稲垣次郎とソウル・メディアが刻んだレアグルーヴの金字塔

テナーサックス奏者の稲垣次郎は1969年に「稲垣次郎とソウル・メディア」を結成し、日本のジャズ・ロック・ファンク・ソウルを横断する革新的なサウンドを確立しました。代表曲『CHOTTO MATTE KUDASAI』『SUPER STAR』『AMERICA AMERICA』『POUR UN FLIRT』『MORNING OF MY LIFE』はいずれも海外の名曲を大胆にカバーしながら独自のグルーヴを生み出しています。近年ではフランスの180gレーベルやHMVレコードショップによるアンソロジーリリースや、Spotifyで数百万から1,200万を超えるストリームを記録するなど、国内外で再評価が進んでいます。

稲垣次郎とソウル・メディアの結成と革新

1933年生まれの稲垣次郎はジャズ畑でのキャリアを重ねた後、1969年に「稲垣次郎とソウル・メディア」を結成。1970年録音のアルバム『Head Rock』は、サイケデリックかつファンキーな国産ジャズ・ロックの名作として評価され、現在も和モノ・レアグルーヴの金字塔とされています。

人気曲の詳細解説

CHOTTO MATTE KUDASAI

1972年にリリースされたシングル。ロイヤル・ガーナーとジーニー・中島が手掛けた切ないメロディを、稲垣のメロウなテナーサックスが繊細に紡ぎ出します。イントロのフレーズはとりわけ印象的で、リリースから半世紀を経た今なお多くのファンに愛される和モノ・レアグルーヴの代表作です。

SUPER STAR

レオン・ラッセル&デレイニー&ボニーの同名曲をカバーした1972年のナンバー。ドライブ感あふれるサックスソロとファンキーなリズムセクションが一体となり、バンドの代名詞とも言えるダイナミックな演奏を展開します。

AMERICA AMERICA

Simon & Garfunkelの「America」(1968年)をファンク~ジャズの視点で再構築した1972年発表のカバー。原曲のフォーク調とは対照的に、グルーヴィーなリズムとテナーサックスが前面に押し出されたアレンジが特徴です。

POUR UN FLIRT

ミシェル・デルペッシュのシャンソンを1971年にカバー。爽やかなメロディをファンキーに昇華させ、ラウンジやシティポップの文脈でも親しまれる一曲となりました。

MORNING OF MY LIFE

Bee Geesのバリー・ギブ作曲によるオリジナル(1965年)を1971年にカバー。ゆったりとしたリズムにホーンセクションを絡め、テナーサックスの温かなソロが楽曲に深みを与えています。

再評価と配信状況

近年、フランスの180gレーベルやHMV record shopから稲垣次郎生誕90周年記念アンソロジーがリリースされ、和ジャズ/レアグルーヴファンから熱い注目を集めています。また、Spotifyでは『Breeze』が1,200万ストリームを超え、『Gentle Wave』『Painted Paradise』なども数百万ストリームを記録しており、配信プラットフォーム上でも高い人気を誇っています。

まとめ

稲垣次郎とソウル・メディアは、海外の名曲を日本人ならではのグルーヴ感とテナーサックスの表現力で再構築し、日本のジャズ・ロック・レアグルーヴ史に金字塔を打ち立てました。現在もアンソロジーや配信を通じて若いリスナー層に再発見され、その革新性と演奏力は色褪せることなく輝き続けています。

エバープレイの中古レコード通販ショップ

エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っておりますので是非一度ご覧ください。
https://everplay.base.shop/

また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery