タンゴの詩情を奏でた名匠:フロリンド・サッソーネの軌跡
アルゼンチン・タンゴの黄金時代を彩った巨匠、フロリンド・サッソーネ(Florindo Sassone)。その洗練された音楽性と情熱的な演奏は、今なお多くのタンゴ愛好者の心を魅了し続けています。本コラムでは、彼の生涯、音楽スタイル、代表作、そして国際的な影響について詳しくご紹介します。
🎼 生い立ちと音楽活動の始まり
1912年1月12日、ブエノスアイレスのリニエルス地区に生まれたペドロ・フロリンド・サッソーネは、幼少期から音楽に親しみ、ヴァイオリンの教授資格を取得しました。1930年、アントニオ・ポリートの楽団でラジオ・ベルグラーノに出演し、プロとしてのキャリアをスタートさせます。翌年にはロベルト・フィルポの楽団に参加し、1935年には自身のオーケストラを結成。1936年1月1日、ラジオ・ベルグラーノでのデビューを果たし、カフェ・ナシオナルやキャバレー・マラブーなどで演奏を重ねました。
1940年には一時音楽活動を休止し、ビジネスに専念しますが、1946年に音楽界に復帰。1947年からはRCAビクターと契約し、ホルヘ・カサルやロベルト・チャネルといった著名な歌手と共に多くの録音を行いました。1959年にはオデオンに移籍し、インストゥルメンタル作品にも力を入れました。
🎶 独自の音楽スタイルと美学
サッソーネの音楽スタイルは、オスバルド・フレセドやカルロス・ディ・サルリの影響を受けつつも、独自のエレガントで洗練されたサウンドを築き上げました。彼のオーケストラは、リズムの明快さとメロディの美しさが特徴であり、ダンスフロアでも高い人気を誇りました。
彼はソリストを前面に出すのではなく、楽団全体の調和とアンサンブルを重視し、各セクションの音色やニュアンスを巧みに活かしました。また、伝統的なタンゴの枠組みにとらわれず、パーカッションやハープなどの異色の楽器を取り入れるなど、革新的な試みも行いました。
💿 代表作とディスコグラフィー
サッソーネの豊富なディスコグラフィーの中でも、以下の作品は特に評価が高いものです:
- 『La última cita 1947–1953』:ホルヘ・カサルとロベルト・チャネルをフィーチャーした名盤。
- 『Florindo Sassone y sus cantores 1947–1956』:彼の黄金期を網羅したコンピレーション。
- 『Tangos de Oro』:代表曲を集めたベストアルバム。
- 『Tango Internacional』(1971年録音):国際的な視点で選曲された作品。
- 『Sassone en el tiempo』(1976年):彼の音楽的成熟を感じさせる一枚。
これらのアルバムは、サッソーネの音楽の魅力を余すところなく伝えており、タンゴファン必聴の作品です。
🌍 国際的な評価と日本での人気
サッソーネは、1966年と1972年に日本ツアーを行い、日本のタンゴファンにもその名を広めました。彼の演奏は、日本のレコード会社からも多数リリースされ、現在でも中古市場で高い人気を誇っています。また、彼の音楽は、タンゴダンスのイベントやミロンガでも頻繁に使用されており、そのリズムとメロディはダンサーたちに愛されています。
🎧 おすすめの一曲
サッソーネの代表曲の一つ「Pescadores de Perlas(真珠採り)」は、彼のオーケストラの魅力を堪能できる名演です。以下のリンクから視聴できますので、ぜひお楽しみください。
フロリンド・サッソーネの音楽は、タンゴの歴史と魅力を今に伝える貴重な遺産です。彼の作品に触れることで、タンゴの深い世界をより一層感じることができるでしょう。
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