女優・桃井かおりが歌うドラマティック・ポップの世界

桃井かおりは本業の女優としての華々しいキャリアと並行し、1973年にシングル「六本木心中」で歌手デビューを果たし、その後もコンスタントに音楽活動を続けてきた。1981年1月にリリースされた「バイバイ子守唄(ララバイ)」は、日本テレビ系ドラマ『ダウンタウン物語』の主題歌に起用され、オリコンで最高20位を記録するヒットとなった。同年8月には自主制作シングルとして「メイク23秒」を発表し、資生堂「ベネフィーク」CMソングに採用され、シティポップ風の軽快なサウンドで注目を集めた。さらに1982年7月には来生たかおとのデュエット曲「ねじれたハートで」をリリースし、自己最高となるオリコン13位をマークするなど、歌手としても確かな足跡を残している。


背景と歌手活動の歩み

桃井かおりは1971年に女優デビューを果たした後、翌1972年に文学座を退団し本格的に演技の道を歩み始めたが、1973年には荒木一郎作詞・作曲・高田弘編曲によるシングル「六本木心中」で歌手デビューを果たしている。その後も1977年には日本フォノグラムから自主制作盤をリリースするなど、音楽活動を続行。女優としての多彩な表現力を歌唱にも活かし、独特のアンニュイな語り口とドラマティックな演出を武器に、多彩な楽曲を世に送り出してきた。


楽曲解説

バイバイ子守唄(ララバイ)

1981年1月5日にシングルとしてリリースされた本作は、『ダウンタウン物語』の主題歌として採用された。作詞・作曲を荒木一郎、編曲を西崎進が手掛け、ミュージカルの一場面のような劇的な構成が特徴的。ドラマタイアップにより幅広い層に受け入れられ、オリコンチャートで最高20位を記録した。バックコーラスとの掛け合いによるドラマティックな展開と、哀愁漂うメロディが当時のポップシーンで異彩を放った。

メイク23秒

1981年8月25日に自主レーベルから7インチシングルで発売。作詞を三浦徳子、作曲・編曲を筒美京平が担当し、資生堂「ベネフィーク」秋季CMソングに大抜擢された。透明感のあるボーカルとシティポップ風の軽快なミッドテンポが心地よく、都会的な余裕を感じさせる。“23秒”という短い時間でメイクを完了するイメージを楽曲テーマに取り入れ、CMソングとしてだけでなく楽曲単体でも高い評価を得た。

ねじれたハートで

1982年7月21日に来生たかおとのデュエットでリリースされた大人のポップスナンバー。作詞は来生えつこ、作曲は来生たかお、編曲は星勝が担当。オリコンチャートで最高13位となり、デュエット曲として自己最高記録を樹立した。切なさを帯びたメロディラインと二人の息の合ったコーラスワークが、“ねじれた心の葛藤”を象徴し、歌手としての表現力の幅を広げた楽曲である。


歌手としての評価と影響

桃井かおりの音楽活動は、女優として培った感情表現を歌唱に取り入れた点で高い評価を受けている。ドラマやCMタイアップを通して彼女の歌声が広く浸透し、80年代のメディアミックス時代を象徴する存在となった。バイバイ子守唄からねじれたハートまで、一貫して物語性を感じさせる構成は、後続の俳優歌手にも大きな影響を与えている。


まとめ

桃井かおりの歌手活動は、女優としての多才ぶりと音楽的センスが融合した独自の世界観を築き上げた。1981年から82年にかけて発表されたシングル群は、ドラマティックな歌唱とタイアップ力で当時のポップスシーンに新風を吹き込み、彼女の音楽キャリアを象徴する名曲として現在も色あせることはない。


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