ブルーアイド・ソウルの魔法:ポール・ヤング4大ヒット徹底解剖
Paul Antony Young(1956年1月17日生まれ)は、イングランド・ルートン出身のシンガーソングライターで、1980年代を代表するブルーアイド・ソウル歌手である。彼のデビュー・アルバム『No Parlez』は1983年7月22日にリリースされ、全英アルバムチャートで合計5週1位を獲得した。リード・シングル「Wherever I Lay My Hat (That’s My Home)」は同年6月11日にチャート初登場し、3週間連続で全英シングルチャート1位を記録。続く「Come Back and Stay」「Love of the Common People」もいずれも全英トップ5に入り、1985年の2ndアルバム『The Secret of Association』からは「Every Time You Go Away」が米ビルボードHot 100で1位となるなど、欧米で大ヒットを連発した。ここではこれら4曲について、制作背景、アレンジの特徴、チャート成績、ライブでの評価まで詳しく解説する。
Wherever I Lay My Hat (That’s My Home)
オリジナルは1962年にマーヴィン・ゲイが録音したモータウン・クラシック。ヤングは1983年5月にこれをカバーし、『No Parlez』のリード・シングルとしてリリースした。特徴は、Jools Holland’s Millionaires出身のピノ・パラディーノが弾くフレットレス・ベース。イントロではストラヴィンスキー『春の祭典』のバスーン動機を引用しており、その深みあるベースラインとミニマルな3コードのアレンジが、切ない歌声を際立たせている。
- UKシングルチャート:1983年6月11日初登場、3週間連続1位、計16週間チャートイン
- USビルボードHot 100:最高位70位
- プロデュース:ローリー・ラサム
- 評価:80年代初期のブルーアイド・ソウル再興を象徴する1曲として、当時の批評家からも高い評価を獲得
Come Back and Stay
原曲は1981年にアメリカのジャック・リーが作詞作曲した作品。ヤングは1983年9月2日にシングルカットし、女性バックコーラス・ユニットThe Fabulous Wealthy Tartsを迎えたニュー・ウェイヴ風アレンジで発表。軽快なドラムビートとリッチなハーモニーが特徴で、リリース直後に全英チャートで最高位4位を記録し、9週間チャート入りした。さらにベルギー、ドイツ、ニュージーランド、スイスでは1位、オーストリアやアイルランド、ノルウェーでもトップ3入りを果たした。
Love of the Common People
ジョン・ハーレー&ロニー・ウィルキンス共作のフォーク系ソウルナンバーを、ヤングは1983年1月に初リリースしたが当初はチャートに届かず。しかし「Wherever I Lay My Hat」の成功後、同年11月にシングル再発されると、全英で最高位2位・13週間チャートインを記録。特筆すべきは、スカ/レゲエ界の名手リコ・ロドリゲスによるトロンボーン・ソロと、ラサムのプロデュースによるリズミカルなグルーヴ感で、旧来のフォークソングがモダンなダンストラックに生まれ変わった点である。
Every Time You Go Away
オリジナルは1980年にHall & Oatesが発表したバラード。ヤングは1985年3月にこれをカバーし、2ndアルバム『The Secret of Association』からシングルリリース。重厚なストリングス・アレンジとエモーショナルなボーカルが全米のリスナーを魅了し、7月27日付のHot 100で1位を獲得。加えてアダルト・コンテンポラリー・チャートでも2週間連続1位となり、1986年のBrit AwardsではBest British Videoを受賞した。7月13日にはLive Aid(ウェンブリー・スタジアム)でこの曲を披露し、世界中で喝采を浴びた。
以上が、ブルーアイド・ソウルの名手ポール・ヤングを象徴する4大ヒットの詳細解説である。彼の選曲眼とソウルフルな歌唱、そして名プロデューサーとのコラボレーションが創り出した名演の数々は、今なお色褪せない魅力を放ち続けている。
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