ハウンド・ドッグの歴史と価値を徹底解説!レコード収集のポイントと音質の魅力
ハウンド・ドッグとは何か?
「ハウンド・ドッグ」(Hound Dog)は、1950年代にアメリカで誕生したロックンロールの名曲です。エルヴィス・プレスリーが歌ったことで世界的に有名になりましたが、原曲はブルース歌手のビッグ・ママ・ソーントン(Big Mama Thornton)が1952年にレコーディングしたものです。この曲は、その力強いリズムと印象的な歌詞で、多くのミュージシャンに影響を与え、ロックンロールの歴史において重要な位置を占めています。
ハウンド・ドッグのレコードリリースの歴史
ハウンド・ドッグはもともと、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーのソングライティングチームによって書かれました。1952年にビッグ・ママ・ソーントンがサンディ・ベル・レコード(Peacock Records傘下)から45回転シングル盤でリリースしたのが最初です。この45回転盤のA面曲として発表された「Hound Dog」は、ビッグ・ママの太く力強いボーカルと独特のブルース調のアレンジにより、R&Bチャートでヒットしました。
- ビッグ・ママ・ソーントンのオリジナル盤(1952年)
45回転シングル、Peacock RecordsのCHESS番号シリーズ。ジャケットは当時のR&Bシングルの典型的なデザインで、シンプルな写真やタイトル表記が特徴。オリジナル盤は今ではコレクターズアイテムとなっています。 - エルヴィス・プレスリーのカバー盤(1956年)
RCAビクターからリリースされ、エルヴィスの代表曲の一つとなったこの盤は、シングルだけでなくEP盤やアルバム「ハウンド・ドッグ」など数多く発売されました。45回転シングル盤はビクターの典型的な赤と黒のラベルデザインで知られています。
レコード収集の観点から見たハウンド・ドッグ
ハウンド・ドッグのレコードは、当時の音楽史的価値だけでなく、収集家の間でも人気の高いアイテムです。特にオリジナルのビッグ・ママ・ソーントン盤は希少性が高く、状態が良いものは数十万円以上の価格で取引されることもあります。
エルヴィス版のレコードも、プレスリーのデビュー期から中期にかけてのオリジナルプレスは高値で取引されます。なかでもビクター盤のシングル45回転、特に帯やスリーブの有無、盤のプレス痕によって価格は大幅に変動します。
ハウンド・ドッグのサウンドの特徴とレコードの音質
レコードの音質は、録音技術とプレス技術がその時代ごとに異なるため、同じ曲でも聴く媒体により印象が変わることがあります。ビッグ・ママ・ソーントンの1952年録音は、当時のR&B録音らしい暖かみのあるアナログサウンドが特徴であり、プレスの状態次第では深みのある音が再現されます。
エルヴィスの1956年版は、よりロックンロール色が強く、リズムがはっきりとしています。高音質盤やマスターからのダイレクトカット、6分モノの45回転盤など、コアなレコードコレクター向けに高品質のプレス盤も存在します。アナログレコードならではの厚みのある音は、デジタル再生では得られない魅力の一つです。
ハウンド・ドッグのレコードの種類
主にコレクターが注目するハウンド・ドッグのレコードは以下のように分類されます。
- ビッグ・ママ・ソーントン オリジナル・プレス
1952年Peacockからの45回転シングル。これは最も価値が高いとされており、ブルースやR&Bのオリジナル盤として貴重です。 - エルヴィス・プレスリー RCA 初期プレス
1956年リリースのもの。ラベルのバリエーションや盤のプレスに細かな差異があり、初期限定プレスなどは特に評価が高いです。 - EP盤およびアルバム収録盤
「ハウンド・ドッグ」を含むEPやアルバムも数多く発売されました。これらはシングルよりも比較的廉価で入手しやすいですが、オリジナルプレスは人気です。 - 後年の再発盤
70年代以降もさまざまなレーベルから再発されており、一部は国内流通限定、あるいはジャケットのデザインが異なるものもあります。これらは収集対象としては主にマニア向けです。
レコード収集のポイント:状態と希少性
ハウンド・ドッグのレコードを購入・収集する際には、以下のポイントが重要です。
- 盤質(グルーヴの状態)
キズや汚れが少なく、クリアな音再生が可能なものが高評価です。特に50年代の盤は経年劣化や保管状況で状態に差が出やすいです。 - ジャケットの保存状態
オリジナルジャケットの色あせや破れの有無で価値が変わります。特にオリジナルのビッグ・ママ・ソーントン盤はジャケット自体が希少です。 - プレスファクトリーやラベルのバリエーション
リリース時期の違いや地域ごとのプレスによる若干の違いを把握すると、より価値の高い盤を見つけやすくなります。 - 付属物の有無
リリース時の帯やインサート(歌詞カードなど)が残っているかも価格査定に影響します。
まとめ:ハウンド・ドッグのレコードは歴史的かつ価値あるコレクションアイテム
ハウンド・ドッグは音楽そのものの歴史的価値に加え、レコードというアナログメディアとしても非常に魅力的なアイテムです。ビッグ・ママ・ソーントンのオリジナル盤からエルヴィス・プレスリーの代表的なリリースまで、様々なバリエーションと音質の違いを楽しめるのがレコード収集の醍醐味です。
もしハウンド・ドッグの歴史的な背景や音楽的価値に興味があるなら、ぜひオリジナルプレスのレコードをじっくり聴き比べてみてください。音の暖かさや、時代を感じさせるノイズさえも、その曲の魅力を引き立てる重要な要素となっています。
ハウンド・ドッグのレコードコレクションは、単なる音楽の保存ではなく、アメリカ音楽史の一端を手に取り体感する貴重な体験になるでしょう。