エバープレイの中古レコード通販とジェレミー・スタイグの音楽世界:フルートが描くジャズとフュージョンの魅力
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イントロダクション — ジェレミー・スタイグとは
ジェレミー・スタイグ(Jeremy Steig、1940年代〜2016年)は、ジャズ/フュージョンの分野で独自の地位を築いたアメリカのフルート奏者です。伝統的なジャズの枠にとどまらず、ロック、ファンク、エレクトロニクスといった要素をフルートに持ち込み、「フルートでここまでできるのか」と聴き手に驚きを与え続けました。表現の幅、即興の切れ味、エフェクトを用いた音作りが大きな魅力です。
略歴とキャリアの概観
ニューヨーク出身のスタイグは、若い頃からジャズの英知を吸収しつつ、1960〜70年代の音楽的潮流に敏感に反応しました。初期のアコースティックなジャズ作品から、1970年代にかけてのエレクトリック/フュージョン期には鍵盤奏者や打楽器奏者と組んでロックやファンクのグルーヴを取り入れた作品を発表。ライブ活動でも多彩な編成で演奏し、当時の最先端音楽シーンにおける「フルート表現の拡張」の象徴的存在となりました。
音楽的魅力と特徴
- 表現の多様性: 透き通ったリリカルな音色から、エッジの立ったシャープなフレーズ、ファンキーなリズム・アタックまで、音色・表現レンジが非常に広い点が魅力です。バラードでは歌うように、ファンクやロック寄りの曲では金属的で攻撃的な音色を使い分けます。
- 拡張テクニックの巧みさ: フラッター、タング・アーティキュレーション、キークリックのような打楽的要素、声を同時に取り入れるボーカル・フラッティング(歌声を取り入れた奏法)など、多様な拡張技法を駆使して一人で多声的・多層的な表現を実現します。
- エレクトロニクスとの融合: アンプやエフェクト(ワウ、ディレイなど)をフルートに導入し、電子的な質感や空間演出を得意としました。これによりアコースティックな楽器でありながらバンド全体のサウンドに張り合える存在感を獲得しました。
- 即興力とリズム感: ジャズの高度なハーモニー理解に基づくインタラクティブな即興と、ロック/ファンク由来の強いグルーヴ志向が同居。リズム隊と掛け合い、フレーズを切り返す手腕に優れています。
代表作と聴きどころ(おすすめガイド)
ジェレミー・スタイグのディスコグラフィーは多岐にわたりますが、聴き始めに特におすすめしたいポイントを挙げます。
- 初期アコースティック作: フルートの純粋な音色とジャズ的感性を味わえる初期作品群は、スタイグが持つリリシズムとテクニックの基礎を理解するのに向いています。フルート本来の「歌う」魅力が際立ちます。
- フュージョン期の名盤群: 1970年代の作品ではエレクトリック・キーボードや打楽器と強く結びついた編成で、ファンク〜ロック色が強く出ます。ここでのスタイグはサウンドデザインやエフェクトの使い方を含め、フルートの新たな可能性を提示しています。
- コラボレーション作品: 当時の先鋭的ミュージシャン(キーボード奏者やパーカッショニスト、ベーシスト)との共演作は、彼の即興的反応力と会話能力が最もよく表れます。トリオや小編成でのライブ録音は特におすすめです。
ライブでの強み
ライブにおけるスタイグの演奏は、音色の即時的な変化と大胆なソロ展開が魅力です。エフェクトを駆使しつつも、呼吸やフレーズの流れを犠牲にしないアーティストで、ステージ上での化学反応を重視したインプロヴィゼーションが聴きものです。またMCや過度なパフォーマンスに頼らず、音楽そのもので聴衆を引き込む実力派でした。
後進への影響とレガシー
ジェレミー・スタイグは、フルートをジャズやポピュラー音楽の最前線に据えるうえで大きな役割を果たしました。彼の実験的なアプローチは、後のフルート奏者やサウンドデザイナーに影響を与え、ジャズ・フルートの表現範囲を広げた点で重要です。また、フルートがリード楽器としてロックやファンクの文脈でも成立することを示した点も評価されます。
聴き方のコツ
- 初めて聴くときは、楽器の音色変化に注目する(アコースティック→エフェクトの移行、生の息づかいなど)。
- 即興部分ではリズム隊との掛け合いを追い、どのようにフレーズを「返して」いるかを観察すると学びが深まります。
- 同じ楽曲のスタジオ録音とライブ録音を比べると、即興の自由度やアレンジの変化がよくわかります。
まとめ
ジェレミー・スタイグは、技術と感性、実験精神を併せ持ったフルート奏者であり、ジャズからフュージョン、ファンクまで横断する表現力で多くの聴衆とミュージシャンに影響を与えました。フルートという楽器の枠を拡張し続けた彼の録音と演奏は、今なお新鮮で刺激的です。初めて触れる方は、まず「純粋なフルート表現の美」と「エレクトリック期のサウンド実験」の両面に耳を傾けることをおすすめします。


