Parliament‑Funkadelic(P‑Funk)入門:まず聴きたいおすすめ名盤&深掘りガイド

Parliament‑Funkadelic(P‑Funk)入門:深掘りコラム

Parliament‑Funkadelic(以下P‑Funk)は、ジョージ・クリントンを中心に1970年代を席巻したファンク/サイケデリックの超大所帯プロジェクトです。Parliament と Funkadelic は別名義ながら人員と音楽性が大きく重なり、派手な宇宙観、重厚なグルーヴ、サイケデリックな実験が融合した独自のサウンドを確立しました。本コラムでは「まず聴くべき」「深掘りすべき」おすすめレコードを厳選し、それぞれの聴きどころと背景を解説します。

入門におすすめの3枚

  • Parliament — Mothership Connection (1975)

    P‑Funk の「宇宙船」神話を決定づけた傑作。派手なホーン、キャッチーなコーラス、SF的なコンセプトが結実した1枚で、代表曲「Give Up the Funk (Tear the Roof off the Sucker)」を収録。Parliament サイドのファンクポップ的側面が強く、初めてP‑Funkを聴く人に最適です。

  • Funkadelic — Maggot Brain (1971)

    エディ・ヘイゼルのギターが轟音で泣き叫ぶタイトル曲「Maggot Brain」はロック/サイケデリック寄りの深い感情表現。Funkadelic のダークでサイケな側面が際立つ名盤で、P‑Funk の幅広さを理解するうえで必聴です。

  • Funkadelic — One Nation Under a Groove (1978)

    「ダンスと一体化するファンク」を高らかに歌い上げた名作。タイトル曲はクラブ/パーティー・アンセムとなり、よりソウルフルかつグルーヴィーなアプローチが特徴。70年代後半のP‑Funkの到達点を示すアルバムです。

さらに深掘りしたい人のための名盤

  • Parliament — Chocolate City (1975)

    政治的・社会的な意識と派手なファンクが混ざり合う作品。1970年代のアメリカ都市文化やブラック・アイデンティティをテーマにした曲があり、Mothership Connectionと並んでParliamentの重要作です。

  • Parliament — The Clones of Dr. Funkenstein (1976)

    コンセプト性が強く、SF的マッドサイエンティスト像を借りたファンクの連続。重厚なブラス、コーラス、ユニークなキャラクター表現が詰まった一枚で、ライブでの表現を想像させる仕掛けが満載です。

  • Funkadelic — Free Your Mind... and Your Ass Will Follow (1970)

    初期Funkadelicの傑作で、サイケデリックな実験性とファンク/ロックの融合が鮮烈。アルバム全体に漂う自由と解放のテーマが、以後のP‑Funkサウンドに大きな影響を与えました。

  • Parliament — Motor Booty Affair (1978)

    海洋テーマを取り入れた楽曲構成とパーティ感が楽しいアルバム。よりメロディックでファンキーな曲が多く、Parliamentのポップセンスが際立つ作品です。

  • Various / Compilations — P‑Funk Essentials / Greatest Hits(編集盤)

    まず代表曲を手早く押さえたいときに便利。複数の名曲をまとめて聴けるため、気に入った曲から詳しいアルバムへ遡ると効率的です。

代表曲と聴きどころ(抜粋)

  • Give Up the Funk (Tear the Roof off the Sucker)(Parliament) — サビの高揚感とホーンのキレ、みんなで歌えるコーラスがP‑Funkの「公共圏」を象徴するアンセム。

  • Maggot Brain(Funkadelic) — 長尺のギター・ソロを中心に据えた曲。個人の感情を音楽的に開放する瞬間が凝縮されています。

  • One Nation Under a Groove(Funkadelic) — ボーダーレスなダンス性とポジティブなメッセージで、P‑Funkの大衆性を体現。

  • Flash Light(Parliament) — シンセベースとループ的グルーヴが印象的。80年代へ向かうP‑Funkの音響実験の先取りとも言える楽曲。

聴き方・順序のおすすめ

  • まずはParliamentの「Mothership Connection」とFunkadelicの「Maggot Brain」、そして「One Nation Under a Groove」を押さえると、P‑Funkの“二面性”(ポップで宇宙的なParliament と ダークでサイケなFunkadelic)を一気に理解できます。

  • 次に「Chocolate City」「The Clones of Dr. Funkenstein」「Motor Booty Affair」あたりでコンセプト性やステージ演出を感じ取り、最後に初期Funkadelic(Free Your Mind...等)で実験精神を味わうと全体像が見えてきます。

  • ライブ盤(例:Live: P‑Funk Earth Tour)や編集盤で人気曲の生々しさ・編曲の違いを確認すると、P‑Funkの現場感がより伝わります。

聴く際の注目ポイント(音楽的観点)

  • 編曲:ダンスを前提にしたホーンやコーラスの配置、シンセ・ベースの使い方に注目すると、曲の“仕掛け”が見えてきます。

  • テーマとキャラクター:ジョージ・クリントンの創るSF的世界観やキャラ(Dr. Funkenstein など)が歌詞やアートワーク、曲間トークに反映され、アルバムを通して聴く楽しみがあります。

  • 演奏陣:エディ・ヘイゼルやブーツィー・コリンズらの個性的プレイに耳を傾けると、P‑Funkの「音の核心」が理解できます。

おわりに

Parliament‑Funkadelic は一聴で全貌が掴めるタイプではありませんが、上で挙げた数枚を軸に聴き進めることで、その奥行きと革新性を徐々に発見できるはずです。アルバム単位で世界観を提示するスタイルが強いため、曲単位で断片的に聴くよりアルバム通しで味わうのがおすすめです。音楽的にはファンク、サイケデリック、ソウル、ロック、電子音楽的要素が混ざり合い、現代の多くの音楽にも影響を与えています。ぜひ宇宙船に乗り込んでください。

参考文献

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