YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の革新と代表曲に迫る
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)は1978年に東京で結成された細野晴臣(ベース/キーボード/ボーカル)、坂本龍一(キーボード/ボーカル)、高橋幸宏(ドラム/ボーカル)の3人による日本の電子音楽バンドです。彼らはシンセサイザー、サンプラー、シーケンサーなどを駆使し、エレクトロポップの先駆けとして1980年代のシンセポップブームを先取りしました。1978年リリースのセルフタイトル・デビューアルバムから発表されたシングル「Computer Game/Firecracker」は米国で40万枚以上を売り上げ、英国シングルチャートTop20入りを果たしました。続く1979年の2ndアルバム『Solid State Survivor』は第22回日本レコード大賞ベストアルバム賞を受賞し、世界で200万枚以上を売り上げる大ヒットとなりました。代表曲「ファイアークラッカー」「ライディーン」「テクノポリス」「ビハインド・ザ・マスク」「東風(トン・プー)」はいずれも電子音楽の新たな地平を切り開き、多くのアーティストに影響を与え続けています。1993年には「NOT YMO」名義でミニアルバム『Technodon』を発表して一時的に再結成し、2007年にはLive Earth京都公演で再集結。その後HASYMOとしての活動を経て、2023年1月に高橋幸宏、同年3月に坂本龍一が他界し、細野晴臣が最後の存命メンバーとなっています。
結成と初期活動
1978年11月25日、セルフタイトルのデビューアルバム『Yellow Magic Orchestra』をアルファレコードから発表しました。日本国内で25万枚を売り上げたのち、1979年5月にA&Mレコードから北米・欧州盤がリリース。ビルボード200およびR&Bアルバムチャートにランクインし、世界的な注目を集めました。デビューシングル「Computer Game/Firecracker」は米国で40万枚超を売り上げるとともに英国シングルチャート17位を記録し、ヒップホップ黎明期のDJたちにもサンプリングされました。
技術的革新と音楽スタイル
YMOはローランドMC-8マイクロコンポーザー、コルグPS-3100、ARPオデッセイなど、多彩なシンセサイザー機材を駆使し、プログラミングされたシーケンスとサンプリング技術で新たな音響を切り拓きました。音楽的影響源にはKraftwerkや冨田勲、日本伝統音楽、アーケードゲームの効果音、ファンク、ジョルジオ・モロダーのディスコなどがあり、これらを「楽しく自由に」再構築するスタイルが特徴です。特にアーケードゲームのサンプリングは後のチップチューンやヒップホップ、エレクトロニカの先駆けとなりました。
主なアルバムと業績
- 『Yellow Magic Orchestra』(1978年11月25日)
- 『Solid State Survivor』(1979年9月25日):第22回日本レコード大賞ベストアルバム賞受賞、世界で200万枚以上を売り上げる。
- 『Public Pressure』(1980年2月21日):日本で2週連続1位を獲得し、発売から2週間で25万枚を売り上げる記録を樹立。
- 『×∞Multiplies』(1980年3月):オリコンチャートで2位にランクイン。
- 『Technodon』(1993年10月25日/NOT YMO名義):再結成後のラストスタジオ・アルバム。
- HASYMO 名義シングル『Rescue/Rydeen 79/07』(2007年3月):Live Earth再結成後の活動。
代表的な人気曲
「ファイアークラッカー」 (Firecracker)
1978年のデビューシングル。米国Hot 100で60位、R&Bチャートで18位、英国シングルチャート17位を記録。アーケードゲーム風のエレクトロ・ディスコが特徴で、アフリカ・バンバータら多くのDJに引用されました。
「ライディーン」 (Rydeen)
1979年の『Solid State Survivor』収録インストゥルメンタル。坂本龍一のエネルギッシュなシンセリフとキャッチーなメロディが人気を博し、日本ではオリコン15位、英国でもシングル化されました。
「テクノポリス」 (Technopolis)
1979年10月25日シングルリリース。楽曲タイトルに「テクノ」を冠し、デトロイトテクノやシーケンサーミュージックに大きな影響を与えました。
「ビハインド・ザ・マスク」 (Behind the Mask)
1978年にセイコーCM用に書き下ろされたインスト曲を、1979年にクリス・モズデルの英詩付きでシングル化。マイケル・ジャクソンやエリック・クラプトンらがカバーしたことで国際的にも知られます。
「東風(トン・プー)」 (Tong Poo)
1978年のデビューアルバム収録曲。坂本龍一作曲による中国的な旋律が特徴で、1979年には英国盤シングルもリリース。ライブでの定番曲として定着しました。
再結成とその後の活動
1984年に一度活動を停止した後、1993年に「NOT YMO」名義でミニアルバム『Technodon』を発表し一時的に再結成。2007年にはLive Earth京都公演で再集結し、その後HASYMOとして『Rescue/Rydeen 79/07』などをリリースしました。2023年1月11日に高橋幸宏が70歳で逝去、同年3月28日に坂本龍一が71歳で他界し、現在は細野晴臣のみが存命メンバーです。
レガシーと影響
YMOの革新的サウンドはシンセポップ、エレクトロ、ヒップホップ、テクノなど多彩なジャンルに影響を与え、Kraftwerkに次ぐ電子音楽の先駆者と評されます。Detroit technoの創始者Juan Atkinsらにも刺激を与え、Duran DuranやDepeche Modeなどシンセポップ勢に影響。アーケードゲームのサンプリング技術はチップチューンやゲーム音楽へ波及し、現代のEDMやゲーム音楽まで続く伝統を生み出しました。
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