Bernard Edwardsのベース・グルーヴを徹底解説:Chicの名盤とおすすめレコードを深掘り
Bernard Edwards — イントロダクション
Bernard Edwards(1952–1996)は、ベーシスト/ソングライター/プロデューサーとしてディスコ/ファンクの黄金期を支えた巨匠です。Nile RodgersとともにChicを結成し、その洗練されたグルーヴとメロディ性の高いベースラインで数々のヒットを生み出しました。ここでは、彼のプレイやプロデュースが特に光る「おすすめレコード」をピックアップし、曲ごとの聴きどころや背景を深堀りして解説します。
おすすめレコード一覧(深堀解説)
1. Chic — Chic (1977)
代表曲:「Dance, Dance, Dance (Yowsah, Yowsah, Yowsah)」「Everybody Dance」
解説:Chicのデビュー・アルバム。Edwardsのベースがバンドの“心臓”として確立された作品です。シンプルでありながら歌心のあるフレーズ、リズム・ギター(Nile Rodgers)との密な掛け合い、そしてホーン/ストリングのアレンジが一体となったサウンドを堪能できます。
聴きどころ:イントロのベースモチーフ→グルーヴの骨格を把握すること。Edwardsのラインは歌メロのサポートと独立したフックを同時に担う点に注目してください。
2. Chic — C'est Chic (1978)
代表曲:「Le Freak」「Savoir Faire」
解説:Chicを国際的スターに押し上げたアルバム。ポップなフックとダンサブルな展開が特徴で、Edwardsのベースが曲の“歌”として強く機能する一方、リズムの正確さとニュアンスが全曲を通じて光ります。
聴きどころ:「Le Freak」冒頭のシンプルなリズム感と、曲中で見せる装飾的なベース・フレーズの対比を聴き分けると、エドワーズの表現力がよくわかります。
3. Chic — Risqué (1979)
代表曲:「Good Times」「My Feet Keep Dancing」
解説:ディスコ/ファンクの影響力が最高潮に達した作品。「Good Times」は後のヒップホップやR&Bに巨大な影響を与えたベースラインを含み、Edwardsのレガシーを象徴するトラックです。
聴きどころ:「Good Times」のベースラインは、リズムとメロディを兼ね備えた典型例。シンプルに聴こえるが密度の高い配置と、タイム感の妙が真価です。
4. Sister Sledge — We Are Family (1979)
代表曲:「We Are Family」「He's the Greatest Dancer」
解説:Nile Rodgers&Bernard Edwardsによるプロデュース作品。Chicのサウンドを歌姫たちに移植した完成度の高いポップ・ディスコ。Edwardsはベース/プロデュースで曲の土台を作り、ボーカルの良さを引き立てています。
聴きどころ:「He's the Greatest Dancer」のベースは、ダンサブルかつソウルフル。原曲のグルーヴを支える微妙なアクセント(裏拍の処理や長短のフレーズ)に着目してください。
5. Diana Ross — Diana (1980)
代表曲:「Upside Down」「I'm Coming Out」(両曲ともRodgers & Edwardsプロデュース)
解説:ポップ/ディスコ色の強い大物プロデュース作。Edwardsのベースは派手さよりも楽曲ごとの“役割”を重視し、Diana Rossのボーカルを際立たせるための最適解を提示しています。プロダクション面でも非常に洗練された一枚です。
聴きどころ:「I'm Coming Out」のグルーヴは、ミニマルなベース・モチーフが曲全体を牽引する好例。Edwardsの“引き算”的なアプローチが学べます。
6. Sheila and B. Devotion — King of the World / シングル「Spacer」 (1979)
代表曲:「Spacer」
解説:フランスの歌手シェイラ(Sheila)に提供されたナンバーで、Rodgers & Edwardsのプロデュースワークがディスコ~スペース・ファンク的なアレンジで炸裂します。Edwardsのベースは重心を低く保ちつつシンセやギターと絡み、曲の躍動を作り上げます。
聴きどころ:シンセとベースのレイヤーがどう棲み分けられているかを意識して聴くと、プロダクションの巧みさがわかります。
聴き方のポイント(Edwards を深く味わうために)
フレーズの「呼吸」を聴く:Edwardsのベースは延々と弾き続けるのではなく、休符や間でフレーズを歌わせます。その“間”がグルーヴの要です。
ギター/ドラムとの相互作用に注目:Nile Rodgersのリズム・ギターとTony Thompsonのドラムが作る“網”の中で、ベースがどのようにメロディックかつリズミックに動くかを追ってください。
サウンドの役割を見る:Edwardsは自己主張の強いソロを多用しません。ベースが“楽曲全体をどう支えるか”=アレンジの一部として機能する点を観察することが学びになります。
プロダクションのディテール:弦、ホーン、コーラスの配置やパンニング、低域の処理など、Edwards参加作はプロダクション面でも教科書的な要素が豊富です。
入門〜コレクター向けの購入ガイド(簡潔に)
入門:ベスト盤やストリーミングで代表曲(Le Freak/Good Times/We Are Family/Upside Down)を押さえる。
中級:上記アルバムのオリジナルLP(1977〜1980年)や信頼できるリマスターCDで音のニュアンスを確認。特にベースの定位や低域の太さを比べてみてください。
コレクター向け:シングル盤(7インチや12インチ)やプロモ盤には別ミックスや長尺バージョンがあり、演奏やプロダクションの別側面が楽しめます。
最後に — Bernard Edwards の音楽的遺産
Bernard Edwardsは「聞かせるベース」を体現したプレイヤーであり、楽曲のグルーヴを設計する優れたプロデューサーでもありました。シンプルなフレーズでも、楽曲に不可欠な“歌”や“躍動”を与える力は、今日のR&Bやダンス・ミュージックに続く多くのミュージシャンに受け継がれています。まずは上に挙げた代表作から入り、ベースラインとアレンジの関係性を丁寧に聴き分けてみてください。
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参考文献
- Bernard Edwards — Wikipedia
- Chic (album) — Wikipedia
- C'est Chic — Wikipedia
- Risqué (Chic album) — Wikipedia
- We Are Family — Sister Sledge — Wikipedia
- Diana (Diana Ross album, 1980) — Wikipedia
- Spacer — Sheila and B. Devotion — Wikipedia
- Bernard Edwards — AllMusic(Biography)


