The 5th Dimensionをアナログで楽しむ理由と必聴レコード5選 — 名盤の聴きどころとコレクター向け選び方
The 5th Dimension をレコードで楽しむ理由
60年代後半から70年代にかけて、The 5th Dimension(ザ・フィフス・ディメンション)はポップ、ソウル、ブラス&ストリングスを折り混ぜた洗練されたサウンドで多くのヒットを生みました。ボーカルの美しいアンサンブル、ジミー・ウェッブやローラ・ニーロら優れたソングライターの楽曲、そしてボンズ・ハウ(Bones Howe)らのプロデュースに支えられたアレンジは、アナログ盤で聴くと当時の空気感がより鮮明に伝わってきます。ここでは「レコードでぜひ聴きたい」おすすめアルバムを中心に、各作の聴きどころやコレクター観点での選び方を深掘りして解説します。
代表的なおすすめアルバム(厳選5タイトル)
- Up, Up and Away(1967)
彼らのブレイクスルー・アルバム。タイトル曲「Up, Up and Away」はジミー・ウェッブ作でグラミーを多数獲得し、若々しいコーラスとオーケストレーションの絶妙なバランスが光ります。初期のポップ志向が色濃く出た作品で、The 5th Dimensionの“入口”として最適です。
聴きどころ:透明感のあるハーモニー、ふくよかなストリングス・アレンジ、ウェッブ作品の物語性。
- The Magic Garden(1967)
ジミー・ウェッブが主要楽曲を手掛けたコンセプト色の強いアルバムで、商業的な大ヒットには至らなかったものの、コアなファンや批評家に高く評価される名盤。楽曲は青春の恋愛模様を描く物語性があり、聴き通すことでアルバム全体の流れが楽しめます。
聴きどころ:ウェッブの叙情的なメロディ、曲間の物語構成、スタジオ・アンサンブルの緻密さ。
- Stoned Soul Picnic(1968)
ローラ・ニーロ作のタイトル曲「Stoned Soul Picnic」をはじめ、ソウル/ポップを柔らかく融合させた作品。The 5th Dimensionの歌唱表現の幅が広がっている時期で、よりソウルフルな色合いが魅力です。
聴きどころ:ソウル寄りのグルーヴ感、ポップスと黒人音楽の橋渡しをするアレンジ。
- The Age of Aquarius(1969)
「Aquarius/Let the Sunshine In」のメドレーが世界的な大ヒットとなったアルバム。時代のムード(サイケやヒッピー文化の気配)を取り入れつつも、コーラス・ポップとしての完成度は高く、商業的にもグループのキャリアの頂点の一つです。
聴きどころ:ダイナミックなコーラス、ブラスとストリングスのダイナミクス、時代性を反映した選曲。
- Portrait(1970)
成熟期のサウンドを示す一枚で、「One Less Bell to Answer」などのシングル・ヒットを含みます。よりソフィスティケイトされたアダルト・コンテンポラリー寄りのアレンジが特徴で、ラジオ志向の洗練された楽曲が揃っています。
聴きどころ:洗練されたバラード、楽曲ごとの細やかなヴォーカル表現、ポップと大人のリスニングの接点。
必聴トラック(短めガイド)
- Up, Up and Away — ジミー・ウェッブらしいスケール感とコーラスの美しさ。
- Stoned Soul Picnic — ローラ・ニーロ作品のソウルフルな趣。
- Aquarius/Let the Sunshine In — 60年代後半の象徴的なメドレー。
- Wedding Bell Blues — ライヴ感あるドラマチックな歌唱でポップチャート1位を獲得。
- One Less Bell to Answer — 大人向けバラードの完成形の一つ。
音楽的・制作面の注目ポイント
- プロデューサー/エンジニア:Bones Howeが手掛けたプロダクションは、ヴォーカル・アンサンブルと豪華なストリングス/ブラスの調和が巧みです。
- 優れたソングライターとの共演:ジミー・ウェッブ、ローラ・ニーロら一流のソングライターの楽曲を巧みに消化しています。楽曲ごとの物語性やメロディの強さが魅力。
- セッション・ミュージシャン:当時のロサンゼルス録音らしく、一流のセッション・プレイヤー(いわゆる“Wrecking Crew”の面々を含むことが多い)が参加しており、演奏レベルが非常に高いです。
- ジャンルの横断性:ポップ、ソウル、オーケストラルなポップスが混在し、幅広いリスナーに訴求する音作りになっています。
レコードを選ぶときのチェックポイント(コレクター向け)
- オリジナル・プレス vs リイシュー:オリジナル(Soul City→後にBell/ABCへ移行)の初期プレスは当時のミックスや音色が楽しめるため人気です。一方で、信頼できるリマスター/重量盤リイシューはノイズや盤質の面で優位になることがあります。
- モノラル/ステレオ:60年代後半作品にはモノとステレオの別ミックスが存在することがあるため、どちらのミックスを重視するかで選択が変わります。迫力あるフォーカスを好む人はモノを、左右の分離を楽しみたい人はステレオを検討してください。
- プロモ盤・初回仕様:プロモーション盤やステッカー付き、インサートや特殊ジャケットなどの初回仕様はコレクター価値が上がることが多いです。
- 編集盤や編集曲の違いに注意:ベスト盤や編集盤にはシングル・エディットやフェードの異なるバージョンが収録されていることがあります。完全版を求めるならオリジナル・アルバムを優先します。
- 国内盤(日本盤)の魅力:日本初期盤はジャケット印刷や内袋の仕様が丁寧で、サウンド的にも良造盤が多いとされ、コレクターに評価されます(ただし価格は高め)。
どんな聴き手におすすめか
- ポップスの名曲をアナログで楽しみたい人:メロディとハーモニーの魅力が直に伝わります。
- 60〜70年代のグループ・コーラスが好きな人:洗練されたコーラス・ワークは他に類を見ない魅力です。
- プロダクションやアレンジに注目するリスナー:ストリングスやブラス、スタジオならではの演出が楽しめます。
まとめ
The 5th Dimensionは「良質なポップ/ソウル」を求めるリスナーにとって、アナログ盤で聴く価値の高いアーティストです。ジミー・ウェッブやローラ・ニーロといった名曲群と、Bones Howeを中心とした緻密なプロダクション、そしてコーラスの美しさが、レコードというフォーマットでより豊かに響きます。初めてなら「Up, Up and Away」や「The Age of Aquarius」あたりから入り、興味が深まれば「The Magic Garden」のような深堀り盤へと進むのがおすすめです。
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