ペレス・プラードのレコード全集|日本におけるマンボの歴史とコレクション価値解説
ペレス・プラードとは?
ペレス・プラード(Pérez Prado、本名:Dámaso Pérez Prado、1916年12月11日 - 1989年9月14日)は、キューバ出身の作曲家、バンドリーダーおよび編曲家です。彼は「マンボの王様」として知られ、1940年代後半から1950年代にかけてラテン音楽、特にマンボを世界的に大ヒットさせた立役者の一人です。そのエネルギッシュなリズムと華やかなホーンセクションは、ペレス・プラードの演奏スタイルの象徴であり、日本を含む世界中でレコードが多くリリースされました。
ペレス・プラードの代表曲とレコードの歴史
ペレス・プラードの代表曲には、「マンボNo.5」や「クアトロ・シンコ」、「マンボNo.8」などがあり、これらは全てマンボブームの火付け役としてレコード市場で大成功を収めました。日本でも1950年代から1960年代にかけてEPやシングル盤、LPレコードとして発売され、多くのファンを生み出しました。
- マンボNo.5(Mambo No.5)
ペレス・プラードの最も有名な曲の一つで、1949年に初めて録音されました。ラテンのリズムとダイナミックなホーンセクションが特徴で、1950年代に多くの国でレコードとしてリリースされました。日本国内でも、コロムビアやキングレコードなどがEPレコード(7インチ)やLPで販売し、ダンスホールやラウンジで広く親しまれました。
- クアトロ・シンコ(Cuatro Cinco)
この曲もまたペレス・プラードの特徴であるエネルギッシュかつ洗練されたマンボを象徴しています。数多くのレコード会社でリリースされ、日本盤の75回転EP盤や33回転LP盤としてプレイヤーを持つファンの手元に届きました。特にジャケットデザインにはカラフルで活気ある写真が用いられており、コレクターズアイテムとしても価値があります。
- マンボNo.8(Mambo No.8)
マンボシリーズの一つで、こちらもペレス・プラードのサウンドを象徴するヒット曲です。日本では1950年代の前半から90回転のSPレコードから、後にEP盤、LP盤へと時代の変遷に合わせたフォーマットで発売されてきました。ペレス・プラードのレコードはダンスミュージックとしての需要と同時に、ラテン音楽の一端として広まり、コレクションの対象ともなりました。
レコードのフォーマットと日本でのリリース状況
ペレス・プラードの音楽は日本においても特に1950年代後半から1960年代にかけて広く受け入れられました。以下に主なレコードフォーマットと特筆すべきポイントを挙げます。
- SPレコード(78回転)
1950年代初頭までは主に78回転のSP盤でリリースされていました。この形式は素材が割れやすく、音質も限定的でしたが、当時のラテン音楽ファンにとって貴重な音源でした。 - EPレコード(7インチ33⅓回転)
1950年代中期以降はEP盤が普及し、複数曲を収録できるフォーマットとして人気になりました。ペレス・プラードのヒット曲がまとめて聴けることから、日本市場でも一定の需要がありました。 - LPレコード(12インチ33⅓回転)
1960年代に入るとLP盤でのリリースが主流となり、ペレス・プラードのアルバムはクオリティの高いジャケットと共に発売され、ジャズやラテン音楽のファンからの支持を集めました。日本ではコロムビア、ビクター、キングなどの大手レーベルが積極的に輸入盤や国内プレスで展開しました。
レコードジャケットの魅力とコレクション性
ペレス・プラードのレコードは音楽面だけでなく、ジャケットデザインも高い評価を受けています。1950年代から60年代のレコードジャケットは、派手でカラフルなイメージが多く、マンボの楽しさとエネルギーをビジュアルでも表現していました。特に当時の日本盤は現地仕様のインナーや帯(オビ)付きで発売されていたものもあり、今日では国内外のコレクターが高値で取引することもあります。
まとめ:ペレス・プラードのレコードはラテンミュージックの重要な遺産
ペレス・プラードはラテン音楽、特にマンボの世界的普及に多大な貢献をした作曲家・バンドリーダーです。彼の代表曲は、多くのレコードフォーマットでリリースされ、日本でも戦後高度経済成長期の文化多様化の中で人気を博しました。SP、EP、LPそれぞれのレコード形態により音楽の楽しみ方が変わり、ジャケットやインナーなどの付属物もコレクターズアイテムとして価値を持ち続けています。
レコードという物理的メディアを通じて、ペレス・プラードのエネルギッシュで華やかなマンボは今も生き続け、世界各地の音楽愛好家を魅了し続けています。ラテン音楽やマンボの歴史をたどる上で、ペレス・プラードのレコードは欠かせない重要な資料と言えるでしょう。


