Visage(ヴィサージュ)入門からコレクターまで:新ロマンティックとシンセポップの必聴レコードガイド
Visageとは:新ロマンティックとシンセポップの交差点
Visage(ヴィサージュ)は、1980年前後の英国シーンで新ロマンティック運動とシンセポップの象徴的存在となったバンドです。中心人物はフロントマンのスティーヴ・ストレンジ(Steve Strange)とドラマー/プロデューサーのラスティ・イーガン(Rusty Egan)で、ミッジ・ユーレ(Midge Ure)らが初期作品に深く関与しました。ファッション性の高いビジュアルと都会的で洗練されたシンセ・サウンドは、当時のクラブ文化や映像表現とも強く結びついています。
おすすめレコード(入門〜コレクター向け)
以下は、音楽的価値・歴史的意義・コレクター性の観点から選んだおすすめレコードです。まずは代表的なアルバムとシングルを押さえ、その後にコレクターズアイテムや近年作を紹介します。
Visage(1980) — デビュー・アルバム(必聴)
バンドの出発点であり、代表曲「Fade to Grey」を生み出した作品。新ロマンティックの美学と洗練されたアーバン・シンセ・サウンドが詰まっていて、Visageを初めて聴く人に最適です。オリジナルLPは音像の生々しさや当時のミックス感が魅力。リマスター盤やボーナストラックを含む再発も多く、音質や収録曲の好みに応じて選べます。
シングル「Fade to Grey」/12インチ・ヴァージョン(シングル中心に集めるなら最重要)
Visageの代名詞的な一曲で、クラブやラジオでも長く愛されたナンバー。12インチにはエクステンデッドや別ミックスが存在するため、クラブ寄りや長尺のアレンジを楽しみたい人は12インチを探す価値があります。シングルならではのジャケットやプロモ盤のバリエーションも多く、コレクターに人気です。
The Anvil(1982) — 商業的ピークと洗練の深化
デビューの流れを受けつつ、より強いフックとポップさを持ったアルバム。シングル曲が比較的ヒットし、プロダクションも前作より洗練されています。初期メンバーの変動があるため音楽的な質感が変化している点も興味深く、バンドの成長や変遷を追うには欠かせない一枚です。
Beat Boy(1984) — 変化期の作品(コレクション補完用)
商業的にも批評的にも賛否の分かれる作品ですが、1980年代中盤のサウンドやメンバー構成の変化を知るうえで重要です。「コレクションを揃える」観点では入手しておく価値があります。
Hearts and Knives(2013) — 再結成/近年作(リスナー向け)
2010年代にリリースされた復活作。往年のムードを踏襲しつつ、現代的なサウンド・プロダクションでまとめられています。過去作のフォロワーとしての位置づけや、スティーヴ・ストレンジの晩年の仕事を追いたい人におすすめです。
コンピレーション/シングル集(入門や網羅目的に便利)
ベスト盤やシングル集は、代表曲やレアトラックを効率的に聴けるので入門盤として便利です。初期シングルのB面や12インチミックスを網羅した編集盤もあるので、コレクターではないが幅広く聴いてみたい人には最適です。
どの盤を最初に買うべきか(聴き手別ガイド)
新規リスナー:まずは「Visage(1980)」のアルバムと「Fade to Grey」のシングル(またはベスト盤)を。バンドの代表サウンドとムードが掴めます。
クラブ/ダンス系のファン:12インチのエクステンデッド・ミックスやプロモ盤を探すと、当時のクラブ・ミックス感覚を楽しめます。
コレクター:オリジナルのPolydorプレスや各国プレスのジャケット違い、限定色盤やプロモ盤、初期の12インチ(オリジナル・プレス)を追うとコレクション性が高まります。
モダン・リスナー:再結成作「Hearts and Knives」や近年のリイシュー(リマスター/ボーナス入り)で音質や収録を重視するのも有効です。
プレスやエディションで注目すべき点
オリジナル・プレス(初期UKプレス、プロモ盤):当時のミックスやマスタリングの質感を重視するならオリジナルLPに価値があります。ジャケットの状態やインナー、見開きの有無などもチェックポイントです。
12インチ・シングル:長尺エクステンデッドやダブ的なミックスが収録されていることが多く、別テイクを楽しめます。プロモ用の白ラベルやプロモ盤はコレクターズアイテムに。
再発/リマスター:CDやアナログでのリマスター盤は音質が改善され、ボーナス・トラックが付くことが多いです。リマスターの出処(レーベル)を確認すると良いでしょう。近年は180gの重量盤や色違いヴィニールなども出ています。
編集盤・ボックスセット:シングル音源やデモ、リミックスを網羅した編集盤は、トラック・バリエーションを一気に整理したい人に便利です。
視聴・購入時のチェックポイント(音楽的観点)
アルバムごとのサウンドの差異:デビューはよりクラブ寄りでアート的、The Anvilはポップでフック重視、Beat Boyは実験的/変化期の色合いが強い—といった傾向を踏まえて購入を検討してください。
シングル・ミックスの違い:ラジオ・エディット、アルバム・バージョン、12インチ・エクステンデッドでイントロやアウトロ、ブレイクの差があることが多いです。好みのバージョンを確認しましょう。
収録曲のバリエーション:再発盤はボーナス曲やデモが含まれることが多く、初期ファンにとっては貴重な追加音源になる場合があります。
聴きどころの短い案内(代表曲の魅力)
Fade to Grey:寒色系のシンセの上に浮かぶフレーズと、印象的なボーカルライン。時代を象徴する一曲。
Mind of a Toy:実験的なシンセサウンドとポップ性のバランスが光る早期の佳曲。
The Damned Don't Cry:メロディアスでドラマ性のあるアレンジが特徴。バンドの幅を示す楽曲。
Love Glove/Beat Boy(シングル類):80年代中盤の音作りやクラブ感を知る上で有用。
購入・収集の実務上のヒント(短く)
どの版を買うかは「音質(オリジナルかリマスターか)」「収録内容(ボーナスの有無)」「コレクション性(オリジナル・ジャケットやプロモ盤)」の優先順位で決めると選びやすいです。
各国プレス(UK、ドイツ、日本)でジャケット・クレジットやボーナス曲が異なることがあるため、説明欄をよく確認してください。
Discogsなどのデータベースでマトリクス番号やプレス情報を参照すると、目当ての版を正確に見つけられます。
まとめ
Visageは「音」と「ヴィジュアル」が強く結びついたバンドで、初期のアルバムとシングルはその魅力を最もよく伝えます。まずはデビュー盤と代表シングルを押さえ、興味が広がればThe Anvilや12インチ、再結成作へと遡るのが自然な楽しみ方です。コレクターならオリジナル・プレスや12インチのバリエーション、プロモ盤を狙うと面白い発見があるでしょう。
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