Charles Earlandのオルガンが生み出すソウルジャズ×ジャズファンクの熱量と名盤ガイド

Charles Earlandとは

Charles Earland(チャールズ・アーランド、1941–1999)は、ソウルジャズ〜ジャズファンクを代表するオルガン奏者のひとりです。ハモンドオルガンを前面に据えた力強いグルーヴ、ゴスペルやR&Bの影響を取り込んだ表現、そしてポップス/ソウルのヒット曲を大胆に取り上げるアレンジで1970年代のレコードシーンに強い印象を残しました。聴き手をダンスフロアや教会の熱気に連れて行くような“熱量”が彼の大きな魅力です。

耳を傾けるべきポイント

  • ハモンドオルガンの“鳴り”を生かした分厚いコード進行とリード感。
  • ゴスペル的なコール&レスポンスやブルース的要素を含むフィーリング。
  • ソウル/ポップスのカヴァーをジャズ・ファンク化するセンス(聴き馴染みのあるメロディーがグルーヴに落とし込まれている)。
  • ライブ録音では即興の 熱量 がさらに高まるため、スタジオ盤とライブ盤の対比も楽しめる。

おすすめレコード — 深掘り解説

Black Talk!

なによりもまず押さえておきたい一枚。Charles Earlandを広く知らしめた代表作で、ソウル/ポップスのヒット曲を取り上げつつジャズ的なソロとファンクのグルーヴで再構築したアルバムです。邦楽・洋楽を問わず“聴いたことのある”メロディーがオルガンのドライブ感と組み合わさるため、入門盤としても最適。

  • 聴きどころ:オルガンのリフが曲全体を牽引するアレンジ、リズム隊のタイトなスイング感。
  • おすすめの聴き方:冒頭のカヴァー曲で“入り”、中盤以降のオリジナルや長尺のソロで深掘り。

Living Black!

ライブ盤ならではの即興性と熱量が堪能できる一枚。スタジオ盤よりテンポ感が前のめりになり、オーディエンスの反応も音像に反映されるため、Charles Earlandの“生”の魅力がダイレクトに伝わってきます。ライブならではのアレンジ変化や、より伸びやかなソロが聴きどころです。

  • 聴きどころ:長尺ソロで繰り広げられるフレーズの応酬、トリオ/クインテット編成の呼吸。
  • おすすめの聴き方:ヘッドフォンやスピーカーでライブ感の余韻を感じ取りながら聴く。

Boss Organ(初期作)

アーリー期の彼の魅力を示す作品。Jimmy Smithの系譜を受けつつも、よりソウルフルで黒っぽいグルーヴを追求しているのが特徴です。若き日のエネルギーやオルガンの基礎力を知るにはうってつけの1枚。

  • 聴きどころ:オルガン・コンピングとソロのバランス、初期ならではのストレートなソウルジャズ。
  • おすすめの聴き方:アーランドのプレイの原点を確認したいときに。

Soul Story(グルーヴ色の強い中期作)

1970年代のジャズファンク志向が色濃く出た作品群の一枚。ファンク・ビートとオルガンの相性が良く、ダンサブルでありながらジャズ的なインタープレイも忘れていません。クラブ寄りのセレクションにも取り上げられやすい“使える”トラックが多いのも特徴です。

  • 聴きどころ:グルーヴの刻み方、ホーンやギターとの絡み。
  • おすすめの聴き方:ビートを意識してリズム隊に注目しながら聴くと発見が多い。

コンピレーション/ベスト盤(入門・発見用)

初めて聴く人にはいくつかの名曲や代表テイクをまとめたベスト盤やコンピレーションも便利です。スタジオの名演とライブの熱演を俯瞰的に聴くことで、彼の音楽的な振れ幅がよくわかります。

  • 聴きどころ:代表曲の複数テイク比較、時期ごとのスタイル変化。
  • おすすめの聴き方:まずは短時間で“好きかどうか”を見極めたいときに。

どのアルバムから入るべきか(リスニングガイド)

  • ジャズ/ソウル初心者で入りやすい:Black Talk! — 親しみやすいメロディー+強力なグルーヴ。
  • ライブの熱量を味わいたい:Living Black! — 即興と熱演。
  • オルガン・ジャズを深く知りたい:Boss Organ(初期作) — プレイの根幹を確認。
  • ダンス/ブギー色を楽しみたい:Soul Storyや1970年代のファンク寄り作。

影響と位置づけ

Charles Earlandは、ジャズの枠組みにソウルやファンクの要素を大胆に導入し、より大衆的で身体性のある音楽を提示した点で重要です。オルガン奏者としてはJimmy Smithの流れを汲みつつ、よりブラック・ミュージック寄りのテイストを強めたことで、クラブDJやサンプリング文化からも再評価されることが多く、現代のジャズ/ヒップホップ周辺のリスナーにも響く音楽性を持っています。

聴く上でのちょっとした楽しみ方

  • カヴァー曲とオリジナルを聴き比べて、どのように“ジャズ化”しているかを探す。
  • 同時代の他のオルガニスト(Jimmy Smith、Lonnie Smith、Shirley Scott など)と比較して各人の個性を味わう。
  • スタジオ盤とライブ盤での表現の違い(テンポ感、ソロの長さ、アンサンブル感)を対比させる。

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参考文献