ザ・フォー・トップス徹底深掘り:モータウン黄金期のおすすめレコードと聴きどころを詳解
The Four Tops — おすすめレコード深掘りコラム
1960年代のモータウンを代表する男性コーラス・グループ、The Four Tops(リーヴァイ・スタブス、アブドゥル“デューク”ファキール、レナルド“オビー”ベンソン、ローレンス・ペイトン)。ソウル、ポップ、R&Bを融合させた力強いボーカルと精緻なアレンジで、多くの名曲を残しました。本コラムでは、音楽的価値・時代背景・聴きどころの観点から「レコードで聴くべき」おすすめ作品を厳選して紹介します。
The Four Tops の音楽的特徴
彼らのサウンドは下記の要素が特長です。
- リーヴァイ・スタブスのリードボーカル:感情に直結する力強いバリトン〜テナーで、曲のドラマを一気に高めます。
- コーラスワーク:三人のハーモニーがリードを支え、シンプルかつ効果的なバックグラウンドを形成します。
- モータウンの作家/演奏陣:初期のヒットの多くは Holland–Dozier–Holland(HDH)らが手がけ、Funk Brothers(モータウンのスタジオ・ミュージシャン)が演奏。洗練されたビートとブラス/ストリングのアレンジが際立ちます。
- リリックとドラマ性:恋愛の切迫感、切なさ、約束や救済を歌うドラマチックな表現が多く、シングル形式でのインパクトが強いのが特徴です。
おすすめレコード(入門〜掘り下げ向け)
- Four Tops(1964) — デビュー・アルバム
初期シングルを中心にまとめられたデビュー作。若さと勢いが感じられるサウンドで、グループのポテンシャルを知るのに最適です。代表曲「Baby I Need Your Loving」など、モータウン初期の黄金期を味わえます。
- Four Tops Second Album(1965)/同時期のシングル群
「I Can't Help Myself (Sugar Pie, Honey Bunch)」「It's the Same Old Song」など、HDHチームとの協働で生まれた代表的なヒットを含む時期。モータウン・サウンドの完成形が見えてくる一枚(シングル集やグレイテスト盤での聴取も推奨)。
- Reach Out(1967)
タイトル曲「Reach Out I'll Be There」は彼らの代名詞的ナンバー。ドラマティックな構成とリーヴァイの力強い表現が最大限に活きており、60年代モータウン・ポップの代表作として必聴です。同時期のシングル「Standing in the Shadows of Love」なども収録される版を探すと満足度が高いでしょう。
- Four Tops Greatest Hits(各種編集盤)
短時間で主要ヒットを聴きたいなら編集盤が効率的です。1964〜1967年のヒット群(「Bernadette」「It's the Same Old Song」等)を良質にまとめた盤は、初めてレコードでコレクションする人にもおすすめ。
- Still Waters Run Deep(1970)
モータウン時代後期のアルバムで、よりアダルトで落ち着いたテイストが出てくる作品。アレンジや楽曲の幅が広がり、グループが単に“ヒットメーカー”ではなく表現者として深化していることが分かります。アルバムとして通して聴く価値あり。
- Keeper of the Castle(1972)/ABC/Dunhill時代の作品
モータウン脱退後の活動を示す一枚で、プロダクションや楽曲スタイルの変化が明確です。シングル志向の時代からアルバム志向へ移る過程を感じられ、70年代ソウルの文脈で聴くと興味深いでしょう。
- Anthology/The Motown Anthology(編集盤・BOXセット)
複数枚組のアンソロジーやコンプリート編集は、シングルA面・B面やレアトラックを含むことが多く、コレクターや深掘り派に最適。時代ごとの変化を俯瞰できます。
各レコードの聴きどころ(曲単位の注目点)
- 「Baby I Need Your Loving」:グループの初期ヒット。シンプルなコーラスとメロディの余白が良く、リーヴァイの感情表現が映えます。
- 「I Can't Help Myself (Sugar Pie, Honey Bunch)」:キャッチーなフックと完璧なポップ職人の仕事。HDHのヒットメイキングを体感できる一曲。
- 「Reach Out I'll Be There」:高度に構築されたアレンジとボーカルのドラマ性。イントロから終盤まで緊張感が途切れない名曲です。
- 「Bernadette」:シングル曲としてのドラマ性が強く、ステージでも映えるナンバー。感情の持って行き方が非常に巧みです。
いつ・どの版(オリジナル盤 / 編集盤)を選ぶか
「初めてなら編集盤でヒット曲を押さえる」「深掘りしたいならオリジナルLPやアンソロジーで時系列に聴く」の二段階アプローチが現実的です。初期のモータウン製作期(HDH作品)はシングル中心に作られているため、編集盤や当時のLPを通してヒットの流れを追うと、その時代の息遣いがつかめます。70年代以降はアルバム単位での表現が増えるので、作品ごとのまとまりを重視すると楽しめます。
聴き方の提案
- ヒット曲を時系列で並べて聴く:モータウン黄金期の進化が見えます。
- リード曲とそれを支えるコーラス/ブラス/ストリングに注目:アレンジの細部から当時のスタジオ技術と職人仕事が分かります。
- アルバム単位で通して聴く:特に1970年前後の作品は、曲間の流れや選曲の意図が面白くなります。
まとめ
The Four Topsは“シングルの強さ”と“劇的なボーカル表現”が魅力です。モータウン期のヒット群(HDHとの協働)は世界的な普遍性を持ち、70年代以降の作品は成熟したサウンドと異なる魅力を見せます。まずは代表曲を網羅した編集盤で入り、気に入った時代・楽曲をオリジナルLPやアンソロジーで掘る——この順でコレクションを広げることをおすすめします。
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参考文献
- The Four Tops — Wikipedia
- The Four Tops Biography — AllMusic
- The Four Tops — Motown Museum
- Four Tops Profile — Rolling Stone(アーカイブ記事)
- The Four Tops — Discogs(ディスコグラフィー照会)


