ジョニー・グリフィン(Little Giant): 魅力とおすすめアルバムを徹底解説

Johnny Griffin — リトル・ジャイアントの魅力とおすすめレコード

Johnny Griffin(1928–2008)は、そのスピード感あふれるラインと乾いた、エッジのあるトーンで知られるテナー・サックス奏者です。ニックネーム「Little Giant」が示すとおり小柄ながら圧倒的なエネルギーを発揮し、ビバップ/ハードバップの最前線で活躍しました。本コラムでは、グリフィンのプレイの魅力がよく伝わるおすすめアルバムを深掘りし、それぞれの聞きどころや背景を解説します。

聞き方のコツ(短く)

  • ソロの「フレーズ運び」と「リズム解釈」に注目する:速いパッセージでも必ず明確なフレーズ構成があります。
  • テナー同士のバトル盤は「対比」を楽しむ:語法やトーンの差がはっきり出ます。
  • モンクらとの共演作は「和声のユニークさ」との相互作用を味わう:グリフィンの即興がどのように和音の隙間を突くかを聴いてみてください。

おすすめ盤(リーダー作中心)

Introducing Johnny Griffin (1956)

グリフィンのリーダー作デビュー。若きテナー奏者のパンチの効いた速射砲的アドリブが詰まっており、彼の基礎/個性が一気に分かる1枚です。ビバップ由来のライン、ハードバップ的な推進力、そしてフレーズ内のキレを聴くのに最適。

The Little Giant (1959)

ニックネームを冠した代表作の一つ。編曲やコンセプトがまとまっており、リーダーとしての存在感と曲ごとの表情付けが際立ちます。バラエティ豊かな選曲で、グリフィンの多面性(速いフレーズだけでなくミディアム〜スローの歌心)を確認できます。

Thelonious in Action / Misterioso(Thelonious Monk Quartet at the Five Spot, 1958)

これらは本来モンクのライブ作ですが、Johnny Griffin が参加していることで名演となっています。五番街の「Five Spot」でのライブならではの濃密な音の会話が楽しめ、グリフィンの即興がモンクの独特な和声にどう反応するかを聴くための必聴盤です。モンクの曲が長尺で展開されるため、各メンバーのソロの構築をじっくり追えます。

Tough Tenors(Eddie "Lockjaw" Davis と共演するシリーズ)

グリフィンとEddie “Lockjaw” Davis のツイン・テナーものは「競演=バトル」の醍醐味が詰まっています。二人の音色や語り口の差(グリフィンの流麗さとスピード、ロックジョーの荒々しさ)が明確に出るので、テナー奏法の対比を楽しむにはうってつけです。ライブ感/興奮度の高いトラックが多いのも特徴。

参加作で聴く:A Blowin' Session(吹き込みセッション)など

グリフィンがサイドマン/共同リードで参加しているセッション盤も強力です。いわゆる「ブローイン・セッション」的なアルバムでは、複数のホーンが短時間で熱いソロ交換を繰り広げ、グリフィンのソロ解釈やアグレッシブな運指が際立ちます。リーダー名義でなくとも彼の個性が際立つ瞬間が数多く残っています。

ディープリスニングのための各盤の聞きどころ(ポイント別)

  • フレージングの瞬発力:速いパッセージでの「どこで呼吸し、どこでフレーズを区切るか」を意識して聴くと、彼の構成力が見えてきます。
  • 音色のレンジ:中音域から上音域へのスムーズな移行、アタックの硬さと柔らかさの使い分けを確認する。
  • 和声へのアプローチ:モンクなど独特の和声に対して、どのようにスケールやパッセージで答えるかを追ってください。
  • 競演ものの「化学反応」:他のテナーやトランペット奏者と並んだときの対比や相互刺激を楽しむ。

盤の選び方・リイシューについて(短評)

オリジナル・プレスは音の密度や雰囲気が好まれることが多いですが、リマスター再発はノイズ軽減やEQ補正で聞きやすくなる場合があります。まずは入手しやすい良リマスターや公式再発で作品そのものを把握し、気に入った盤はオリジナル盤や高品質プレスを探すのがおすすめです(フォーマットはアナログ/デジタルの好みによる)。

まとめ:Johnny Griffin を深く楽しむために

Johnny Griffin はスピードと技巧だけでは語れない音楽家です。短いフレーズの中に強い構成力とメロディ感、そしてリズムへの鋭い感覚があり、ソロを追うごとにその「引き出しの多さ」が見えてきます。まずは上記の代表的なリーダー作とモンク共演作、そしてロックジョーとのツイン・テナー盤を押さえ、そこから参加作や深めのアルバムへと広げていくと、彼の全体像が立体的に見えてきます。

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参考文献