フィフス・ディメンション入門:代表作・名盤おすすめと初心者向け聴き方ガイド

フィフス・ディメンションとは

フィフス・ディメンション(The 5th Dimension)は、1960年代後半から1970年代にかけて活躍したアメリカのコーラス・グループです。ソウル、ポップ、サイケデリック、ブロードウェイ調の要素を独自にブレンドしたサウンドと、抜群のハーモニーでポップシーンを席巻しました。メンバーの男女混合ヴォーカルによる掛け合いや、ジョニー・ホーンズやボーンズ・ハウらのプロダクション、ジミー・ウェッブやローラ・ニーロ、バート・バカラック=ハル・デイヴィッドら名ソングライターの楽曲との相性も抜群で、数々のヒットを生み出しています。

おすすめレコード — 聴くべき代表作とポイント

Up, Up and Away(「アップ・アップ・アンド・アウェイ」)

グループを一躍有名にした代表曲「Up, Up and Away」を中心に据えた作品。軽やかで夢見心地なアレンジと、特徴的なコーラスが若い世代にも広く受け入れられました。ジミー・ウェッブの叙情的な作曲センスと、スタジオでの緻密なアレンジがうまく噛み合った一枚です。

  • 注目トラック:Up, Up and Away(タイトル曲)
  • 聴きどころ:ポップさとオーケストラルな色合いのバランス、コーラスの粒立ち
  • おすすめリスナー:ポップスの黄金期サウンドを手っ取り早く味わいたい人

The Magic Garden(「ザ・マジック・ガーデン」)

ジミー・ウェッブが深く関わった、ややコンセプチュアルな作品。アルバム全体を通じて一貫したムードや物語性を持たせており、単発のヒット曲を越えた「アルバムとしての魅力」を存分に味わえる一枚です。ファンや音楽好きが評価する名盤の一つです。

  • 注目ポイント:曲間の流れ、詞世界とメロディの密接な結びつき
  • 聴きどころ:アルバムを通しての物語性・アレンジの細部
  • おすすめリスナー:歌詞や世界観を含めて作品をじっくり楽しみたい人

Greatest Hits / ベスト盤(入門に最適)

フィフス・ディメンションを初めて聴くなら、ベスト盤は最短ルートです。代表曲を時系列で追えるので、グループのサウンドの変遷やヒットの背景を把握しやすいです。「Aquarius/Let the Sunshine In」「Wedding Bell Blues」「One Less Bell to Answer」など、ラジオヒット中心の名曲群をまとめて楽しめます。

  • 注目トラック:Aquarius/Let the Sunshine In(メドレー)、Wedding Bell Blues、One Less Bell to Answer
  • 聴きどころ:シングルヒットの粒度、コーラスの多面性
  • おすすめリスナー:まずはヒット曲だけ聴きたい、プレイリスト的に楽しみたい人

Portrait(あるいは One Less Bell to Answer を収めた作品)

より成熟したメロディラインとアーバンなプロダクションが特徴の時期の作品。ここからバラードの比重が増え、個々のソロ・パートの聴かせどころや感情表現が際立ちます。ビルボード・チャートで好成績を残したシングルを含むため、ポップスとしての完成度が高い一枚です。

  • 注目トラック:One Less Bell to Answer(ドラマティックなバラード)
  • 聴きどころ:ソロ・リードの存在感、洗練されたアレンジ
  • おすすめリスナー:ヴォーカル表現や大人のポップスを楽しみたい人

The Age of Aquarius(時代を映したセレクション)

1960年代末の社会的ムードやサイケデリックな空気を反映した楽曲を含む作品。グループのサウンドが時代の空気を取り込みながらポップに昇華している点が興味深いアルバムです。特に「Aquarius/Let the Sunshine In」のメドレーは、当時のカウンターカルチャー的なテーマを大衆音楽へと橋渡ししました。

  • 注目トラック:Aquarius/Let the Sunshine In(メドレー)
  • 聴きどころ:時代性をポップに変えた表現力、コーラスワーク
  • おすすめリスナー:1960年代末のポップと社会背景に興味がある人

深掘りポイント:各アルバムで注目すべき聴き方

  • 編曲とコーラスの重なりを意識して聴く:ア・カペラ的なパートやバックコーラスの配置が、楽曲の印象を大きく左右します。
  • ソングライターごとの質感の違い:ジミー・ウェッブ作品は物語性と郷愁、ローラ・ニーロ提供曲は内省的でソウルフル、Bacharach/Davidの楽曲は洗練された大人のポップス、というように作家性の違いが楽しめます。
  • シングル曲とアルバム曲の対比:ヒット曲はキャッチーさ優先、アルバム曲は細部の演出やムード作りに力が入っていることが多いです。

おすすめの聴き方/順番(初心者向け)

  • まずはベスト盤で代表曲を掴む。
  • 気に入った時代や曲調に合わせて、該当アルバム(Up, Up and Away/The Magic Garden/Portraitなど)を通しで聴く。
  • 曲ごとの作者表示を見ながら、ジミー・ウェッブやローラ・ニーロなどの曲を比較して聴くと味わいが深まります。

フィフス・ディメンションの魅力まとめ

一言で言えば「ポップスとしての完成度とコーラスの美しさ」が魅力です。時代の息吹を受けた選曲・アレンジ力、ソングライターとの相乗効果、そして男女混成コーラス特有の温かさと透明感。単なる懐メロの枠に収まらない、今聴いても新鮮なアレンジや表現が詰まっています。

参考文献

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