魂の歌姫ボニー・ブラムレット――挑戦と復活の軌跡

本稿では、教会ゴスペルに始まりIke & Tina Turner Revueを経て「Delaney & Bonnie & Friends」で世界を魅了し、その後ソロ・アーティストおよびセッションシンガーとして多彩なキャリアを築いたボニー・ブラムレットの生涯を掘り下げます。薬物依存や私生活の苦闘を乗り越え、リハビリを経て復活を果たした姿から、彼女が音楽史にもたらした影響と現在の活動までを詳細に解説します。

生い立ちとゴスペルの原点

1944年11月8日、イリノイ州グラナイトシティにボニー・リン・オファレルとして誕生しました。幼少期から教会でゴスペルを歌い、そのソウルフルな歌声を磨き上げました。15歳の頃には、イーストセントルイスのナイトクラブ「Gaslight Square」やメンフィスのセッションでブルース/R&Bアーティストのバック・シンガーを務め、音楽界への第一歩を踏み出しています。

Ike & Tina Turner Revueへの抜擢

17歳のとき、白人女性として初めてIke & Tina Turner Revueの「イケッツ」に抜擢され、黒人中心のステージで圧巻のパフォーマンスを披露しました。ティナ・ターナーへの憧れから、ウィッグと日焼け止めで肌色を演出してまでその座を勝ち取ったという逸話は、彼女の挑戦的な精神を象徴しています。

Delaney & Bonnie & Friendsの栄光

1967年、ロサンゼルスでデラニー・ブラムレットと出会い、わずか1週間後に結婚しました。「Delaney & Bonnie」としてStax Recordsと契約後、バンド名を「Delaney & Bonnie & Friends」に改称。エリック・クラプトン、ジョージ・ハリスン、デュアン・オールマンらを迎えた豪華アンサンブルで全米ツアーを成功させ、1970年のライブ・アルバム『On Tour with Eric Clapton』はBillboard 200で29位、シングル「Never Ending Song of Love」は全米13位を記録しました。

ソロ・キャリアとディスコグラフィ

1973年にソロ・デビュー作『Sweet Bonnie Bramlett』をリリースしました。その後も1975年の『It’s Time』(Billboard 200で168位)、1976年の『Lady’s Choice』、1978年の『Memories』とコンスタントに作品を発表。2002年には『I’m Still the Same』で活動を再開し、2006年以降も『Roots, Blues & Jazz』や『Beautiful』などをリリースし続け、その歌声はいまだ衰えを見せていません。

セッションワーク&コラボレーション

ソロ活動と並行し、オールマン・ブラザーズ・バンドやジョー・コッカー、カーリー・サイモン、ドワイト・ヨーカムなど多くのアーティストのアルバムでバック・ボーカルを担当しました。また、自身が率いるバンダルー・ドクターズではハード・ロックからブルースまで幅広い音楽性を展開。さらに、ABCドラマ『Roseanne』にも準レギュラー出演するなど、音楽以外の領域でも才能を発揮しています。

私生活の苦闘とリハビリ

1967年の結婚後、夫妻はコカイン依存に苦しみ、1972年に離婚しました。1976年には自殺未遂を経験するものの、子どもたちへの思いから思いとどまり、1982年に12ステップ・プログラムに参加して依存を克服しました。1988年にはダニー・シェリダンと再婚し、その後も音楽活動を継続しています。

レガシーと現在の活動

ボニー・ブラムレットのソウルフルな歌声は、サザン・ロックやR&Bの枠を越えて多くのアーティストに影響を与えました。特に共作者として手がけた「Superstar」はカーペンターズやルーサー・ヴァンドロスらにカバーされ、名曲として定着しています。公式サイトによれば、現在もライブやレコーディングを続け、そのパイオニア精神は色あせることがありません。


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