史上最長のシングル『Hey Jude』:ビートルズ初のアップル・レコードシングル

1968年8月にビートルズ自身が設立したアップル・レコードからリリースされた「Hey Jude」は、7分11秒という当時のシングルとしては異例の長尺ながら、全英および全米チャート1位を獲得し、現在も音楽史における金字塔として輝いています。本コラムでは、楽曲の背景、録音プロセス、楽曲構造、レコード仕様、チャート成績、そしてコレクターズアイテムとしての価値までを詳細に解説します。

歴史的背景

「Hey Jude」は1968年6月、ポール・マッカートニーがジョン・レノンの息子ジュリアンを慰めるために車中で書き始めた曲として誕生しました。当初タイトルは「Hey Jules」でしたが、より普遍性を持たせるために「Jude」に変更されました。楽曲は同年7月29~30日にEMIスタジオ(アビーロード)でリハーサルを重ね、7月31日と8月1日にトライデント・スタジオに場所を移してマスターテイクが録音されました。

録音と制作

プロデューサーはジョージ・マーティン、エンジニアにはケン・スコットとバリー・シェフィールドが参加しました。トライデント・スタジオの8トラックレコーダーを活用し、オーケストラのストリングスやホーンアレンジを豊かに重ねたミックスが完成しました。また、放送局が長尺シングルに否定的だったものの、ビートルズはフル尺でのオンエアを実現しました。

楽曲構造と音楽分析

「Hey Jude」は、AメロとBメロによる通常の構造を持つ前半と、大規模なコーラス・アウトロに展開する後半から成ります。前半部分では I–ii–IV–V の基本コード進行を用いながら、随所に F ミクソリディアン的な響きを交えています。後半では「Na-na-na」の繰り返しが約4分間続き、楽曲を壮大に締めくくります。

リリースとフォーマット

1968年8月26日に米国で、8月30日に英国で7インチ・シングル(45回転)としてリリースされました。英国初回プレスのカタログ番号は R 5722(Apple、モノラル)で、汎用スリーブに封入されていました。米国盤はキャピトル・レコードより再発され、1978年版カタログ番号2276としてステレオ盤が流通しました。

ビジュアルとパッケージ

欧州の一部地域(ドイツ、イタリアなど)ではピクチャースリーヴ付きエディションが存在し、コレクターズアイテムとして高い需要があります。レーベルラベルはアップル特有の緑地に白い文字で統一され、シンプルながらもブランドアイデンティティを強く印象づけています。

チャート成績と評価

英国では1968年9月にチャートインし、2週連続で1位を獲得、計16週にわたりチャートインしました。米国では9月14日にビルボードHot 100に初登場後、9月28日から9週連続で1位を維持する快挙を成し遂げました。また、RIAAよりゴールド認定を受け、発売後すぐに200万枚突破が報告されました。

コレクターズアイテムとしての価値

初回モノラル盤(R 5722)は状態の良好なものほど数百ポンドの高額で取引されており、特に欧米のオリジナルジャケット付きは希少価値が飛躍的に上昇しています。さらに、ポール・マッカートニーの手書き歌詞ノートのNFT化や、ジュリアン・レノンが当時の録音ノートをオークションで購入した逸話など、関連アイテムの市場価値も再評価されています。

カバーと後世への影響

Count Basie OrchestraやRoberta Flack、Toots and the Maytalsなど、多彩なアーティストが「Hey Jude」をカバーし、ジャズ、R&B、レゲエなど異ジャンルへと広がっています。また、ライブではポールがピアノ弾き語りするスタイルが定番となり、コーラス部分で数千人規模の大合唱が名物となっています。


参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Hey_Jude

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