ジェフ・ベック・グループ名盤おすすめガイド:TruthからRough and Readyまで聴き方と選び方
イントロダクション:The Jeff Beck Groupとは
The Jeff Beck Group(ジェフ・ベック・グループ)は、ギタリストのジェフ・ベックが中心となって1960年代後半から1970年代初頭に活動したバンドで、ロック、ブルース、ソウル、そして後のジャズ/フュージョンに通じるサウンドを提示しました。短い活動期間ながらもロック史に強い影響を残し、初期のラインナップにはロッド・スチュワートやロニー・ウッド(後にFaces/Rolling Stones)などが在籍していました。その後のラインナップはよりジャズ/ソウル寄りのアプローチへと移り、ジェフ・ベック自身の音楽的幅の広さを示しています。
必聴の名盤(The Jeff Beck Group時代)
Truth(1968)
デビュー作にして伝説的な一枚。ロッド・スチュワート(ヴォーカル)とロニー・ウッド(ベース/ギター)が参加した初期編成による、シンプルかつ濃密なブルース・ロックが詰まっています。ブルース・カバーを大胆かつ激烈に消化した演奏と、ジェフ・ベックの攻撃的で表情豊かなギターが光ります。
- アルバムの特色:生々しいブルーズ解釈、ロッド・スチュワートの荒々しい歌唱、ジェフのギター・トーンの原点を感じられる。
- 聴きどころ(代表的な曲):アルバム中のブルース曲群は必聴。ジェフのギター表現とバンドの化学反応を体感できる作品。
- こんな人におすすめ:初期のブルース・ロック、ロック史に残る“荒々しい”ギター表現を聴きたい人。
Beck-Ola(1969)
Truthの延長線上にある二作目。さらにヘヴィでダイナミックなロック感が強まり、バンドとしての一体感やアンサンブル力が増した作品です。初期ジェフ・ベック・サウンドの集大成的な側面があり、同時代の他バンドとは一線を画す迫力を持っています。
- アルバムの特色:より重心の低いギター、力強いリズムセクション。カバー曲の解釈も個性的。
- 聴きどころ(代表的な曲):ギター・フレージングとバンドのグルーヴ感が際立つ楽曲群。
- こんな人におすすめ:ハードで泥臭いブルーズ・ロックを好むリスナー。
Rough and Ready(1971)&Jeff Beck Group(1972)
1970年代初頭のセカンド・ラインナップ期の作品群。ロッド・スチュワート/ロニー・ウッド時代とは異なり、ボビー・テンチ(ボーカル)やコージー・パウエル(ドラム)らを中心としたメンバーで、ソウル/R&Bやジャズ的な要素が入り混じったサウンドへと変化しました。アレンジや曲構成にヴァラエティが増し、ジェフ自身の表現の幅が広がった時期です。
- アルバムの特色:ソウルフルな歌、洗練されたアレンジとギターの多彩なアプローチ。ブルース直系の荒々しさとは別の魅力。
- 聴きどころ:楽曲ごとに表情を変えるギターと、よりコンテンポラリーなアンサンブル。
- こんな人におすすめ:ロックにソウルやジャズ風味を求めるリスナー、ジェフの「表現の多面性」を聴きたい人。
関連作:ソロ期の重要作品(The Jeff Beck Group以降)
The Jeff Beck Group解散後、ジェフ・ベックはよりインストゥルメンタルでジャズ色の強い方向へ進みます。The Jeff Beck Groupのフォロワーとして、以下の作品は彼の音楽的進化を理解する上で欠かせません。
- Blow by Blow(1975)- インスト中心のジャズ・ロック/フュージョン。スリリングなギター・ワークと緻密なプロダクションで高い評価を獲得。
- Wired(1976)- フュージョン/インスト志向をさらに推し進めた作品。テクニカルで洗練された演奏が特徴。
どのアルバムを選ぶべきか:ケース別おすすめ
- 「初期の荒々しいロックが聴きたい」 → Truth、Beck-Ola
- 「ソウルやR&B的要素を含む演奏を聴きたい」 → Rough and Ready、Jeff Beck Group(1972)
- 「ジェフのギター表現の進化を追いたい」 → Truth → Beсk-Ola → Rough and Ready → Blow by Blow の順で聴くと変遷がよく分かる
レコード購入時に注目したいポイント(盤そのものの話ではなく選択の指標)
- オリジナル盤か再発か:オリジナル・プレスは歴史的価値が高く、当時のサウンド感が強い一方で、再発/リマスター盤は音質やノイズ処理が改善されていることも多い。コレクション方針に合わせて選ぶと良いでしょう。
- リイシューのクレジット:リマスターやリミックスの有無、ボーナス・トラックの種類(シングル曲、未発表テイク等)を確認すると、その盤の魅力が分かります。
- ジャケット/ライナー:当時の写真やクレジット、ライナーノーツは作品理解に役立ちます。複製ジャケットでも良い解説が付くことがあります。
- コンテクストで聴く:製作背景や当時のシーン(サイケデリック〜ブルース・ロック、後のフュージョン)をあわせて知るとアルバムの聴こえ方が変わります。
ディープ・リスニングのための聴き方ガイド
- 曲ごとのアレンジの違いに注目:初期は「曲そのものの激しさと即興性」、後期は「アレンジの洗練」といった差が明確なので、同一曲調の比較でジェフの表現の変化を感じられます。
- カバー曲の解釈を見る:The Jeff Beck Groupは多くのブルース/ロックのカバーを独自に料理しています。原曲と比較すると彼らのアプローチの特徴が見えます。
- ギター以外の要素も聴く:ロッド・スチュワートのヴォーカル、リズム隊のグルーブ、鍵盤の使い方など、各メンバーの個性がサウンドに与える影響を意識すると理解が深まります。
コレクター向けのヒント(購入判断の補助)
- 初期メンバーが参加している盤(特にTruth, Beck-Ola)は人気が高く中古市場での需要も高めです。
- 紙ジャケ/リマスター盤は付属資料(別冊ライナーや未発表音源)を重視する人に向いています。
- 海外盤と国内盤で音圧や曲順が異なるケースがあるため、気になる点は出品情報やリリース情報で確認しましょう。
まとめ
The Jeff Beck Groupの諸作品は、短い活動期間ながらロックとブルースの豊かな接点を示す重要なレコード群です。TruthやBeck-Olaの激烈なブルース・ロック、Rough and Ready期のソウルフルで洗練されたアレンジ、そしてソロ期のフュージョン路線へと続く流れを追うことで、ジェフ・ベックというギタリストの多面的な魅力が立体的に見えてきます。レコードを通じてその変遷を聴き比べることは、ロック史の一断面を生で体感する格好の方法です。
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参考文献
- The Jeff Beck Group — Wikipedia
- Truth (Jeff Beck album) — Wikipedia
- Beck-Ola — Wikipedia
- Rough and Ready — Wikipedia
- Blow by Blow — Wikipedia
- Jeff Beck — AllMusic Biography
- Jeff Beck — Discogs


