Trafficのおすすめアルバム徹底ガイド|聴きどころとエディション選びのポイント

Traffic — 短い紹介

Trafficは1967年にイギリスで結成されたロック・グループで、スティーヴ・ウィンウッド(ボーカル/キーボード)、ジム・キャパルディ(ドラム/作詞)、クリス・ウッド(フルート/サックス)を中心に、デイヴ・メイソンらの出入りもあって独特のサウンドを築きました。サイケデリック、ブルース、フォーク、ジャズ、プログレッシブな要素が混ざり合い、インプロヴィゼーションを含むゆったりとした楽曲構成が特徴です。本稿では「レコード(アルバム)として手に入れる価値の高いおすすめ作品」を中心に、各作の魅力と聴きどころ、購入時に意識すると良いポイントを解説します。

おすすめレコード(ピックアップと解説)

1. Mr. Fantasy (1967)

バンドのデビュー作。サイケデリック期の色彩が濃く、ポップさと実験性が同居しています。ウィンウッドの若々しい歌声とオルガン、メイソンの寄稿曲が混ざった多様性が魅力。

  • 聴きどころ:初期の名曲群(例:Dear Mr. Fantasy 系統のナンバー)を通してTrafficの原点が感じられる。
  • 誰におすすめか:60年代サイケ/ブリティッシュ・ロックの雰囲気を求めるリスナー。

2. Traffic (1968)

しばしば通称「Traffic(self-titled)」と呼ばれる2作目。バンドの楽曲群により深いソングライティングと予兆的なジャズ・ロックの要素が見え始める時期です。

  • 聴きどころ:メイソン作やグループ全体のアンサンブルの広がり、のちのサウンドへの架け橋となる演奏。
  • 誰におすすめか:初期のポップ感と演奏の自由度の両方を楽しみたい人。

3. John Barleycorn Must Die (1970)

バンド再編後の代表作。フォーク〜ブルース的な味わいとジャム的なインストが融合した名盤で、アルバム全体のまとまりと演奏の深みが評価されています。

  • 聴きどころ:アコースティックで土着的なトラックと、長尺のインスト曲(例:グループのインスト・アプローチ)の対比。
  • 誰におすすめか:歌ものとインストの両方でバンドの表現力を味わいたいリスナー。

4. The Low Spark of High Heeled Boys (1971)

Trafficの代名詞的アルバムのひとつ。タイトル曲を中心に、ゆったりしたテンポでのグルーヴ感とジャズ的な拡張が印象的。アルバム全編にわたる空間表現と演奏の余裕が魅力です。

  • 聴きどころ:タイトル曲の長尺構成に現れるテンポの揺らぎと音の重なり、ウィンウッドのキーボードとWoodの管楽器の絡み。
  • 誰におすすめか:深いアルバム体験、長尺曲をじっくり聴きたい人。

5. Shoot Out at the Fantasy Factory (1973)

ややジャム寄り/オーケストレーションを加えた作風で、ライブ的なエネルギーとスタジオ・アレンジの融合が試みられています。批評的評価は分かれるものの、ファンには重要な一枚。

  • 聴きどころ:ツアー・ラインナップ寄りの演奏感、アルバム独特のダイナミクス。
  • 誰におすすめか:バンドの中期〜後期の音像を追いたい人。

6. When the Eagle Flies (1974)

Trafficの最終期にあたる作品。やや暗めで重厚なサウンドが増し、グループとしての完成度や演奏の熟成を感じさせます。解散前の決定版的な雰囲気があります。

  • 聴きどころ:ダークなテクスチャー、緻密なアンサンブル。
  • 誰におすすめか:バンドの集大成的作品を求めるコレクターや熱心なリスナー。

コンパイル/ボックスでの導入盤

入門用にはベスト盤や編集盤、あるいはアルバムを年代順にまとめたボックスセットも便利です。初期から中期、後期の流れをつかむには編集盤が手っ取り早く、興味が深まれば個別アルバムのオリジナルLPやデラックス・リイシューに手を伸ばすと良いでしょう。

購入時に意識すると良いポイント(音質/エディション選び)

レコードとしての楽しみ方を前提に、どのエディションを選ぶかで体験は変わります。ざっくり分けると:

  • オリジナルUKプレス(Islandなど) — 1960〜70年代当時の音と雰囲気を重視するコレクター向け。
  • 公式リマスター/180g再発 — 安定した再生品質を求めるリスナー向け。ノイズや歪みが抑えられ、ダイナミクスが改善されている場合が多いです。
  • デラックス盤/ボックスセット — ボーナス音源、未発表テイク、ライナーノーツで史実や制作背景を深掘りしたい人に最適。

聴く順・楽しみ方の提案

  • まずは代表曲中心で:ベスト盤や「Low Spark」のタイトル曲、John Barleycornのハイライトから入るとバンドの「顔」が掴みやすい。
  • 時系列で追う:デビュー盤→2nd→John Barleycorn→Low Spark… と聴くと、サウンドの移り変わりとメンバー構成の影響が実感できます。
  • アルバム丸ごと体験:Trafficはアルバムの流れでこそ味わいが深まるタイプなので、通して聴くのをおすすめします。

最後に—Trafficの魅力をもう一度

Trafficは一聴しての派手さよりも、聴き込むほどに見えてくる演奏の隙間や空間、曲間の呼吸が魅力です。スティーヴ・ウィンウッドの技術的な歌唱と鍵盤、クリス・ウッドの管楽器が織り成す色合い、ジム・キャパルディの歌詞とリズム感。レコードで聴くとその空気感やダイナミクスが強く伝わりますので、まずは上記の“名盤”から一枚選んで、じっくりとアルバム体験を楽しんでください。

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参考文献