『風と共に去りぬ』—銀幕の大作とサウンドトラック・レコード完全ガイド


1939年に公開された『風と共に去りぬ』は、マーガレット・ミッチェルの同名小説を原作とするアメリカ映画史に残る大作です。
デヴィッド・O・セルズニックの製作、ヴィクター・フレミング監督、ヴィヴィアン・リーやクラーク・ゲーブルら豪華キャストによって描かれた本作は、アトランタでのプレミア公開から全世界で大ヒットを記録し、第12回アカデミー賞では13部門ノミネートのうち10部門を制覇しました。
音楽は“映画音楽の父”マックス・スタイナーが担当し、1967年のドイツMGM初出LPを皮切りに米国MGM、英RCA、ポリドール/MGM、RCA Classic Film Scoresシリーズ、さらにはRhinoによる2CDデラックス版、デジタル配信版まで多彩なフォーマットでリリースされてきました。
各盤のジャケットデザインや録音仕様、現在のコレクター市場での希少価値にも迫り、『風と共に去りぬ』の映像と音楽を余すところなく紹介します。

映画制作と公開

原作と製作

マーガレット・ミッチェルの小説『風と共に去りぬ』(1936年刊行)は、翌1937年にピューリッツァー賞を受賞。デヴィッド・O・セルズニックが権利を獲得し、名匠ヴィクター・フレミング監督のもと1939年1月に撮影開始、同年7月にクランクアップしました。

キャスト

主人公スカーレット・オハラ役にヴィヴィアン・リー、レット・バトラー役にクラーク・ゲーブル。レスリー・ハワード、オリヴィア・デ・ハヴィランドらが脇を固め、撮影監督アーネスト・ホーラー、編集ハル・C・カーンとジェームズ・E・ニューが名技を発揮しました。

興行成績と評価

1939年12月15日にアトランタでプレミア公開後、全世界興行収入は当時の記録を塗り替え、累計約4億ドルを突破。公開当初の上映時間221分という長尺にもかかわらず大ヒットを遂げ、第12回アカデミー賞では最優秀作品賞ほか計10部門を受賞し、ハティ・マクダニエルが助演女優賞を獲得して黒人初のオスカー受賞者となりました。

サウンドトラック

作曲と録音プロセス

音楽はマックス・スタイナーが手がけ、1939年のモノラル録音をもとに後年ステレオ加工やリマスターが施されました。

レコードリリースとフォーマット

  • 1967年 ドイツMGM初出LP(カタログ665 085)
    オリジナル・モノラル音源を中心に収録し、映画ポスター風ピクチャースリーヴ仕様で登場。
  • 1967年 米国MGMステレオLP(カタログS1E-10 ST)
    放送局向けプロモ盤など複数仕様が確認され、「Not For Sale」刻印の希少盤も存在。
  • 1973年 英国RCA Red Seal初回盤(カタログARL10452)
    折り込みブックレット付き豪華仕様。盤自体はステレオ化音源を収録。
  • 1983年 ポリドール/MGM再発LP(カタログPDM-1-7001)
    イコライジング調整が施され、オーディオ・ファン向けに再構築。
  • 1974年 RCA Classic Film Scoresシリーズ(カタログARL1-0452)
    チャールズ・ガーハード指揮ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団による全編ステレオ再録音。
  • 1990年代以降のデジタル/CD/ストリーミング版
    Rhinoによる2CDデラックス・エディション、WaterTower Music(旧Turner Entertainment)によるCDやApple Music配信版など、多彩なデジタル・リリースが実現。

コレクター市場と価値

初出ドイツ盤や英RCA初回盤、米国プロモ盤の良品はオークションで200~500ドル、特に未開封プロモ仕様はさらなるプレミアが付くケースも。リマスターCDやデジタル版は比較的入手容易ですが、初期LPの美品は依然として高値で取引されています。

制作から80年以上を経た今日も、『風と共に去りぬ』は映像・音楽ともに色あせることなく、映画史とレコード史の両面でファンを惹きつけ続けています。映像作品としての評価はもちろん、マックス・スタイナーのスコアを収めた各種レコード盤は、コレクターズ・アイテムとしても不朽の価値を誇ります。


参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Gone_with_the_Wind_(film)

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