Eddie "Lockjaw" Davisの魅力とおすすめレコード:テナー・サックスのジャズ史を彩る名盤ガイド
Eddie "Lockjaw" Davis—まずは簡潔な紹介
Eddie "Lockjaw" Davis(1922–1986)は、力強く荒削りでありながら歌心のあるテナー・サックス奏者としてジャズ史に名を残します。ブルース寄りのフレーズ、太くて押し出しの強いトーン、そして時にユーモラスなインタープレイが特徴です。ビッグバンドから小編成まで幅広く活躍しましたが、特にオルガン・コンボとの相性が良く、シャーリー・スコットとの共演シリーズや、「テナー同士の対決(tenor battles)」で知られるジョニー・グリフィンとの共同プロジェクトは代表的です。
おすすめレコード(概説)
以下は入門からコアなコレクター向けまで、実際に聴く価値の高い盤を厳選して解説します。作品ごとに聴きどころと、選ぶ際のポイントを付けています。
The Eddie "Lockjaw" Davis Cookbook (Vol.1) —(およびVol.2・Vol.3)
理由:Lockjawの代表作群であり、シャーリー・スコット(organ)とのコンビネーションによる“ジャズ×ブルース”の魅力が詰まっています。オルガンのゴリッとしたサウンドに、Lockjawの太いテナーがはっきりと映える典型的なソウル・ジャズの好例です。
- 聴きどころ:小気味よいブルース・フィーリング、コール&レスポンス的な対話、短いフレーズでのパンチ力。
- おすすめ盤:オリジナルのPrestige盤(当時のモノ録音)を好むファンも多いですが、リマスターCDや配信音源でも演奏の熱さは失われません。
- こんな人に:ソウル・ジャズ/オルガン・コンボが好きな方、ハード・バップのグルーヴを体感したい方。
Tough Tenors / Griff & Lock 系の共演盤(Johnny Griffinとのテナー・バトル)
理由:Lockjawはジョニー・グリフィンと“テナー同士の対決”を繰り広げたことで知られ、スリリングな掛け合いが楽しめます。互いにフレーズを投げ合い、コール&レスポンスや競演による緊張感が魅力。
- 聴きどころ:ソロの応酬、スピード感、各人の個性の対照(Lockjawの太さとグリフィンの俊敏さなど)。
- おすすめ盤:共演アルバム群はライブ感が強く、ライヴ盤・スタジオ盤ともにエネルギッシュです。テナー・バトル好きには必携。
- こんな人に:吹きまくるインタープレイが好きなリスナー、テナー奏者の個性比較を楽しみたい人。
Very Saxy(オールスター的なテナー集結盤)
理由:複数の名テナーが集まるセッションにLockjawも参加しており、他の巨匠たちとの共演から彼の位置づけやプレイの際立ち方を知ることができます。大勢でのセッションは演奏の迫力とバリエーションが魅力。
- 聴きどころ:多数テナーの個性比較、ソロの展開、アンサンブルでの迫力。
- おすすめ盤:オールスター盤は録音や編成で雰囲気が変わるため、クレジットを見て気になる面子の回を選ぶと楽しめます。
- こんな人に:テナー好き、ジャズの「掛け合い」が好きな人。
カウント・ベイシー楽団での活動(後期の大編成での起用)
理由:Lockjawは晩年にかけてベイシー楽団にも参加しています。大編成の中でのソロやセクションとのバランスを見ると、彼の“豪快さ”が編成に溶け込む様子が分かります。ビッグバンド文脈での彼の表現を聴きたいならこの時期の録音もおすすめです。
- 聴きどころ:ソロでの的確なフレーズ選び、ビッグバンドのダイナミクスに合わせた音量と表現。
- こんな人に:ビッグバンドとソリストの関係性や、アンサンブル内でのテナーの役割に興味がある人。
その他:ライブ録音やコンピレーション
理由:Lockjawの魅力は“その場の熱さ”にあります。スタジオ録音も優れていますが、ライヴ録音ではよりエネルギッシュなプレイが味わえます。また編集盤やコンピレーションで彼の代表的なテイクを一望するのも入門には便利です。
- 聴きどころ:ライヴではテンポやソロの展開が自由になり、アドリブの瞬発力が際立ちます。
- おすすめ盤:ライヴ盤は音質・編集が多様なので、レビューを参考に良好な音質の盤を選ぶと安心です。
聞き方・注目ポイント(How to listen)
Lockjawのプレイをより深く楽しむための視点を整理します。
- トーン:太く、密度のある音色。テナーの“押し出し”を意識して聴くと彼の個性が分かりやすい。
- フレーズ構成:短めの強いフレーズを積み重ねることが多く、ブルース感を帯びた語り口が特徴。
- 相互作用:オルガンやピアノ、他テナーとの掛け合いで表情を変えるため、伴奏楽器との関係に注目すると面白い。
- テンポと強弱:速いナンバーでも決して“細かい装飾”に逃げず、太いフレーズで主導する場面が多い。
どの盤を最初に買うか(購買ガイド)
入門者:まずは「Cookbook Vol.1(~Vol.3)」のいずれか。構成が分かりやすく、Lockjawの特徴が一番鏡のように映るシリーズです。
中級者:Johnny Griffinとの共演盤(Tough Tenors系)。バトルものとして深く楽しめます。
上級者・コレクター:オリジナルのLP、または良好なリマスターCD/アナログ再発。ライヴの良盤を狙うのも手です。
最後に
Eddie "Lockjaw" Davisは“豪放さ”だけでなく“歌心”も兼ね備えたテナー奏者です。派手な技巧に頼らず、一本の太い線で聴き手を惹きつけるタイプのプレイヤーなので、まずは短めのフレーズやブルース感を中心に聴くとその魅力がストレートに伝わります。おすすめ盤を通して彼の多彩な側面をぜひ体験してください。
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参考文献
- Eddie "Lockjaw" Davis — Wikipedia
- Discogs: Eddie "Lockjaw" Davis 検索結果
- AllMusic: Eddie "Lockjaw" Davis 検索結果


