Slade名盤を徹底解説:入門から深掘りまでの聴く順序とおすすめアルバム

イントロダクション — Sladeとは何か

Sladeは1960年代後半に結成されたイギリスのロック・バンドで、ノディ・ホルダー(Noddy Holder/ヴォーカル、ギター)、デイヴ・ヒル(Dave Hill/ギター)、ジム・リー(Jim Lea/ベース、ヴァイオリン、作曲)、ドン・パウエル(Don Powell/ドラム)を中核とするグループです。グラムロック/ブリティッシュ・ロックの文脈で1970年代初頭から中盤にかけて多数のヒットを放ち、そのキャッチーで豪快なコーラス、シャウト気味のボーカル、観客を巻き込むライブパフォーマンスが特徴です。

おすすめレコード(厳選)

  • Slade Alive!(1972)

    ライヴ盤としての評価が高く、バンドのライブの勢いと観客の熱狂をストレートに伝える一枚。スタジオ音源とは別軸での「体感」が得られるため、まず最初に聴いてほしい記念碑的作品です。

    聴きどころ:生々しい演奏力、シンプルで直球のロック感。代表的な演奏曲(ライヴでの定番)を多数収録。

  • Slayed?(1972)

    スタジオ作としての完成度が高く、シングルヒットやパンチのあるロック曲を多数含むアルバム。Sladeの“ポップ・センス”と“荒々しさ”がうまく融合した時期の代表作です。

    聴きどころ:キャッチーなリフ、ホルダーのシャウト、フックの強いコーラス。

  • Sladest(1973)

    初期〜全盛期の代表曲を集めたベスト盤。シングル中心の構成で、初めてSladeに触れる人にとって最短で魅力が伝わる一枚です。オリジナル・シングル曲を通してバンドのヒット群を俯瞰できます。

    聴きどころ:キャッチーで耳に残る代表曲群。ラジオヒットをまとめて聴きたい人に最適。

  • Slade in Flame(1974)

    同名映画のサウンドトラック的要素を持つアルバムで、バンドの表現の幅が広がった作品。楽曲のアレンジや楽曲構成に深みが出ており、単なるシングル指向から一歩踏み込んだ作品性を感じさせます。

    聴きどころ:ドラマ性のある曲構成、シングル以外の深い楽曲群。

  • Old New Borrowed and Blue(1974)

    ポップ寄りの楽曲やバラードも増え、バンドが幅を広げた時期の作品。ヒット狙いの曲と実験的要素が混在しており、演奏・ソングライティングの多面性を味わえるアルバムです。

    聴きどころ:バラエティに富んだ楽曲群、メロディの良さ。

  • We'll Bring the House Down(1981)

    1980年のリーディング・フェスティバル出演を契機に復活した頃の作品。パワフルなロック回帰を感じさせ、コンサートでの強さを再確認させる楽曲が揃っています。

    聴きどころ:復活の勢い、エネルギッシュなロックトラック。

  • The Amazing Kamikaze Syndrome / Keep Your Hands Off My Power Supply(1983/1984)

    80年代のプロダクション感を帯びつつも世界的にヒットした時期のアルバム(米国向けにリパッケージされたKeep Your Hands Off My Power Supplyには「Run Runaway」「My Oh My」などのヒットが収録)。ポップで洗練された側面を示す作品です。

    聴きどころ:スタジアム向けの大合唱曲、80年代の音作りとSlade流ポップさの融合。

  • Beginnings / Play It Loud(初期作:1969–1970)

    バンドのルーツや原点を知るのに適した初期のアルバム群。R&Bやブリティッシュ・ロックの影響が見え隠れし、後の“ヒット志向”へつながる素地が感じられます。

    聴きどころ:原点的な演奏、初期のサウンドスケッチ。

どの順で聴くと良いか(入門〜深掘り)

  • まずは代表曲をまとめて聴ける「Sladest」でキャッチーさを確認。
  • 次に「Slade Alive!」でライブの凄みを体感。
  • スタジオの名盤「Slayed?」で演奏・楽曲の厚みを味わう。
  • 映画的/実験的側面を知りたいなら「Slade in Flame」「Old New Borrowed and Blue」へ。
  • 80年代のポップな側面を知るなら「The Amazing Kamikaze Syndrome / Keep Your Hands Off My Power Supply」を。

聴きどころ・特徴的な要素の深掘り

  • 歌とコーラスの力強さ:ノディのシャウト気味のリードヴォーカルと、サビでのコーラスが曲を一瞬でビッグなものにします。応援歌的な魅力があり、ライブで観客を一体化させる力があります。

  • シンプルなリフとフック:ギターロックとしての骨格は非常にわかりやすく、キャッチーなリフやシンプルな構成で聴き手に強く訴えかけます。

  • ジャンルを横断する柔軟性:初期のR&B寄りの曲からグラムロック、ポップなバラード、80年代のアリーナロック調まで幅広く手を伸ばしています。そのため、特定の一面だけでなく“バンドの変遷”を追う楽しみがあります。

  • ライブ・パフォーマンスの価値:レコード(特にライヴ盤)を通じて伝わる興奮は、Sladeの大きな魅力。スタジオ音源以上にライヴでの一体感・熱量が評価されるバンドです。

選び方のポイント(どの盤を買うか迷ったら)

  • 初めてならベスト盤(Sladest)→ ライヴ盤(Slade Alive!)→ 代表的スタジオ作(Slayed?)の順で手を伸ばすと入りやすい。
  • 映画やコンセプト的な深みを求めるなら「Slade in Flame」を。曲単体のヒット性より楽曲の構成や雰囲気に注目したい方向け。
  • 80年代のヒットも含めて幅広く楽しみたいなら「Keep Your Hands Off My Power Supply」系の作品を。

補足:ライヴ/スタジオでの違いを楽しむコツ

Sladeはスタジオ録音の「フックの強さ」だけでなく、ライヴでの爆発力が真価を発揮します。スタジオ作で楽曲構造や細部のアレンジを味わい、ライヴ盤でエネルギーと観客の反応を体感する――この両面を楽しむことで、バンドの全体像がより立体的に見えてきます。

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参考文献