Spandau Ballet おすすめレコード徹底解説:ニュー・ロマンティック期から成熟サウンドまで名盤を深掘り
Spandau Ballet — おすすめレコード深堀コラム
イギリス出身のSpandau Balletは、1980年代のニュー・ロマンティック/シンセポップ・ムーブメントから出発し、ソウルフルで洗練されたポップへと変容を遂げたバンドです。本コラムでは、音楽性の流れや聴きどころを踏まえつつ、特に“レコードで聴きたい”おすすめ作品をピックアップして詳しく解説します。代表曲の背景、アルバムごとの特色、当時の文脈での位置づけを中心に深掘りします(レコードの再生・保管・メンテナンス等の解説は含みません)。
選定基準
以下の観点でおすすめ盤を選びました。
- バンドの音楽的変遷を理解できること(初期ニュー・ロマンティック→ポップ/ソウル)
- 代表曲・名曲を含み、楽曲の魅力が伝わりやすいこと
- アルバムとしての完成度・歴史的評価が高いこと
1. Journeys to Glory (1981)
デビューアルバム。荒削りながらもモード感あふれるニュー・ロマンティック期の産物で、若いエネルギーとスタイリッシュなビジュアル志向が反映されています。全体にシンセやギターの角の立った音像が特徴で、当時のクラブ/ファッション・シーンと強く結びついていたことが窺えます。
- 聴きどころ:代表シングル「To Cut a Long Story Short」など、疾走感のある初期ヒット
- なぜ聴くべきか:バンドの出発点と当時のUKサブカルチャーを知る上での重要作
2. Diamond (1982)
デビュー以降、よりメロディに焦点を当てたサウンドへと舵を切り始めた作品。ポップ性が強まり、楽曲構成やコーラスワークが洗練されつつあります。バンドの持つファッション性とポップセンスが両立した過渡期の名作です。
- 聴きどころ:ポップでキャッチーな楽曲群、バンドの作曲力の成長が感じられる
- なぜ聴くべきか:初期の荒々しさから本格的なポップバンドへ移行する過程を追える
3. True (1983)— 必聴の名盤
Spandau Balletの代表作にして彼らを国際的スターに押し上げたアルバム。タイトル曲「True」は世界的な大ヒットとなり、バンドのサウンドはニュー・ロマンティックの延長線上にソウルフルで洗練されたポップスを確立しました。タイムレスなメロディ、滑らかなアレンジ、エモーショナルな歌唱が融合しており、アルバム全体の完成度も非常に高いです。
- 聴きどころ:「True」の印象的なイントロとムード感、アルバムを通した大人のラヴ・ソング群
- なぜ聴くべきか:80年代ポップの金字塔。バンドの代表曲・代表的サウンドが詰まっており入門盤に最適
- 注目点:シンプルながら洗練されたアンサンブル、スムースなグルーヴ感が魅力
4. Parade (1984)
前作の成功を受けてさらにポップ志向を強めた作品。シングル「Only When You Leave」など、ドラマチックで完成度の高いメロディが並びます。よりストリングスや大編成のアレンジが導入され、スタジアム級のスケール感を目指した面が見て取れます。
- 聴きどころ:叙情的でドラマ性の高い楽曲、ヴォーカルの表現力が際立つ場面
- なぜ聴くべきか:ミドル〜アップテンポのバランスがよく、80年代中期のポップ大作として楽しめる
5. Through the Barricades (1986)
バンドの音楽的成熟が感じられるアルバム。政治的・個人的テーマも混ざる歌詞、よりロック寄りで重厚なサウンドが特徴です。タイトル曲「Through the Barricades」は情感豊かなバラードで、バンドの表現の幅が広がったことを示しました。
- 聴きどころ:叙情的なバラードと重厚なアレンジの対比、成熟した歌詞世界
- なぜ聴くべきか:単なる80年代ポップの枠を越えた深みを味わえる作品
6. Heart Like a Sky (1989)
1980年代末の作品で、サウンド的には静謐で大人びた雰囲気が強いアルバム。商業的な大ヒットには及ばなかったものの、バンドの柔らかい側面や成熟した楽曲制作が見られます。
- 聴きどころ:静かな叙情性、温度感のあるメロディ
- なぜ聴くべきか:Spandau Balletの“成熟期”をじっくり味わいたいリスナー向け
7. Once More: The Greatest Hits (2009)および再録作
再結成後に発表された作品やベスト盤は、オリジナル曲の再評価・編集の機会となりました。オーケストラ編曲や再録が含まれるリリースでは、往年の名曲を別の角度から楽しめます。コアなファンには興味深い再解釈が多いです。
- 聴きどころ:往年のヒットを新たな音像で再提示する試み
- なぜ聴くべきか:名曲の別テイクやアレンジを比較して楽しむのに最適
初めて聴く人への“はじめの一枚”とコレクター向けの薦め方
初めてなら「True」が断然おすすめです。メロディの強さ、楽曲の幅、時代を超えた魅力が凝縮されています。コレクターや深掘り派には、初期の「Journeys to Glory」でバンド初期の勢いを、そして「Through the Barricades」で成熟した側面を聴き比べることを勧めます。また、再発盤やベスト盤での別ミックスや未発表音源もチェックすると発見が多いです。
曲ごとの注目ポイント(抜粋)
- To Cut a Long Story Short — 初期の勢い、尖ったリズム感と時代性
- True — メロディ・ムード・ヴォーカルの三位一体、国際的なヒットとしての完成度
- Gold — ポップでキャッチーな力強さ。ライブ映えする代表曲
- Through the Barricades — 歌詞の重みとドラマ性、深い感情表現
アルバムをより楽しむための聴き方のコツ
- 時代背景を意識する:ニュー・ロマンティック〜80年代ポップの流行とファッション性を踏まえると、音作りや歌詞の意図が見えてきます。
- 曲順を通して聴く:アルバムの流れ(序盤の勢い→中盤のバラード→終盤の余韻)を追うことで、当時の制作意図や感情の起伏が掴めます。
- シングルとアルバム版の違いに注目:シングル向けの編集や12インチ・ミックスなど、楽曲の別顔を比較するのが面白いです。
総括
Spandau Balletは、ファッション性とポップセンスを兼ね備えつつ、時代とともにサウンドを成熟させていったバンドです。入門には「True」を、初期の文化的背景に触れたいなら「Journeys to Glory」、音楽的成熟を味わいたいなら「Through the Barricades」をおすすめします。それぞれのアルバムは異なる表情を見せるため、複数枚を比較することでバンドの全貌がより鮮やかに見えてきます。
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参考文献
- Spandau Ballet(公式サイト)
- Spandau Ballet — Wikipedia
- Spandau Ballet — AllMusic(アーティスト概要)
- Spandau Ballet — Discogs(ディスコグラフィ)


