Peter, Paul and Maryの名盤ガイド:1960年代フォーク・リバイバルを代表する必聴アルバムと聴き方

イントロダクション — Peter, Paul and Maryとは

Peter, Paul and Mary(ピーター・ポール&マリー)は、1960年代アメリカのフォーク・リバイバルを象徴するトリオです。ピート・ヤロウ(Peter Yarrow)、ポール・ストゥーキー(Paul Stookey)、メアリー・トラヴァース(Mary Travers)の三人は、ハーモニーの美しさと社会的メッセージ性の強い選曲で広く支持されました。ここでは「いま聴くべき」おすすめレコードを厳選し、曲目ハイライト、制作・歴史的背景、聴きどころを深掘りして解説します。

代表曲(短く)

  • If I Had a Hammer(If I Had a Hammer (The Hammer Song))
  • Blowin' in the Wind
  • Puff, the Magic Dragon
  • 500 Miles
  • Leaving on a Jet Plane(カバーではなく関連アーティストとの繋がりで知られる)

1. Peter, Paul and Mary(1962) — デビュー作(必携)

彼らのセルフタイトル・デビュー盤。フォーク・スタンダードやアメリカン・トラディショナル曲を取り上げつつ、社会的メッセージを含む選曲で一躍注目を集めました。

  • 主な収録曲:If I Had a Hammer、Lemon Tree、500 Miles など
  • 聴きどころ:三声ハーモニーの結成期の完成度が高く、民謡的な素朴さとポップなアレンジのバランスが絶妙。If I Had a Hammer のヒットは彼らを国民的グループに押し上げました。
  • 歴史的意義:フォーク復興の入り口として、若い世代に伝統曲やプロテスト・ソングを届けた重要作。

2. Moving(1963) — 「Puff, the Magic Dragon」を収録

商業的にも成功したアルバム。物語性のある楽曲や、歌曲採譜の巧みさが光ります。シングル「Puff, the Magic Dragon」は子どもにも大人にも浸透した名曲です。

  • 主な収録曲:Puff, the Magic Dragon、If I Had a Hammer(別バージョン収録の場合あり)など
  • 聴きどころ:ナラティブな歌詞表現と、グループの語りかけるような歌唱(メンバー間の息の合った会話のようなパフォーマンス)が魅力。
  • 文化的影響:Puff はフォークの枠を超えて幅広い世代に受け入れられ、グループのレパートリーの多様性を示しました。

3. In the Wind(1963) — ボブ・ディラン曲カバーで知られる重要作

Bob Dylan の楽曲を取り上げたことで知られるアルバム。特に「Blowin' in the Wind」や「Don't Think Twice, It's All Right」などのカバーは、ディランのソングライティングをより広い聴衆に紹介する上で大きな役割を果たしました。

  • 主な収録曲:Blowin' in the Wind、Don't Think Twice, It's All Right 等
  • 聴きどころ:ディランの強烈な歌詞を三声ハーモニーで整理し、よりポップな形で提示した点が特徴。政治的・社会的メッセージがストレートに伝わる。
  • 意義:ディランとフォーク・シーンの接続点として、1960年代のプロテスト・ソング文化を象徴する一枚。

4. In Concert(ライブ盤、1964) — ステージの魅力を記録

スタジオ録音とは違う、観客とのやり取りや即興的な演奏が楽しめるライブ盤。彼らのライブでの温かさ、トークやアレンジの柔軟性がよく伝わります。

  • 主な収録曲:代表曲のライブ・アレンジ、多様な民謡カバー
  • 聴きどころ:ステージ上のMCや聴衆反応も収録され、当時のライブ・フォークの雰囲気を味わえる。三人の息の合ったハーモニーはライブでこそ真価を発揮します。
  • おすすめポイント:スタジオ録音で気づかなかったアレンジや、ライブならではの感情表現が堪能できる。

5. A Song Will Rise(1965) — 中期の成熟を示す作品

グループが音楽的に成熟し、多様なソングライターの作品やオリジナル曲を取り入れたアルバム。プロダクション面でも落ち着きが見え、アンサンブルの完成度が高まっています。

  • 主な収録曲:オリジナル曲とカバーのバランスが良い構成
  • 聴きどころ:ボーカル/ハーモニーの厚みと、曲ごとに変化する表情。フォークの伝統に根差しつつポップス的な嗜好も示す一枚。

6. Peter, Paul and Mommy(1969) — 子ども向け・家族向け名盤

子ども向けの曲を中心に据えたアルバム。Puff や優しいラブソング、伝承歌が並び、親子で楽しめる構成です。民謡の教育的側面も強く、家庭でのリスニングに向きます。

  • 主な収録曲:Puff, the Magic Dragon(別バージョン含む)、童謡やフォーク伝承曲
  • 聴きどころ:三人の声の柔らかさが際立ち、子どもにも聴かせやすいアレンジ。大人にとっても懐かしさや癒しを感じさせる作品です。

選び方のヒント(音楽的観点)

  • まずはベスト盤やデビュー盤で代表曲を押さえる:彼らのコアとなるハーモニーとレパートリーを短時間で把握できます。
  • ディランや民謡の“別解釈”を楽しみたいなら In the Wind を:名曲のカバーで新たな表情が見えます。
  • ライブの空気感を味わいたいなら In Concert を:ステージでのやり取り、MC、即興感が魅力です。
  • 家族や子どもと聴くなら Peter, Paul and Mommy:教育的で親しみやすい選曲が揃っています。

音楽的特徴と影響

Peter, Paul and Mary の強みは、三声のハーモニーによる「歌のわかりやすさ」と「メッセージの明確さ」です。彼らは単にヒットを出しただけでなく、Bob Dylan やトラディショナル・ソングを幅広い聴衆に届け、フォークの社会的役割を広めました。プロテスト・ソングや公民権運動との関わりも深く、音楽が政治・社会運動に影響を与える一端を担いました。

購入・鑑賞の目安(どの版を選ぶか)

  • オリジナルの1960年代盤は当時の音作りと雰囲気をそのまま伝えてくれます。音質の個体差はありますが、歴史的価値が高いです。
  • リマスターや正規CD/配信版は音質が整っていて聴きやすく、現在の再生環境で聴くなら実用的です。
  • ライブ盤や再録音バージョンは曲ごとに表情が異なるので、複数バージョンを聴き比べると新たな発見があります。

まとめ — どこから聴くべきか

初心者はまずセルフタイトルのデビュー盤と In the Wind を。その後、ライブ感が欲しければ In Concert、家族で聴くなら Peter, Paul and Mommy、音楽的成熟を味わいたければ A Song Will Rise を。彼らのカタログは「ハーモニー」と「メッセージ」を軸に一貫性があり、どの作品から入っても魅力を感じやすいです。

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