かぐや姫:青春の情景を紡いだ1970年代フォークの美学

かぐや姫は1970年に南こうせつを中心に結成され、第一次期を経て1971年に伊勢正三と山田パンダを迎えた第二次期で黄金時代を迎えました。
1973年の大ヒット曲「神田川」をはじめ「赤ちょうちん」「妹」「22才の別れ」などの名曲を連発し、フォークソングブームの中心的存在として日本の若者文化に深く刻まれました。
1975年春に商業的・制作上の軋轢から解散するも、1975年の「つま恋コンサート」や1978年の期間限定再結成など、幾度か蘇り続けています。
メンバーは解散後もソロ/新ユニット「風」として活躍を続け、かぐや姫の楽曲は多くのアーティストにカバーされるなど、その影響力は現在も健在です。
結成と第一次活動(1970年)
1970年、南こうせつ(当時“南高節”名義)、大島三平、森進一郎の3人によって「南高節とかぐや姫」としてデビュー。
シングル「酔いどれかぐや姫」を皮切りに活動したものの、大きな商業的成功は得られず、1971年には一度活動を休止しました。
黄金期を築いた第二次かぐや姫(1971年〜1975年)
メンバー編成と再出発
1971年、南こうせつが高校の後輩・伊勢正三と元シュリークスメンバーの山田パンダを迎え、新たに「南こうせつとかぐや姫」として再スタート。フォーキーなサウンドと三声コーラスが共鳴し、瞬く間に人気を獲得しました。
名曲「神田川」の衝撃
1973年発表の「神田川」は深夜ラジオ発の大反響を受けてシングル化され、最終的に約160万枚を売り上げるかぐや姫最大のヒットに。作品に描かれた等身大の若者の生活感と郷愁が、当時の学生層を中心に強い共感を呼びました。
続くヒット連発とアルバム
「神田川」に続き、「赤ちょうちん」「妹」「22才の別れ」などがオリコン上位にランクイン。1972年のアルバム『はじめまして』や1973年の『かぐや姫さあど』などで、その文学的歌詞とアコースティックアレンジはさらに深化しました。
商業的圧力と解散(1975年)
1975年4月12日、東京・神田共立講堂での解散コンサートをもって活動に終止符を打ちます。レコード会社によるシングル選定や映画化をめぐる意向の相違が、メンバーの創作自由と摩擦を生み、短命ながらも鮮烈な最後となりました。
再結成とその後の歩み
つま恋コンサート(1975年)
解散からわずか4か月後の同年8月、吉田拓郎らの呼びかけにより静岡・つま恋で12時間にわたるオールナイトコンサートを敢行。5万人(警察発表では6万人)を動員し、伝説的イベントとして語り継がれています。
1978年の期間限定再結成
1978年4月にアルバム『かぐや姫・今日』を発表し、5月には全国ツアーを実施。パンダの誕生日(5月13日)には横浜スタジアム公演も行い、当時のファンを熱狂させました。
以降の断続的な活動
1980年代から2000年代にかけても、吉田拓郎との「つま恋」シリーズや「ヒロシマ60」「Concert in つま恋 2006」などで再集結を果たし、2013年には南こうせつと伊勢正三による「ひめ風」公演も実施。
メンバーのソロ活動
- 南こうせつ:1976年にソロデビューし、日本武道館でのソロ公演を初めて開催。以降も野外フェス主催など精力的に活動。
- 伊勢正三:1975年に大久保一久とフォークデュオ「風」を結成し、「22才の別れ」などをヒット。ソロとしても数多くの作品を発表。
- 山田パンダ:再結成公演でもベースを担当し、セッションミュージシャンとして現在も活動中。
レガシー
かぐや姫の楽曲は映画・ドラマ主題歌やCMソングにもたびたび起用され、多くのアーティストにカバーされ続けています。そのリアルな青春風景を切り取った歌詞とメロディは、日本のフォークソングの金字塔として今なお語り継がれ、後進のシンガーソングライターにとって教科書的存在となっています。
かぐや姫が描いた等身大の青春譜は、時代を超えて多くの人々の心に息づいています。彼らが遺した名曲群は、これから先も日本の音楽史に色褪せない輝きを放ち続けるでしょう。
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