King Crimson:プログレッシブ・ロック革新の軌跡


King Crimsonは1968年にロバート・フリップを中心にロンドンで結成され、1969年10月にデビューアルバム『In the Court of the Crimson King』を発表してプログレッシブ・ロックの金字塔を打ち立てました。バンドはその後もメンバーの交代や活動休止を経ながら、実験的かつ多彩な音楽性でヘヴィ・メタルやジャズ・ロック、ニューウェイブなど幅広いジャンルに影響を与え続けました。代表曲「21st Century Schizoid Man」や1974年の『Red』など、革新的な作品を次々に発表し、2022年には50周年を記念したドキュメンタリー映像やリマスター/未発表音源のリリースで当時の歴史を再評価する機運が高まりました。

結成と初期の歩み

結成の背景

1968年半ば、ギタリストのロバート・フリップがドラマーのマイケル・ジャイルズとマルチ奏者のイアン・マクドナルドらと結成。後にベーシスト兼ボーカリストのグレッグ・レイクや詩人兼ライトショーデザイナーのピーター・シンフィールドが加わり、独自のサウンドを模索し始めました。

デビューアルバム『In the Court of the Crimson King』

1969年10月10日にIsland Recordsからリリースされた本作は、ロック、ジャズ、クラシック、サイケデリックを大胆に融合。UKアルバムチャート5位、米ビルボード200では28位を記録し、RIAAゴールド認定を取得しました。

キー楽曲と音楽性

「21st Century Schizoid Man」

ベトナム戦争への反戦メッセージを込めた歌詞と、ポリリズムやディストーションを駆使したアンサンブルが特徴の楽曲。ヘヴィかつジャズ・ロック的なサウンドは、後のToolやDream Theaterをはじめとする多くのアーティストに影響を与えました。

『Red』と深化する実験性

1974年リリースの『Red』では、ヘヴィ・ロックとジャズ、現代音楽の要素を拒まずに融合。ライブ即興演奏「Providence」(USA収録)では、フリップの革新的ギターとビル・ブルーフォードのドラムが緊張感を生み出しています。

メンバー変遷とバンドの変化

初期メンバーの脱退

1970年4月、グレッグ・レイクが脱退してELPを結成。イアン・マクドナルドも同時期に離脱し、以降メル・コリンズやキース・ティペットなどジャズ寄りのミュージシャンが参加しました。

再結成と多様な編成

1981年にはエイドリアン・ブリューらを迎えた4人編成で再出発し、ニューウェイブ風の『Discipline』を発表。1994年には“ダブル・トリオ”体制で『Thrak』をリリースし、2000年の“ダブル・デュオ”では『The ConstruKction of Light』などを制作しました。

影響とレガシー

他アーティストへの影響

King Crimsonの実験的かつ知的なアプローチは、RadioheadやOpethなど幅広いアーティストに受け継がれています。20世紀クラシックやフリージャズ、非西洋音楽の要素を取り入れる手法は、現代の多くのバンドが参照するサウンドの源泉となりました。

ドキュメンタリーとアニバーサリー企画

2022年にはドキュメンタリー『In the Court of the Crimson King: King Crimson at 50』を公開。2018~2020年の50周年ツアー映像やインタビューを収録し、未発表音源や複数のボックスセットがDGM Live公式サイトでアナウンスされました。

現在のアーカイブ展開

未発表音源とリマスター

DGM Liveではステレオ/サラウンドのリミックスやコンプリート・ボックスセット、未発表ライヴ音源が順次リリースされており、世界中のファンから再評価の声が上がっています。

新たな評価と再発見

2015年、Rolling Stone誌の「50 Greatest Prog Rock Albums of All Time」で『In the Court of the Crimson King』が2位に選出されるなど、名盤としての地位があらためて確立されています。

参考文献

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