バーナード・パーディの魅力を解剖する:Purdie Shuffleと聴きどころ・おすすめレコード案内

イントロダクション — バーナード・パーディの魅力

Bernard "Pretty" Purdie(バーナード・パーディ)は、20世紀後半のブラック・ミュージック/ポップス界を支えた最重要セッションドラマーの一人です。独特の「Purdie Shuffle」をはじめとするグルーヴ感、巧みなゴーストノート、タイトでありながらスウィンギーなフィールは、ソウル、R&B、ジャズ、ロックなどジャンルを問わず多数の名演を生んできました。本コラムでは、レコード蒐集家やリスナーに向けて“持っておきたい/深掘りしたい”おすすめレコードを、聴きどころや選ぶ理由とともに解説します。

リーダー作(まずは本人名義で聴く)

  • Purdie Good!(1971)

    パーディを“ドラマー単体の魅力”で堪能できる初期のリーダー作。ファンク/ソウル寄りの編成で、リズムの躍動感、シャッフルやゴーストノートの効かせ方をクリアに聴き取れます。セッション風味のアンサンブルが多く、パーディのフィーリングが曲を牽引するタイプのアルバムです。リズムのニュアンスを学びたいドラマーや、ファンク〜レアグルーヴ好きに特におすすめ。

  • Soul Is... Pretty Purdie(1972)

    ソウル色を前面に出した作品。編成も豪華で、ベースやギター、ホーン・アレンジがしっかり作られているため、パーディのグルーヴが“バンドとしてどう機能するか”をじっくり味わえます。録音の質も良く、ドラムの音像(スネアのタッチ、タムのレスポンス、ハイハットの開閉)が明瞭に記録されている点が嬉しいポイントです。

  • (ベスト/編集盤)Purdieコンピレーション

    リーダー作や代表的なセッション音源を横断して聴きたい人には、コンピレーション盤が便利です。パーディのキャリアはセッション稼働が圧倒的に多いため、編集盤でジャンルや年代を飛び越えて“彼のプレイ様式の変遷”を把握できます。各曲のドラミングの違いや、スタジオごとの音作りの差を比較する教材としても有用です。

注目のセッション参加作(代表例)

パーディは数多くのアーティスト作品に参加しています。ここでは、彼の個性がはっきり聴ける代表的なセッション録音を厳選して紹介します(※クレジットは曲やリリース形態により異なる場合があります)。

  • Aretha Franklin — Rock Steady(1971)

    アリサのファンキーな時期を代表するアルバムのひとつで、パーディのグルーヴ感が楽曲の推進力になっている曲があります。シンプルにして説得力のあるビート作り、歌ものにおける“歌を立てる”ドラミングの好例として必聴です。

  • Herbie Mann 他のフュージョン寄り作

    パーディはジャズやラテン・フレーバーの作品でも多く起用され、エグゼクティブなアレンジ下でのグルーヴ調整が秀逸です。ハービー・マン等の録音では、ドラムがソロや目立ち過ぎずとも全体を動かす役割を果たすのが分かります。

聴きどころ・深掘りポイント

  • Purdie Shuffleを聴き分ける:彼の代名詞ともいえるシャッフルは、16分の左右差(スネア/ハイハットの刻み)、ゴーストノート、ベース・ドラムの配置によって独特の“引っ張る”感を作ります。原音でハイハットとスネアの位置関係を確認すると、他のドラマーとの違いが明瞭になります。

  • ゴーストノート(スネアの弱打)に注目:スネアの弱いタッチが楽曲のスウィング感を作ります。音量差だけでなく“どこで抜くか”の選択がグルーヴの質を左右するため、同じビートでも楽曲ごとの違いに耳をすませてください。

  • 音色(録音)による比較:1970年代のソウル〜ジャズの録音はプロデューサーやエンジニアによってドラムの前面化/奥行きが変わるため、パーディのフレーズ自体は似ていても音像が大きく違います。オリジナル盤/CD/リマスター盤で聴き比べると面白い発見があります。

  • セッションでの役割を考察:パーディは“目立つソロで魅せる”タイプではなく、曲全体のグルーヴを成立させることを重視します。ベースラインとの連携、ホーンのアタックを受け止めるスネアワークなど、楽曲設計の一部としてのドラム演奏を意識して聴くと学びが深まります。

盤の選び方・入手のコツ(レコード蒐集家向け)

  • オリジナル・プレスをチェック:音像の鮮やかさやドラムの定位は初版プレスで顕著に出ることが多いので、可能ならオリジナル盤を狙う価値があります。

  • ライナーノーツとクレジットを確認:参加ミュージシャンや録音日が記載されていると、パーディがどのトラックでプレイしているか判断がつきやすくなります。リイシューではクレジットが簡略化されることもあるので注意。

  • 編集盤・コンピレーションの活用:初めて手を出すなら編集盤で網羅的に音色やプレイの傾向を掴み、その後興味のある作品のオリジナル盤へ投資するのが合理的です。

聴き比べの練習プラン(初心者向け)

  • 1曲目:リーダー作の代表曲を選び、スネアのゴーストノート、ハイハットの開閉、キックの配置をメモ。

  • 2曲目:同時期のセッション作(ソウル/R&B)を1曲選び、ドラムの役割がどう違うか比較。

  • 3曲目:後年の録音を1曲選び、プレイの変化(より洗練されたタッチや音作りの違い)をチェック。

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参考文献