Love and Rockets徹底ガイド:80sオルタナ/サイケの全アルバムとおすすめレコードを網羅
イントロダクション — Love and Rocketsとは何か
Love and Rocketsは、1985年に結成されたイギリスのオルタナティヴ/サイケデリック・ロック・バンドです。メンバーはダニエル・アッシュ(ギター/ボーカル)、デヴィッド・J(ベース/ボーカル)、ケヴィン・ハスキンズ(ドラム)の3人で、いずれも前身バンドのBauhaus出身というバックグラウンドを持ちます。Bauhausのゴシック/ポストパンク的な要素を土台にしつつ、Love and Rocketsはよりメロディアスでサイケデリック、時にダンス寄りのサウンドへと舵を切り、80〜90年代のインディー〜オルタナ・シーンで独自の地位を築きました。
おすすめレコード(概観)
ここでは「入門向け」「コアなファン向け」「変化を楽しみたい人向け」など、用途別におすすめのLP/シングルを取り上げ、各作品の魅力と聴きどころを深掘りします。リリース順に音楽性の変遷がわかるよう選んでいます。
Seventh Dream of Teenage Heaven(1985)
おすすめ度:入門〜初期サウンド好き向け
- 何が特徴か:ポストパンクの翳りとサイケデリックな浮遊感が混ざったデビュー作。Bauhausの暗さを引き継ぎつつ、よりドリーミーでメロディックな楽曲が並びます。
- 聴きどころ:ギターの空間処理、浮遊するベースライン、きらめくようなリフ。アルバムを通じてドラマ性のあるアレンジが楽しめます。
- 代表トラック例:Kundalini的要素を感じさせる曲や、バンドの持つ初期の実験性が色濃く出た曲が収録されています(具体的な曲名は盤によって異なるため、収録トラックリストで確認を)。
- コレクター向けメモ:初期のUK盤(Beggars Banquet系)やUS初期盤は当時のアートワークやマトリクス情報が違うことがあるため、オリジナル・プレスを探す楽しみがあります。
Express(1986)
おすすめ度:ポストパンクからサイケ寄りの移行を楽しみたい人向け
- 何が特徴か:よりダイナミックかつ実験的なアレンジが目立ち、リズム感と空間演出に重点が置かれた作品。ギターのテクスチャーとリズムのうねりが魅力です。
- 聴きどころ:疾走感のあるナンバーとスローで陰影のある曲がバランスよく並び、アルバムとしての統一感が強い点。
- 代表トラック例:「Kundalini Express」系のトラックはこの時期の代表的な音像を示します。
- コレクター向けメモ:当時のシングルカットや12インチ・リミックスのバージョンも評価が高く、異なるミックスを楽しむ価値があります。
Earth, Sun, Moon(1987)
おすすめ度:バンドの“メロディック”な側面を知りたい人向け
- 何が特徴か:ポップセンスとサイケデリックが調和した名盤と評されることが多い作品。よりキャッチーで歌心のある楽曲が目立ちます。
- 聴きどころ:ヴォーカル・メロディの明快さ、コーラスワーク、曲ごとのドラマティックな構成。バンドのポップ・ソングライティング能力が顕在化しています。
- 代表トラック例:「No New Tale to Tell」など、ラジオ寄りのヒット性を備えた曲が含まれるため入門盤としても最適です。
- コレクター向けメモ:シングルのB面や収録されなかったリミックス/デモが後になってコンピ収録されることがあるため、拡張盤や再発の内容もチェックすると面白いです。
Love and Rockets(セルフタイトル、1989)
おすすめ度:商業的ピーク/代表曲を求める人向け
- 何が特徴か:商業的な成功を収めたセルフタイトル作。アルバムからのシングル「So Alive」は全米チャートでも大きくヒットし、バンドの知名度を世界的に押し上げました。
- 聴きどころ:洗練されたアレンジと大衆性、バンドの演奏力が落ち着いて結実した音像。歌詞の大人びた視点と都会的な雰囲気も魅力です。
- 代表トラック:So Alive(必聴)— センセーショナルなギターリフと粘るボーカルが印象的で、シングルとしての完成度が非常に高いです。
- コレクター向けメモ:ヒット作ゆえに多くのプレス/再発が存在します。オリジナル盤、プロモ盤、地域別ジャケット差、12インチのダンスミックスなど、コレクションの幅が広いのも特徴です。
Hot Trip to Heaven(1994)
おすすめ度:サウンドの変化を楽しみたい人向け(エレクトロ/アンビエント寄り)
- 何が特徴か:90年代のテクノ/アンビエント/ダンスミュージックの影響を強く受けた実験作。従来のロック・フォーマットを離れた音作りで賛否を呼びましたが、現在では評価が再検討されることもあります。
- 聴きどころ:長尺のトラックや電子的なテクスチャー、空間系エフェクトの大胆な使用。従来のファンとエレクトロ志向のリスナー双方に新鮮に映る要素が多いです。
- コレクター向けメモ:オリジナルのCD/LPの流通は限定的だった時期があり、再発で入りやすくなっていることが多いです。盤による音の趣が変わるので、複数バージョンを比較する楽しみもあります。
Sweet F.A.(1996)/Lift(1998)
おすすめ度:後期の作風を追いたい人向け
- 何が特徴か:90年代中後期の作品は、ロック・バンドとしての原点回帰と同時にポップ/実験要素の折衷が試みられた時期。ライブでのエネルギーやスタジオでの細やかな手仕事が混在します。
- 聴きどころ:バンドの成熟したサウンド、個々の演奏の円熟、曲ごとの表情の豊かさ。
- コレクター向けメモ:後期作はプレス数が少ないことやリージョン差が出ることがあり、見つけたときの満足度が高いです。
シングル/12インチで押さえておきたいもの
- So Alive(1989) — バンドの代表曲。シングル・カットのバージョンやエディットを集める価値が高い。
- No New Tale to Tell — ラジオ・ヒットとなったメロディックなトラック。
- Kundalini Express やその他の12インチリミックス — ダンス寄りのミックスや長尺バージョンがコレクション的に面白い。
どのレコードを選ぶべきか:目的別ガイド
- 「入門として一枚」:Earth, Sun, Moon または Love and Rockets(1989)。メロディと代表曲がまとまっているため最初に聴くには扱いやすい。
- 「バンドの変遷を追いたい」:Seventh Dream → Express → Earth, Sun, Moon → Love and Rockets と順に聴くと変化がよく分かる。
- 「実験的/電子サイドを楽しみたい」:Hot Trip to Heaven を推奨。従来のイメージからのギャップを楽しめる。
- 「コレクター志向」:初期のUK盤、プロモ盤、12インチ・リミックス、限定ジャケットなどを狙うとコレクティングの幅が広がります。
聴きどころの具体的ポイント(曲を深く味わうために)
- ボーカル表現の違い:ダニエル・アッシュの歌い回しは曲ごとに表情を変えるため、同一アルバム内でもその変化を追うことで曲の解釈が深まります。
- ギターのテクスチャー:単なるリフ以上に空間処理やエフェクト感が楽曲の骨格を作っています。サイケデリックな余韻に注目。
- ベースとドラムのグルーヴ:シンプルながら独特の間(ま)があり、曲のテンポ感やムード作りに大きく寄与しています。
- アレンジの変化:同じテーマを異なるアレンジで表現することがあり、アルバム全体を通して比較してみると面白い発見が多いです。
まとめ
Love and Rocketsは、ポストパンクの源流を持ちながらも幅広い音楽性を探求したバンドです。代表作を押さえるだけでなく、シングルやリミックス、後期の実験作にまで手を伸ばすことで、その多面性をより深く味わえます。レコードで集める魅力は、ジャケット・仕様や当時のプレス差によって聴感やコレクション性が変わる点にもあります。まずは「Earth, Sun, Moon」か「Love and Rockets(1989)」からスタートし、気に入った方向性に応じて初期作や実験作へと広げるのがおすすめです。
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