」を同時に与えました。モンクの独特なリズム、和声、空白(間)に対して常に柔軟に反応し、リスナーにとっての“入口”にもなりました。
代表曲・名盤(おすすめリスト)
ラウズの演奏を知るには、モンクの録音群が最も効率的にその魅力を味わえます。代表的なアルバムを挙げます。
- Monk's Dream(Thelonious Monk)— モンクがコロンビア移籍後に吹き込んだ名盤。ラウズの安定したテナーが楽曲に存在感を与えています。
- Criss-Cross(Thelonious Monk)— リズムやフレーズの妙の中でラウズのフレージングの巧さが光る一枚。
- Underground(Thelonious Monk)— モンク後期のクリエイティヴさとラウズの落ち着いた表現が共存する好盤。
- (リーダー作の例)Takin' Care of Business(Charlie Rouse) — リーダー作では、ラウズ自身の作風やソロイストとしての側面をより直接に味わえます(※リーダー作は数枚存在するため、まとめて聴くのがおすすめ)。
リスニングのポイント
- モンクの録音では「ラウズはモンクのどの“間”に入ってくるか」を意識して聴くと、即興の会話性が見えてきます。
- ソロを追うだけでなく、伴奏やテーマの再現での微妙な表情変化(音の伸ばし方、ビブラート、タイミング)を聞き取るとラウズの個性がより鮮明になります。
- リーダー作では、モンク・グループで聴ける“合わせの妙”とは別の、ラウズ自身の選曲や編成感覚を比較してみると面白いです。
影響と遺産
ラウズはモンクと長年組んだことで即興の応答性や和声感覚に独自の色を与え、後続のテナー奏者たちにも「個性を失わずにアンサンブルの一部となる」姿勢の手本を示しました。また、録音を通じてジャズ教育の素材としても重要視されており、モンク作品を演奏・研究する際にラウズのソロや間合いは頻繁に参照されます。
聴き手への提案
- まずはモンクの「Monk's Dream」か「Criss-Cross」を一枚通して聴き、ラウズがどのようにバンド全体と会話しているかを掴んでください。
- 次にラウズのリーダー作を数曲聴いて、リーダー時の選曲やソロ展開を比較してみると、彼の多面性が見えてきます。
- ライブ録音(可能なら)でのテンポやアレンジの違いもチェックすると、ラウズの柔軟性と瞬発力が実感できます。
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