マーサ・リーブス&ザ・ヴァンデラスのモータウン名盤を徹底解説:オリジナル盤の聴き方とコレクター必携ガイド

イントロダクション — マーサ・リーブス&ザ・ヴァンデラスとは

マーサ・リーブス&ザ・ヴァンデラスは、1960年代のモータウン黄金期を代表するガール・グループのひとつです。マーサ・リーブスの力強いボーカルと、ホーランド=ドジャー=ホランド(Holland–Dozier–Holland)をはじめとしたモータウンの制作陣、そしてファンク・ブラザーズの演奏が融合し、ダンス・フロア直撃の名曲を次々と生み出しました。代表曲には「Heat Wave」「Dancing in the Street」「Nowhere to Run」「Jimmy Mack」などがあり、R&B/ソウルの歴史において重要な位置を占めます。

なぜレコードで聴くべきか

  • モータウンの初期音源はモノ・ミックスが中心で、当時のミックス感や迫力はモノ盤でこそ最大限に伝わります。

  • 7インチ・シングルのスピード感や短い尺での編集、フェード/イントロの切り方など、当時のポップシングルの“作り”を体感できます。

  • オリジナル盤はジャケット、ラベル、マトリクス(刻印)などの違いで音質や希少価値が変わるため、コレクター的な楽しみもあります。

おすすめレコード(シングル中心)

マーサ&ヴァンデラスはシングル中心の活動で名曲を多く残しています。まずは下記のキラー・シングルを押さえましょう。

  • Heat Wave — グループを一躍スターダムに押し上げた代表曲。勢いのあるイントロとマーサのシャウトが魅力。
  • Quicksand — 「Heat Wave」路線の続編的なナンバー。グルーヴとコーラスの絡みが秀逸。
  • Dancing in the Street — あまりにも有名なダンス・アンセム。社会的背景と結びつくことも多い楽曲。
  • Nowhere to Run — ドラマチックなアレンジと切迫感のある歌唱が光るロック寄りのソウル曲。
  • I'm Ready for LoveJimmy Mack — 60年代中盤〜後期のポップ/ソウルの完成形を示す名品。

おすすめレコード(LP/編集盤)

当時のオリジナルLPはシングル曲を中心に構成されているものが多く、単曲ごとのインパクトをそのまま楽しめます。まとめて聴きたい場合は編集盤・ベストがおすすめです。

  • オリジナルLP(Gordy/Motown) — 初期のオリジナル・プレスは音像が濃く、モノ・マスターに近い音を楽しめます。コレクションの核になります。
  • 編集盤/アンソロジー — 「Anthology」「The Ultimate Collection」「The Complete Martha and the Vandellas」などの編集盤は、シングルA面/B面や未発表曲も含めて網羅していることが多く、入門用として最適です。
  • 7インチ・コレクション/コンプリート・シングルズセット — 当時のシングルをそのまま集めたセット(再発もあり)は、シングル大好き派に強く推奨。

どのプレス/エディションを狙うか(買い方のコツ)

  • オリジナル・プレス(Gordy/Tamla Motown 刻印):可能ならオリジナルの7インチやオリジナルLPを狙うと良いです。オリジナルのモノ・ミックスには、後のステレオやCDリマスターで失われた迫力が残っています。

  • モノ vs ステレオ:60年代モータウンはモノ・ミックスが「正規」だったケースが多く、モノ盤を優先するのがオススメ。ステレオは後追いのトラック配置になっていることがあります。

  • 国内(日本)再発/紙ジャケCD:日本の紙ジャケットCDはマスタリングとライナーノーツのクオリティが高いことが多く、音質や資料としての価値が高いです。アナログでなくCDでの保存を考えるなら検討に値します。

  • リイシューの選び方:近年のアナログ・リマスター盤はクリアな音像を出しますが、オリジナルの「音の密度」「定位感」を好むならオリジナル・モノ盤を優先してください。

レア盤・コレクター向けの注目点

  • プロモ盤(“PROMO”ラベル)や白ラベルは稀少価値が高く、同じマスターでも音質やマトリクス刻印に違いがある場合があります。

  • 海外プレス(UKのTamla Motownやオランダ盤など)は、マスタリングやカッティングが異なるためサウンドが変わることがあり、コレクションの面白みがあります。

  • シングルのB面や未発表テイク、別ミックスは編集盤やアンソロジーでしか聴けないことがあるため、チェックを。

音楽的特徴と聴き方のポイント

  • ホーランド=ドジャー=ホランドらのソングライティング/プロダクションは、シンプルなメロディに強烈なリズムを重ねるのが特徴。イントロで惹きつける短い尺の構成を堪能してください。

  • マーサのヴォーカルはエモーショナルでダイナミック。バック・コーラスとの掛け合いやコール&レスポンスを意識して聴くと、アレンジの妙が分かります。

  • ダンス曲(例:Dancing in the Street系)はフロアでの即効性を重視したミックス感で作られているため、低域のリズムやスネアの前後感に注目すると当時の迫力を感じられます。

影響とレガシー

マーサ&ヴァンデラスの楽曲は、ロック/ポップ/R&Bの垣根を超えて多くのアーティストにカバーされ、映画やCMなどでも頻繁に使用されています。社会的メッセージ性を持つ楽曲がある点、そしてダンス・アンセムとしての普遍性が彼女たちの人気を長く保つ理由です。

まとめ

まずは代表的なシングル(Heat Wave、Dancing in the Street、Nowhere to Run、Jimmy Mackなど)のオリジナル7インチや、モノ・ミックス収録のオリジナルLPを探してみてください。手軽に全体像を把握したいなら編集盤やアンソロジーも強くおすすめします。音楽史的背景やプロダクションの妙を踏まえて聴くと、より深い楽しみが得られるはずです。

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参考文献