Faithless おすすめレコード完全ガイド:Reverence から All Blessed までの名盤と盤選びのコツ
Faithless おすすめレコード 深堀コラム
Faithless は1990年代中盤から活動を続けるイギリスのエレクトロニック/ダンス・バンド。Maxi Jazz(ボーカル/ラップ)、Sister Bliss(キーボード/プロデュース)、Rollo Armstrong(プロデュース/ソングライティング)を中核に、クラブ向けのグルーヴと宗教的・社会的メッセージを併せ持つ楽曲で幅広い層に支持されました。本コラムでは「レコードとして持つ価値が高いおすすめ盤」を中心に、音楽的背景や盤選びの観点から深掘りして解説します(盤の再生・保管・メンテナンス方法自体の解説は省きます)。
Faithless の音楽的特徴とレコードを買う理由
Faithless の魅力は、アンセミックなメロディと、トラックに強く現れる「クラブ的ダイナミクス」(繰り返しの中で高揚する構成)、そして Maxi Jazz の語りかけるような詩世界にあります。レコードで聴く価値は以下の点に集約されます。
- 低域の深いシンセ/ベースがアナログ再生で力を発揮する楽曲が多いこと
- 12インチや初回プレスにしか収録されていないロング・ミックス/レア・リミックスが存在すること
- アルバム・ジャケットやアートワーク、パッケージの違い(国内盤ライナー、初回特典等)にコレクター的価値があること
必携アルバム:スタジオ作品解説とおすすめ盤
Reverence(1996)
デビューに近い時期の傑作で、代表曲「Insomnia」「Salva Mea」などを収録。ダンス・トラックの強度と、宗教的・内省的なテーマが同居する構成で、Faithless の名を世界に知らしめた一枚です。
- 推薦ポイント:クラブ感が強い楽曲が多く、初期のオリジナル12インチ/初回アナログは12インチのミックスが多く収録されコレクター価値が高い。
- 聴きどころ:Insomnia のビルド感、Salva Mea の長尺で展開する世界観。
- 盤選び:オリジナルUKプレス(初出時のアナログ12インチやLP)が流通量は少ないが音源的・歴史的価値が高い。近年の再発では音圧・マスタリング差があるので、試聴・出典を確認するのが良い。
Sunday 8PM(1998)
よりメロディアスでポップな要素が増した2作目。代表曲「God Is a DJ」や「Bring My Family Back」など、エモーショナルなシングルが多いアルバムです。クラブからラジオまで幅広いリスナーに届く仕上がり。
- 推薦ポイント:シングルのバリエーション(シングルカット+リミックス)をアナログで押さえると補完的な楽しみがある。
- 聴きどころ:メロディの幅、プロダクションの質感の変化。
Outrospective(2001)
よりストレートなロック的ダイナミクスやエレクトロ要素が混ざり合ったサウンド。シングル「We Come 1」はメッセージ性が強く、フェスや大箱でのパフォーマンス向きの曲です。
- 推薦ポイント:バンドとしての表現幅が広がった時期を示す作品。LPでのダイナミクスの違いを楽しめる。
No Roots(2004) / To All New Arrivals(2006)
2000年代に入ってからの作品群。ポップとクラブのバランスや、楽曲ごとのトーンの振れ幅が大きく、コア・ファン向けの深掘り要素が多いアルバムです。
- 推薦ポイント:リリース時期の異なるプレス(ヨーロッパ盤、US盤、日本盤)で曲順やボーナスの違いがあり、コレクター心を刺激する。
All Blessed(2020)
10年代を経て発表されたアルバム。メンバーの世代や社会状況の変化を反映した、成熟したサウンド。近年のリリースなのでプレスの種類(デラックス、カラーヴァイナル等)が存在します。
- 推薦ポイント:新しいプロダクションのアプローチを取り入れた現在進行形のFaithlessを記録した作品。
コンピレーション:Forever Faithless – The Greatest Hits(2005)
代表曲を網羅したベスト盤は、アルバム単位で揃える前の入門としても最適。ダブルLP構成や別途リミックス集が存在するので、入手する版によって内容が変わります。
シングル/12インチで押さえたい一枚(複数)
Faithless はシングル・12インチ文化が重要なバンドです。クラブ用のロング・ミックスや当時のリミックスはアナログでの価値が高いので、以下をチェックしてください。
- Insomnia(12インチ) — クラブで育った名曲。オリジナルのロング・ミックスやDJ用カットは人気。
- Salva Mea(初期12インチ) — 長尺の展開とドラマ性を持つトラック。別バージョンが多い。
- God Is a DJ(シングル) — フェス寄りの定番。12インチやプロモ盤の違いを楽しめる。
- We Come 1(シングル/12インチ) — 近年のライヴ必須曲として価値大。
盤選び:実務的な観点からのアドバイス(保管や再生方法ではなく選定のコツ)
- オリジナル・プレスと再発の違いを把握する:音源のマスター、カッティング、収録トラック(12" ミックスの有無)やジャケットの表記が異なることが多い。
- 180g/オーディオファイル仕様の再発:物理的厚みの違いだけでなく、マスタリング差があるため「どのマスターを使っているか」を確認する。
- プロモ盤・ホワイトラベル:初期のプロモやDJ用白ラベルはレア度が高く、コレクター相場が上がることがある。入手時は出品説明でトラック表記やカタログ番号を確認。
- 国内盤/輸入盤の違い:国内盤には日本語解説やボーナストラックが付く場合がある。逆に輸入盤の初版が音質的に良いことも。
- 盤を調べるときはデータベースを活用:Discogs などでカタログ番号、プレス年、スタンパー(runout/matrix)情報を照合すると当該プレスの正体が見えやすい。
聴きどころ(シチュエーション別のおすすめトラック)
- 夜のドライブ/深夜リスニング:Insomnia、Salva Mea(長尺バージョン)
- 盛り上がり重視の場:God Is a DJ、We Come 1
- 静かな瞬間に沁みる曲(歌詞と雰囲気):Bring My Family Back、Why Go?
購入先と相場感のヒント
- オンラインの中古マーケット(Discogs、eBay 等):出品写真で盤の状態とマトリクスを確認。相場は盤の状態と希少性(初回盤か否か)で大きく変わる。
- レコードショップやイベント:国産プレスや良好な中古盤を店頭で掘る楽しさは格別。試聴できれば音の違いを直に確認できる。
- 再発を狙う戦略:入手困難な初期プレスは高価なので、まずは音質や曲を楽しむための再発180g盤やデジタル・ハイレゾを選ぶのも現実的。
コレクター向けの注目ポイント(付録的に)
- 12インチ収録の「ロング・ミックス」「インスト」「リミックス」はアルバム未収録のことが多い。DJカットやEXTENDED表記をチェック。
- ジャケット差(初回ステッカー、帯、日本盤解説など)が資産価値を左右するケースもある。
- リリース年ごとの音作りの違いを楽しむ:90年代中盤〜2000年代の間でマスタリング傾向や音圧が変化しているため、同一曲でも盤によって聴き味が異なる。
まとめ
Faithless は「クラブのためのエネルギー」と「普遍的なメッセージ」を兼ね備えた稀有な存在です。まずは『Reverence』→『Sunday 8PM』→『Outrospective』の流れで名曲群を押さえ、興味が湧けば12インチや初回プレスの世界へ踏み込むのが王道の楽しみ方。盤の版種(オリジナル/再発/プロモ)や収録バージョンの違いを意識すると、単なる「アルバム集め」以上の発見があります。
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