Echo & the Bunnymen(エコー・アンド・ザ・バニーメン)買って聴きたいおすすめレコード完全ガイド — 名盤と盤種の選び方(Crocodiles〜Ocean Rain)

はじめに — Echo & the Bunnymenとは

Echo & the Bunnymen(以下E&TB)は、リヴァプール出身のポストパンク/ポップ・ロック・バンド。イアン・マッカロク(ボーカル)、ウィル・サージェント(ギター)、レス・パティンソン(ベース)、ピーター・デ・フレイタス(ドラム)を中心とした初期ラインナップが生み出した、暗く壮麗なサウンドは1980年代の英国シーンに強い足跡を残しました。本稿では“買って聴きたい”おすすめレコード(アルバム/重要コンピ)を中心に、楽曲・音楽性の見どころ、どの版を狙うと良いか、といった視点で深掘りします。

選び方の指針 — どのアルバムから入るか

  • 初めてなら:代表曲を網羅したコンピや名盤の中でも完成度が高い『Ocean Rain』。
  • バンドの発展を辿るなら:初期の荒々しさ『Crocodiles』→充実のダークさ『Heaven Up Here』→劇的な広がり『Porcupine』→頂点の耽美『Ocean Rain』を順に。
  • シングル中心に楽しみたい:『Songs to Learn & Sing』(ベスト/編集盤)が手早く名曲を押さえられます。

必聴アルバム詳細解説

Crocodiles(1980)

E&TBのデビュー・アルバム。ポストパンク期特有のエッジのあるギターと、イアンの冷たくも感情的な歌声が際立つ作品です。荒削りながらも骨格が明確で、“若さ”と“暗さ”が同居する魅力があります。

  • 代表曲・注目曲:Rescue、Pictures on My Wall
  • 聞きどころ:シンプルな曲構成と生々しい演奏感。バンドとしての原石が詰まっている点。
  • 盤の選び方:オリジナルのUKコロヴァ(Korova)盤は雰囲気が良いですが、音質重視なら近年のリマスター盤(ボーナス曲収録のもの)も価値あり。

Heaven Up Here(1981)

デビューから一段と深度を増した2nd。より重厚で陰影の深いサウンドが前面に出ており、彼らの“暗さ”が確立されたアルバムです。ライブでの強度も高く、スタジオでの表現力が増しています。

  • 代表曲・注目曲:A Promise、All My Colours
  • 聞きどころ:空間表現とテンションの持続、ギターのミニマルかつ効果的なアプローチ。
  • 盤の選び方:オリジナル盤は入手価値あり。リマスター/デラックス盤はBBCセッションや未発表曲を含むことが多く、コレクション性が高いです。

Porcupine(1983)

より実験的でアングラ感のある作品。テンションを張り詰める曲が多く、音響的にも挑戦的なアレンジが見られます。商業的ヒットとアート志向の両立を試みた時期でもあります。

  • 代表曲・注目曲:The Cutter、The Back of Love(シングル曲含む)
  • 聞きどころ:リズムの強調とギターの鋭さ、ドラマティックな曲展開。
  • 盤の選び方:シングル曲を収めたエディションや、拡張版のボーナストラック(デモ/セッション)も面白い。

Ocean Rain(1984) — 名盤中の名盤

E&TBの代表作かつ多くのファン/評論家が名盤と評する一枚。オーケストレーションを大胆に導入し、切なく壮大な世界観を作り上げています。メロディの美しさとイアンの表現力が極まった、バンドの“劇場型”作品です。

  • 代表曲・注目曲:The Killing Moon(バンドの代名詞的楽曲)、Silver、Ocean Rain
  • 聞きどころ:弦楽器や壮麗なアレンジがボーカルと完璧に噛み合い、余韻を長く残す構成。歌詞の映像的描写とサウンドの調和が魅力。
  • 盤の選び方:オリジナルLPはコレクターズアイテム。サウンドの厚みを楽しみたいなら高品質プレス(180g等)や公式リマスター/デラックス盤がおすすめ。シングルのバージョン違い(シングルミックス等)を聴き比べるのも面白いです。

Songs to Learn & Sing(1985) — ベスト/入門盤

シングルと代表曲を集めた編集盤。入門としては最適で、初期〜中期の魅力を手短に把握できます。アルバム単位で聴く時間がない人や、まず“名曲”だけ押さえたい人に向きます。

  • 代表曲:The Killing Moon、Rescue、The Cutter、Bring on the Dancing Horses など
  • 聞きどころ:曲ごとのプロダクションの違いを俯瞰でき、バンドの変遷を短時間で体感可能。

90年代以降の注目作と変遷

1980年代後半に長期の変化期を迎えたE&TBは、解散・再結成を経て1997年に復活作『Evergreen』を発表するなど、新たな局面へと進みます。オリジナルの雰囲気を踏襲しつつ現代のプロダクションを取り込んだ作品群も多く、古参ファンだけでなく後年のリスナーにも響く要素を含みます。

  • Evergreen(1997):復活を印象づけたアルバム。往年のメロディセンスと現代的な音像が交差。
  • Reverberation(1990)など:メンバー交代期の音源。歴史的文脈を理解するために興味深い。

どの盤(版)を選ぶか — 実用的ガイド

  • オリジナル・コロヴァ/初期プレス:当時の空気感やジャケット表現を重視するコレクター向け。
  • リマスター/デラックス盤:音質改善・ボーナストラック(デモ、BBCセッション、未発表曲)を楽しみたい人向け。
  • ベスト盤/編集盤:まず名曲を手早く把握したい場合の最短コース。
  • シングルやEP:曲の別テイクや独自ミックスが収められることがあるため、コアな曲好きには貴重。

楽曲分析メモ — 代表曲に見るE&TBの魅力

  • The Killing Moon:メロディの美しさ、ドラマティックな展開、そして歌詞の陰翳が融合した代表作。イントロのギターフレーズとアレンジの壮麗さが特徴。
  • Rescue:初期の勢いを象徴するポップでストレートなナンバー。バンドの原点を感じさせるシンプルさ。
  • The Cutter:ギターの刻みと空間演出が際立つ攻めの1曲。ダイナミズムと緊張感の作り方が巧み。

聴きどころ・コレクションの楽しみ方

  • アルバム単位でのストーリー性に注目:E&TBはアルバムごとに表情が大きく変わるため、順を追って聴くと発見が多いです。
  • シングル/B面にも名曲や実験的音源が眠る:コアな衝動や別テイクを楽しみたい場合はシングル収集が有益。
  • リマスター版のブックレットや解説も価値あり:時には当時の写真やライナーで理解が深まります。

まとめ — まず何を買うべきか

初めてなら『Ocean Rain』または『Songs to Learn & Sing』。E&TBの音楽的な幅や代表曲を一気に味わえます。バンドの変遷を深く知りたいなら『Crocodiles』→『Heaven Up Here』→『Porcupine』→『Ocean Rain』の順で聴き、気に入った時点でリマスターやシングルの別テイクを追いかけると、満足度が高いはずです。

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