マーク・ボラン(T. Rex)入門:まず聴くべき必聴アルバムと代表曲ガイド

Marc Bolan(マーク・ボラン)— 一言で言えば何を聴くべきか

Marc Bolan(マーク・ボラン)は、サイケデリック・フォーク期のTyrannosaurus Rexから、ブリティッシュ・グラムロックを象徴するT. Rexとなり、ロック史に強い足跡を残しました。本稿は「まずこれを聴いてほしい」推薦盤を中心に、各アルバムの聴きどころ、時代背景、どんなリスナーに合うかを解説します。代表的なシングルもまとめますので、初めての方はここから入ると全体像が掴みやすいはずです。

短い経歴と音楽的変遷

1967年頃にTyrannosaurus Rexとして活動を開始したボランは、初期はアコースティックでサイケデリック寄りのサウンドを展開しました。1970年前後に電化・バンド編成へ移行し、1971年のT. Rex名義での成功(特に「Bang a Gong (Get It On)」)をきっかけにグラムロックのアイコンとなります。その後はよりポップでキャッチー、かつグルーヴィーな楽曲を量産しましたが、70年代半ば以降にサウンドは変容・実験を繰り返しました。

必聴アルバム(入門〜深掘り順)

Electric Warrior(1971)

なぜ聴くべきか:T. Rexの「完成形」として最も広く推薦されるアルバム。グラムロックの代表作であり、Bolanの魅力(ソングライティング、ギターのフック、ヴォーカルの甘さ)が凝縮されています。

  • 聴きどころ:代表曲「Bang a Gong (Get It On)」「Jeepster」など、キャッチーでリフが強い楽曲群。
  • おすすめポイント:トニー・ヴィスコンティのプロデュースによる厚みあるサウンド。ロック入門者からコアなリスナーまで刺さる一枚。

The Slider(1972)

なぜ聴くべきか:Electric Warriorの成功を受け、ポップと実験性を両立させた続編的名盤。シングル曲や骨太のロック・ナンバーがそろっています。

  • 聴きどころ:「Telegram Sam」「Metal Guru」などのヒット曲に加え、アルバム通してのプロダクションの完成度が高い。
  • おすすめポイント:ブリティッシュ・グラムの黄金期を味わえる、名盤中の名盤。

Tanx(1973)

なぜ聴くべきか:シンセやブラスを取り入れ、ソウルやリズム&ブルースの要素を感じさせる展開。ポップさと実験性のバランスが印象的です。

  • 聴きどころ:派手なアレンジや多彩な楽器構成が光り、ライブ向けのロックとはまた違った側面を見せます。
  • おすすめポイント:Electric Warrior/The Sliderとは違った“変化球”を楽しみたい人向け。

Zinc Alloy and the Hidden Riders of Tomorrow(1974)

なぜ聴くべきか:サウンド面で実験性が増したアルバム。ポップというよりはアーティスティックでやや前衛的な傾向があり、コアなファンに評価されています。

  • 聴きどころ:ループ的なフレーズやヴァラエティに富んだ楽曲構成。商業的ヒット性より芸術志向が強い一枚。
  • おすすめポイント:Bolanのアーティスティックな側面を深掘りしたい人向け。

Bolan's Zip Gun / Futuristic Dragon(mid-1970s)

なぜ聴くべきか:70年代中盤の作品群はディスコやファンクの影響、そしてプロダクション上の実験が混ざり合っています。賛否は分かれますが、時代の趨勢をBolan流に取り込む様子が興味深いです。

  • 聴きどころ:シングル曲やアルバム曲でのアレンジの多様性。ロック/ポップの枠を越えた試みが聴けます。
  • おすすめポイント:70年代後半の音像の変化を追いたい人に。

初期:Tyrannosaurus Rex 時代の名盤(My People Were Fair... ほか)

なぜ聴くべきか:アコースティックで夢想的なサウンドは、Bolanのソングライティングの根幹を理解するうえで重要。T. Rex以前の詩的・幻視的な一面が強く出ています。

  • 聴きどころ:フォーク寄りの編成、詩的で神話的な歌詞世界。
  • おすすめポイント:Bolanのルーツに触れたい、あるいはサイケ・フォークが好きなリスナーに。

代表曲(シングル/必聴トラック)

  • Ride a White Swan(1970) — T. Rexへの転換期を象徴する初期ヒット。
  • Bang a Gong (Get It On)(1971) — Electric Warriorのキラー・トラック。グラムの金字塔。
  • Jeepster(1971) — 同時期の代表曲でグルーヴが強烈。
  • Telegram Sam(1972)/Metal Guru(1972) — The Slider周辺の名曲群。
  • 20th Century Boy(1973)/Children of the Revolution(1972) — シングル・アンセムとしての価値が高い。

どの盤を選ぶか(エディションや入手のコツ)

コレクション用途か、音質重視で聴くか、気軽にまず聴くかで選び方は変わります。

  • 入門用:ベスト盤や編集盤(”Greatest Hits”系)で代表曲を一気に。まずはBolanの魅力を掴むのに最適。
  • アルバム体験:Electric Warrior / The Sliderのオリジナル・アルバム(CDやストリーミング、リマスター盤)で通して聴くのが王道。
  • コレクター向け:オリジナルの初版プレス(UKオリジナル)や当時のシングル盤はコアな魅力があるが、状態と価格をチェック。
  • リイシュー:近年のリマスターやデラックス版はボーナストラックや未発表テイクが付くことが多く、深掘り派におすすめ。

聴きどころの視点(何を注目して聴くか)

  • メロディとリフ:Bolanの作るフックはシンプルで印象的。ギターのワンリフで耳に残る場面が多いです。
  • 歌詞の世界観:神話めいたイメージ、夢幻的なフレーズ、遊び心のある言葉選びに注目。
  • プロダクションの変化:初期のアコースティック→電化→ブラスやシンセ導入といった変遷を追うと、70年代ポップの変化も見えてきます。

おすすめの聴き方・順番

入門者向けの順番(おすすめ):

  • まずはベスト盤で代表曲を把握
  • Electric Warrior(核心を知る)→ The Slider(進化形)→ Tanx(変化を体感)
  • 興味が湧いたら初期Tyrannosaurus RexやZinc Alloyといった実験的作品へ

最後に(マーク・ボランの魅力)

Marc Bolanの音楽は、単に“懐メロ”ではありません。詩的でありながらロック的な躍動があり、ポップセンスと詩的幻想のバランスが独特です。Electric WarriorやThe Sliderはその最も分かりやすい証拠で、初めて聴く人にも強く勧められます。一方で彼のキャリア全体を追うと、より繊細で実験的な側面が顔を出し、聴くたびに新しい発見があります。

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