Cedar Waltonとは何者か:Eastern Rebellionと代表曲で読むモダン・ハードバップの名盤ガイド
Cedar Waltonとは
シーダー・ウォルトン(Cedar Walton, 1934–2013)は、ハードバップを基盤にしつつモダンな和声感とメロディ・センスを併せ持ったピアニスト/作曲家です。Art Blakey & The Jazz Messengers の重要なメンバーとしての活動で知られるほか、自身のリーダー作や「Eastern Rebellion」名義のグループでも高い評価を受けました。代表的な作曲には「Bolivia」「Firm Roots」「Ugetsu」「Mosaic」などがあり、これらはジャズ・スタンダードとしても広く演奏されています。
おすすめレコード:注目盤と聴きどころ
以下は入門〜コレクター向けに推薦する盤と、それぞれの聴きどころや選び方のポイントです。オリジナル盤も魅力的ですが、リイシューやCD/配信で音質良好なものを探すのも実用的です。
Art Blakey & The Jazz Messengers(ウォルトン在籍期の諸作) — 組曲的演奏と作曲の魅力
ウォルトンはBlakey在籍時に作曲とアレンジでグループのサウンド形成に深く関わりました。バンドの強靭なリズムとソロ志向の編成の中で、彼のピアノとオリジナル曲が生き生きと響きます。
- 聴きどころ:ウォルトン作の楽曲(「Ugetsu」「Mosaic」など)に注目。バンド内でのソロの展開や、ハードバップのダイナミズムを体感する。
- おすすめの楽しみ方:コンボの中でのウォルトンの伴奏(comping)と、リズム隊との相互作用を中心に聴く。
Eastern Rebellion(グループ/リーダー作) — まとまりのあるモダン・ハードバップ
ウォルトンが主体となって結成したグループ。編成や参加メンバーは作品ごとに変わりますが、いずれも卓越した即興と温かいアンサンブルが特徴です。オリジナル曲の充実度も高く、ウォルトンの作曲家としての側面がよく分かります。
- 聴きどころ:メロディの骨格がしっかりしているオリジナル曲群、演奏のまとまり、ソロとアンサンブルのバランス。
- おすすめの楽しみ方:各メンバーの個性(ホーン、リズム隊)とウォルトンのピアノがどのように溶け合うかを意識して聴く。
リーダー作(ピアノ・トリオ/カルテットなど) — 人間味のあるピアノ表現を堪能する
ウォルトン名義のリーダー作には、彼がピアノ一台で見せる色彩感や、トリオでの密な会話がよく表れています。ピアノ奏法は流れるようなラインと機知に富んだ和声進行が特色です。
- 聴きどころ:左手のリズム感、ブロックコード的な響き、メロディの料理法(装飾やモチーフの発展)。
- おすすめの楽しみ方:曲全体の構造(テーマ→ソロ→再現)とソロでのモチーフ展開を追い、どのようにテーマに帰結するかを確認する。
「Bolivia」「Firm Roots」などが収録された盤 — 不朽のオリジナル・コンポジションを聴く
これらの楽曲はウォルトンの代表作で、多くのミュージシャンに採り上げられてきました。テンポ感と和声の美しさ、そして演奏者の個性を受け止める柔軟さが魅力です。
- 聴きどころ:作曲としての説得力、リズムの取り方、アドリブでのテーマ外展開の仕方。
- おすすめの楽しみ方:オリジナル演奏と他のアーティストによるカバーを比較して、曲の本質を掴む。
ライヴ盤(ウォルトンのライブ録音) — 現場の熱気と即興のスリル
ウォルトンはライヴでも強い魅力を発揮しました。ライヴ録音はテンポやインタープレイの柔軟さがよく分かるので、彼の即興構築力をじっくり味わうのに最適です。
- 聴きどころ:ソロの創造性、メンバー同士の応答、演奏の流動性。
- おすすめの楽しみ方:演奏中の流れ(ビルドアップ→クライマックス→解決)を追い、ウォルトンのストーリーテリングを楽しむ。
聴くときのポイント:ウォルトンの「聴き方」ガイド
和声進行の聴き取り:ウォルトンらしいコード選択や転調の瞬間に注目すると、楽曲構造の面白さが見えてきます。
メロディとモチーフの展開:テーマがどのように変化・発展しているか、ソロがどのモチーフから派生しているかを追うと即興の論理が分かります。
伴奏(comping)の妙:ピアノ伴奏がソロをどう支え、また色づけしているかに耳を向けると、ウォルトンの伴奏技術の高さがよく分かります。
リズム隊との会話:ベースとドラムとのインタープレイ(呼応・補完)を聴けば、アンサンブル全体のダイナミクスが楽しめます。
入手・版選びのヒント
初めて聴くなら、リイシューやストリーミングで気軽に試してみるのが手っ取り早いです。コレクターならオリジナルLPに価値を見出すこともできますが、リマスター盤や良質なCD/配信でも演奏の魅力は十分伝わります。アルバムによって参加ミュージシャンや録音の質が異なるため、気に入った曲や演奏者で盤を選ぶのも良い方法です。
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参考文献
- Cedar Walton — Wikipedia
- Eastern Rebellion — Wikipedia
- Art Blakey and the Jazz Messengers — Wikipedia
- Ugetsu (album) — Wikipedia


