ブルース・スプリングスティーン──“アメリカンドリーム”を奏でる“ザ・ボス”の軌跡

概要
ブルース・スプリングスティーンは1949年9月23日にニュージャージー州ロングブランチに生まれ、労働者階級の家庭で育ちました。1975年8月25日にリリースされたサード・アルバム『Born to Run』で商業的・批評的ブレイクを果たし、1984年の『Born in the U.S.A.』は全世界で1700万枚以上を売り上げるモンスター・ヒットとなりました。Eストリート・バンドとの結びつきを基盤に、これまでに21枚のスタジオ・アルバム、121枚のライヴ・アルバムなど膨大なディスコグラフィーを築いています。グラミー賞を20回受賞し、ソングライターズ・ホール・オブ・フェイムやロックの殿堂入りを果たすなど数々の栄誉を獲得。2025年6月27日には未発表音源集『Tracks II: The Lost Albums』がリリース予定で、同年5月から欧州ツアー、ドキュメンタリー『Road Diary』の配信も控えています。
生い立ちと音楽的ルーツ
幼少期と家庭環境
1949年9月23日、ニュージャージー州ロングブランチ生まれ。フリーホールド・ボロの労働者階級家庭で育ち、父ダグラスはバス運転手や工場労働者、刑務所看守など職を転々とし、母アデルは保険事務所の秘書として家計を支えました。海岸沿いの風景や地元の人々との交流が、後の楽曲世界に豊かなインスピレーションを与えています。
音楽への目覚めと初期活動
青年期にエルヴィス・プレスリーの“Hound Dog”など1950~60年代のロックンロールに衝撃を受け、本格的に音楽を探求。1960年代後半には地元アズベリー・パークのバーやクラブで演奏を重ね、1972年にはガリー・タレントやクリフォード・クレモンズらとともにEストリート・バンドを結成しました。
キャリアの転機
プロとしての第一歩と苦闘
1973年にデビュー・アルバム『Greetings from Asbury Park, N.J.』とセカンドを発表。批評では高評価を得たものの商業的には苦戦し、「次の作品で結果を出せなければ契約打ち切り」との最後通告を受けました。
ブレイクの契機──『Born to Run』
1975年8月25日リリースのサード・アルバム『Born to Run』は、フィル・スペクターを思わせる“ウォール・オブ・サウンド”的プロダクションを追求し、全米チャートで3位を獲得。タイトル曲の完成に半年を費やす入念なスタジオ作業が奏功し、大きな反響を呼びました。
代表作の詳細分析
Born to Run (1975)
「長い夜と逃避願望」をテーマに、ハイウェイと恋愛のイメージを詩的に描出。精緻なスタジオ演出により、ライブ再現を超えた新境地を切り拓きました。
Darkness on the Edge of Town (1978)
タイトでダークな光景を映し出す4thアルバム。ロイ・ビッタンのピアノやダブルトラック・ボーカルが厚みを与え、現場感と成熟を両立させた作品です。
The River (1980)
ダブル・アルバム形式で若者の自由と責任、愛と挫折を縦横に描いた一大プロジェクト。バンドの演奏力と物語性が結実し、“大人のロック”へ昇華しました。
Born in the U.S.A. (1984)
1984年6月4日リリースの7thアルバム。反戦とアメリカンドリームの諸相を映し出し、全世界で1700万枚以上を売り上げ、7曲が全米トップ10入りを果たしました。
ライヴパフォーマンスとEストリート・バンド
Eストリート・バンドの結成とメンバー
1972年結成のEストリート・バンドは、ガリー・タレント(ベース)、ロイ・ビッタン(キーボード)、マックス・ワインバーグ(ドラム)、スティーヴン・ヴァン・ザント(ギター)ら多彩な顔ぶれで構成。2014年にロックの殿堂入りを果たし、長年にわたりスプリングスティーンを支えています。
即興とマラソン・ライヴの魅力
公演ごとにセットリストを流動的に組み、3時間超の長尺ライヴで観客を熱狂させる“ロック・マラソン”は、即興性とパワフルな演奏で伝説化しています。
社会的メッセージと歌詞世界
労働者階級の視点からアメリカンドリームの光と影を映し出す社会派のナラティブが色濃く表れ、個人の葛藤や連帯を詩的に描写。フリーホールド出身の経験がリアルに息づいています。
受賞歴と栄誉
これまでにグラミー賞を20回受賞。1999年にはソングライターズ・ホール・オブ・フェイムとロックの殿堂にダブル殿堂入りを果たし、2009年のケネディ・センター名誉賞、2016年の大統領自由勲章、2023年の全米芸術メダルなど、音楽界を超えた評価を獲得しています。
最近の動向
未発表音源集『Tracks II: The Lost Albums』
2025年6月27日、83曲収録の7枚組ボックスセット『Tracks II: The Lost Albums』がSony Musicからリリース予定。未公開完全版アルバムが制作過程の新たな一面を明らかにします。
2025年欧州ツアー
2025年5月17日英マンチェスター公演を皮切りに、27か国以上を巡る欧州ツアーを展開。Eストリート・バンドとの名演が再び世界を魅了します。
参考文献
- https://ja.wikipedia.org/wiki/Bruce_Springsteen
- https://ja.wikipedia.org/wiki/Born_to_Run
- https://ja.wikipedia.org/wiki/Born_in_the_U.S.A.
- https://ja.wikipedia.org/wiki/Darkness_on_the_Edge_of_Town
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