Roy Wood入門:必聴アルバム6選と聴きどころ・コレクターガイド
イントロダクション — Roy Woodとは何者か
Roy Wood(ロイ・ウッド)は1960〜70年代の英国ポップ/ロックを語るうえで外せない多才なミュージシャンです。The Moveの中心人物としてキャリアを開始し、Electric Light Orchestra(ELO)の共同創設にも関わり、その後Wizzardやソロ活動で“ブラスとコーラスを多用した華やかな編曲”や“マルチインストゥルメンタリストぶり”を発揮しました。ジャンルを横断する創作欲とサウンドメイクの独創性が魅力で、アルバムごとに異なる顔を見せる点がコレクターや音楽好きに愛されています。
おすすめレコード:選曲と聴きどころ
Roy Wood — Boulders (1973)
ソロ初期の代表作。ほとんどの楽器とコーラスを自分で録音した“一人合奏”的作品で、フォーク、ポップ、プログレッシブ、サイケデリックなど多彩な要素が詰まっています。ロイ・ウッドのソングライティングとアレンジ力を純度高く味わえる1枚。
- 聴きどころ:多重コーラス、アコースティックから電化楽器までの幅、ポップセンスと実験性の混在。
- おすすめ曲例:シングル系の曲(例:「Dear Elaine」)や短いインストの配列から構成の妙を感じられます。
- コレクターズノート:オリジナルLPは人気があり、リマスター再発やCD化も複数あるため、音源の出自を確認すると良いでしょう。
Wizzard — Wizzard Brew (1973)
Wizzardのデビュー作で、当時のグラム/ポップ志向とロイ独自のブラス編成が噛み合った豪快なサウンド。サーカス的なエネルギーとヴィンテージ感が同居するアルバムです。
- 聴きどころ:ブラス/サックス等の編成、往年のロックンロールやR&B要素を取り込んだ派手なアレンジ。
- おすすめ曲例:アルバム通してのダイナミズムを楽しんでください(シングル曲と併せて聴くとWizzardの全容が分かります)。
- コレクターズノート:シングル「I Wish It Could Be Christmas Everyday」(1973)は季節限定で再発や編集盤に頻出します。
Wizzard — Introducing Eddy and the Falcons (1974)
ロックンロールや1950sリヴァイヴァルに焦点を当てた作品で、ロイの愛する古いポップ/ロックのフォーマットを現代的に再解釈したアルバム。ポップ・メロディの力が際立ちます。
- 聴きどころ:45回転シングル感覚の強い楽曲群、コーラスワークとリズムの躍動。
- おすすめ曲例:「See My Baby Jive」などヒット曲を通じてWizzardのキャッチーさを確認してください。
- コレクターズノート:オリジナルLPは派手なアートワークやインサートが付属していることがあり、コレクション性が高いです。
The Move — Message from the Country (1971)
The Moveの最終的なアルバムで、ロイ・ウッド、ジェフ・リンらのソングライティングが交錯する重要作。初期のサイケ/ポップ感からより重厚なバンド・アンサンブルへと移行した過程が聴けます。
- 聴きどころ:ポップ・メロディの質の高さ、ギターやハーモニーのバランス、ロイとジェフのスタイルの違いが見える点。
- おすすめ曲例:シングルヒット群(「I Can Hear the Grass Grow」「Blackberry Way」「Brontosaurus」など)はThe Moveの代表的サウンドを示します。
- コレクターズノート:The Moveはシングル中心のヒットが多く、編集盤やシングル集も入門として有用です。
Electric Light Orchestra — The Electric Light Orchestra / No Answer (1971)
ELOのデビュー盤(国内盤/輸入盤でタイトル違いあり)。ロイ・ウッドはジェフ・リンと共にこのバンドを立ち上げ、ストリングスとロックの融合というアイデアに大きく関わりました。ロイが後に脱退するため“初期ELOの痕跡”を知るうえで重要な一枚です。
- 聴きどころ:アンサンブルにおける弦とポップ・ロックの接合。ELOの原点を感じさせる曲構成。
- コレクターズノート:ロイはその後ELOから離れるため、初期作品は「共同の実験作」として聴くと面白いです。
Roy Wood — Mustard (1975)
ソロ2作目。Bouldersと比べてスタジオの帯域が広がり、アレンジ面でより“バンド的”でありながらロイの多面性が反映された作品です。ポップかつ実験的なアイデアが散りばめられています。
- 聴きどころ:メロディラインの明快さと、随所に覗くツイストしたアレンジ。
- コレクターズノート:評価は好みが分かれますが、ロイの変幻自在さを追うには必聴です。
入門・発展リスニングのすすめ
初めてロイ・ウッドに触れるなら、まず「Boulders」と「Wizzard Brew」あるいはThe Moveのベスト的編集盤で彼の作曲とアレンジの幅を掴むのが良いでしょう。そこからWizzardのシングルやELO初期を辿ると、ロイの音楽的変遷と他のメンバー(特にジェフ・リン)との関係性が見えてきます。
コレクション面の簡単な指針(メタ情報)
・オリジナル・プレスと再発で音質や収録曲(ボーナストラック)の違いがあることが多いので、何を聴きたいか(オリジナルの音色か、拡張された収録か)を基準に選ぶと良いです。
・シングル曲やクリスマス曲などはコンピ集や編集盤に収録されやすく、特定の曲を狙う場合は編集盤も有益です。
・ロイ・ウッド作品は国内盤/輸入盤・初回プレスの差がコレクター的に注目されることがあるため、購入時にパッケージ情報を確認してください。
まとめ — なぜRoy Woodを聴くべきか
Roy Woodの音楽は“ポップの親切さ”と“実験の自由”が同居している点が魅力です。華やかなブラスや多重コーラスで耳を引きつけつつ、細部には変拍子や奇抜なアレンジが潜んでおり、聴くたびに新しい発見があります。ジャンル横断的な楽しみを求めるリスナーや、ポップスの編曲技術を学びたい人にとって格好の教材となるでしょう。
参考文献
- Roy Wood — Wikipedia
- Boulders (album) — Wikipedia
- Wizzard Brew — Wikipedia
- Introducing Eddy and the Falcons — Wikipedia
- Message from the Country — Wikipedia
- The Electric Light Orchestra / No Answer — Wikipedia
- Roy Wood — AllMusic
- Roy Wood — Discogs
エバープレイの中古レコード通販ショップ
エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っておりますので是非一度ご覧ください。
https://everplay.base.shop/
また、CDやレコードなど様々な商品の宅配買取も行っております。
ダンボールにCDやレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単に売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery


