John Paul Jonesの多面的な音楽性を徹底解剖:おすすめレコードと聴き方ガイド

はじめに — John Paul Jonesという存在

John Paul Jones(ジョン・ポール・ジョーンズ)は、単に「レッドツェッペリンのベーシスト」という枠に収まりきらない音楽家です。確かなリズムとグルーヴを支えるベースワーク、ハーモニーやオーケストレーションを組み立てるアレンジ力、キーボードやマンドリン、シンセなど多彩な楽器を操るマルチプレイヤーとして、アルバムの土台から色づけまで幅広く貢献してきました。このコラムでは、John Paul Jonesのプレイやアプローチが存分に楽しめる「おすすめレコード」を深掘りして紹介します。

選び方の指針

  • 「バンドの核としてのベース」を聴きたいなら:ツェッペリンのスタジオアルバム(特に初期〜中期)。
  • 「アレンジャー/多楽器奏者としての側面」を聴きたいなら:特定のアルバムやライブ音源、及びプロジェクト作品。
  • 「現代での再結集的なコラボレーション」を聴きたいなら:Them Crooked Vulturesの作品。
  • 盤の選択は、オリジナルの魅力(初版)と音質の安定した近年の公式リマスター(例:2014年公式リマスター等)を比較するのがおすすめです。

必聴レコード(深掘り解説)

Led Zeppelin IV(1971)

なぜ聴くべきか:ロック史に残る傑作であり、John Paul Jonesの「補完力」と「音楽的幅」が最も自然に溶け込んでいるアルバムの一つです。硬質なロックからフォーク的な繊細さまで、曲ごとに役割を変えるJPJの柔軟性が際立ちます。

  • 聴きどころ:ベースの土台感、曲の陰影を作るキーボード/オーケストレーション的な発想。各楽器が相互に支え合うバランス感。
  • おすすめの楽しみ方:有名曲だけでなく、静かなパート(アコースティック寄りの曲やインスト)でJPJの細やかな色付けを探してみてください。

Physical Graffiti(1975)

なぜ聴くべきか:2枚組で多彩な音世界を展開する大作。ジャンルやアレンジの幅が広く、JPJの多面性(グルーヴ、鍵盤、アレンジ観)がより際立ちます。長尺曲や編曲の意欲作に触れるには最適です。

  • 聴きどころ:重厚なロックナンバーでの確かなリズム、曲中の音色変化や間の取り方で分かるアレンジ力。
  • おすすめの楽しみ方:曲順を追いながら、各曲でJPJがどのように役割を変えているかに注目すると面白い。

Houses of the Holy(1973)

なぜ聴くべきか:ロックの骨太さだけでなく、実験的/ポップ的な側面も持つアルバム。JPJはベース/キーボードだけでなく、トラックの質感を作る色彩的な役割を果たしています。

  • 聴きどころ:ポップと実験の境目にある楽曲群で、ベースラインやキーボードの選択が曲のムードを大きく左右しています。

In Through the Out Door(1979)

なぜ聴くべきか:バンドの晩期作で、シンセサイザーや鍵盤の使用が目立つ作品。JPJの鍵盤/シンセ指向のアプローチが色濃く出ており、彼のサウンドメイキング能力を楽しめます。

  • 聴きどころ:シンセ/キーボードによるテクスチャ形成、ベースのアンサンブル的な立ち位置。バンドサウンドの新しい表情に注目。

BBC Sessions(ライブ音源集)

なぜ聴くべきか:スタジオ録音とは違う即興性や生々しさが楽しめる音源。JPJのライブでの反応・即興の引き出しが見えやすく、演奏面の実際の力量を確認できます。

  • 聴きどころ:ライブでのアンサンブル感、フレーズの選択、曲の展開に対する即時の対応力。

Them Crooked Vultures(2009)

なぜ聴くべきか:Josh Homme(Queens of the Stone Age)とDave Grohl(Nirvana/Foo Fighters)という現代ロックの顔ぶれとの共演で、JPJの現代的センスと即戦力ぶりがよく分かる作品です。ベースと鍵盤での低音領域の構築や、アンサンブルでの立ち回りが鮮烈。

  • 聴きどころ:ロックの骨太さと洗練が同居するサウンドで、JPJのグルーヴ、スペースの作り方、音色選択に注目。
  • 代表曲:シングル「New Fang」ほか、ヘヴィかつ緻密な曲が並びます。

聴き方のポイント — JPJを「聴き分ける」ために

  • 低音だけを追わない:JPJはベースで「歌わせる」よりも、全体の支持線(ハーモニーの補強、展開のガイド)を作ることが多いです。ベースと鍵盤がどう対話しているかに耳を傾けてください。
  • アレンジの空間を見る:イントロや間奏での細かな音色(オルガン、ピアノ、シンセの動き)が曲の色を決めています。JPJの手癖は「余白を活かす」ことが多いので、控えめなパートに注目すると発見があります。
  • 曲ごとの役割の違いを比較する:同じバンド内でJPJがどう役割を変えているか(ドライブ感を出すのか、雰囲気を作るのか、編曲で拡張するのか)を追うと、彼の音楽的柔軟性が理解できます。

盤・エディションの選び方(簡潔)

初心者は公式リマスター(近年のオフィシャル再発)で音像が安定したものを。コレクターは初版の個性(マスターの違い、アナログ色)を楽しむ選択肢もあります。リイシュー情報は年ごとに異なるため、購入前に「リマスター年」「プレス元」「重量(180g等)」を確認すると良いでしょう。

最後に — John Paul Jonesの価値

John Paul Jonesを聴くことは、単に「名ベーシストの演奏を味わう」以上の体験です。アレンジャーとしての視点、サウンドデザインする職人的な耳、そしてバンド全体のグルーヴを成立させるための抑制された美学。それらが積み重なって、楽曲の深みを生んでいます。ここに挙げたレコードを通して、彼の多面的な魅力をじっくり味わってください。

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参考文献