Knock on Woodを生んだ男・Eddie Floydの軌跡—Stax時代のソウルを支えた名曲と背景
Eddie Floyd — ソウルの“Knock on Wood”を生んだ男
Eddie Floyd(エディ・フロイド)は、1960年代のアメリカ南部ソウル/R&Bシーンを支えた歌手でありソングライターです。Stax(Stax/Volt)レーベルの屋台骨を担う存在で、ハウスバンドであるBooker T. & the M.G.'sやSteve Cropperらと共に、力強くグルーヴィーなナンバーを多数残しました。本コラムでは、レコードで聴くべき代表作・名盤をピックアップし、それぞれの魅力や聴きどころを深掘りします。
Eddie Floydの音楽的特徴と背景
エディ・フロイドの魅力は、ソウルフルで泥臭さのあるボーカルと、ストレートに胸を打つビート感です。彼の代表曲「Knock on Wood」はSteve Cropperと共作した楽曲で、ゴスペル的なコール&レスポンス、強烈なリズム感、シンプルで覚えやすいフックが特徴。Staxの録音には、当時の南部ソウルを象徴する演奏陣(Booker T. & the M.G.'s、マークス系ホーンズなど)が参加しており、録音そのものが“ソウルの原石”のような説得力を持っています。
おすすめレコード(入門〜コレクター向け)
「Knock on Wood」 — シングル(1966) / アルバム(1967)
必聴の代表曲。7インチのオリジナル・シングルはもちろん、同名のアルバムもストレートにStaxサウンドが詰まっています。オリジナル録音の力強さ、Steve Cropperのギター、ハウスバンドのグルーヴが際立つ一枚。シングル版は曲のインパクトが凝縮されており、アルバムではB面群や別トラックで当時のスタジオ感をより味わえます。
聴きどころ:イントロのリフ、コール&レスポンス、サビのダイナミクス。Amii Stewartのディスコカバー(1979年)など多数のカバーにも影響を与えた楽曲です。
「Raise Your Hand」 — シングル(1967)
ゴスペル色の強いアッパーなR&Bナンバー。ライブでの盛り上がりを想起させるエネルギーが特徴で、ソウル・シンガーとしての存在感を示すナンバーです。コーラス部分の一体感、手拍子を誘うリズムはレコードでその圧力を直に感じられます。
聴きどころ:コール&レスポンスの即効性、ブラスとギターの絡み。
「I've Never Found a Girl (To Love Me Like You Do)」周辺のシングル/収録曲(1960年代後半)
Eddie Floyd名義のシングル群や、アルバムの中に収められたスロウ〜ミディアムのソウルナンバー。恋愛についての深い情感を抑えたボーカルで表現しています。シングル単位で聴くと、当時のStaxのシングル中心のリリース形態がよくわかります。
聴きどころ:表現力豊かなスロウ・ナンバーでの声のニュアンス、バックの落ち着いたアレンジ。
コンピレーション:ベスト盤/シングル集(各種)
入門者には「Best of」系や“Complete Stax Singles”のような編集盤が最も取り組みやすいです。A面ヒットだけでなく、シングルB面やアルバム未収録音源も含む編集盤は、短時間でエディ・フロイドの幅を掴むのに適しています。
聴きどころ:代表曲の時系列的な変化、作風の幅、Staxの制作スタイルの差異。
レア/コレクター向け:オリジナル7インチ(Volt/Stax期)
コレクターの方は1960年代のオリジナル・プレスの7インチを探す価値があります。オリジナル・ラベルやスリーブ、プロモ盤などバリエーションがあり、当時のマーケット状況や流通を反映したものが見つかります。
聴きどころ:オリジナル・ミックス/モノラル/ステレオの違いを比較すると、当時の音像や編集の仕方がわかります。
各レコードの楽しみ方(音楽的に深掘り)
アレンジと演奏に注目する — Staxの録音は、個々の楽器が明確で演奏の“間”が活きています。ギター、オルガン、ホーンの配置とアレンジに注目すると、曲のグルーヴの作られ方が見えてきます。
ボーカルの語り口を追う — エディ・フロイドは“語る”ように歌う箇所が多く、フレージングやシラブルの処理に注目すると彼の表現力が理解できます。
同時代のカバーや別アーティスト作品と聴き比べる — 「Knock on Wood」のように多数カバーされた曲は、オリジナルとカバーを比べることで、その曲の普遍性と、エディ版の特徴(テンポ、発声、装飾)をより意識できます。
レコードを探すときのポイント(購入ガイド)
まずはオリジナル・プレス(1960年代のStax/Voltラベル)を狙うと音質・価値ともに満足が得られます。次点でまとまった編集盤(ベスト)や近年リイシュー盤を狙うと入手は容易です。
7インチ(シングル)中心のアーティストなので、シングル盤のA/B両面をチェックすると意外な名曲に出会えます。
同じ曲でもモノラル/ステレオや米盤/英盤でミックスが異なることがあるため、コレクション方針(音の太さを重視するか、希少性を重視するか)を決めて選ぶと良いでしょう。
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参考文献
- Eddie Floyd — Wikipedia
- Eddie Floyd — AllMusic
- Eddie Floyd — Discogs
- Eddie Floyd — Stax Records(公式アーカイブ/紹介ページ)


