ジャズの女神が紡ぐ音の物語:ヴィーナスレコードの軌跡と魅力
ヴィーナスレコード(Venus Records)は、日本のジャズシーンにおいて独自の地位を築いてきた名門レーベルです。その歴史や所属アーティストについて、以下に詳しく解説します。
ヴィーナスレコードの誕生と成長
ヴィーナスレコードは、1992年に原哲夫プロデューサーによって設立されました。原氏はそれまで日本ビクターでプロデューサーとして手腕をふるっており、自らのレーベル設立という夢を実現させるべく、ジャズ・ミュージシャンの中で一番心酔していたファラオ・サンダースの新作『愛のクレッセント』を第1弾として制作し、レーベルをスタートさせました。
ヴィーナスレコードの特徴の一つに、独自の録音方式「ハイパー・マグナム・サウンド」があります。これは、24ビットマスタリングを用いた録音技術で、力強く存在感のあるサウンドを実現しています。この音質は、名匠ルディ・ヴァン・ゲルダーのブルーノート・サウンドに通じるものがあると評され、ジャズファンやオーディオ愛好家から高い評価を得ています。
また、ヴィーナスレコードはアルバムのアートワークにもこだわりを持ち、著名な写真家を起用し、しばしばヌードを取り入れたジャケットデザインで知られています。
所属アーティストと代表作
ヴィーナスレコードには、国内外の実力派ジャズミュージシャンが多数所属しています。以下に主なアーティストとその代表作を紹介します。
エディ・ヒギンズ(Eddie Higgins)
アメリカ出身のジャズピアニストで、軽やかなスウィング感と気品にあふれたバラードの演奏が特徴です。ヴィーナスレコードからは「煙が目にしみる」「魅惑のとりこ」など多数の作品をリリースし、日本で高い人気を誇ります。
ニッキ・パロット(Nicki Parrott)
オーストラリア出身のベーシスト兼シンガーで、ウッドベースを弾きながらシルキーなボイスで歌うスタイルが魅力です。ヴィーナスレコードからは「ムーン・リバー」「グレイト・セブンティーズ」などをリリースしています。
チャンピアン・フルトン(Champian Fulton)
アメリカ・オクラホマ州出身のジャズピアニスト兼シンガーで、「彼女の世代で最も才能のある純粋なジャズシンガー」と評されています。ヴィーナスレコードからは「ブルー・アンド・センチメンタル」「夢であえたら」などをリリースしています。
ルーカ・マンヌッツァ(Luca Mannutza)
イタリア出身のジャズピアニストで、変拍子ジャズ・ピアノの魔術師と呼ばれています。ヴィーナスレコードからは「逢いびき」「エアジン」などをリリースしています。
その他にも、リー・コニッツ、バルネ・ウィラン、アーチー・シェップ、ファラオ・サンダース、フィル・ウッズ、エンリコ・ラヴァ、バリー・ハリス、シダー・ウォルトン、スティーブ・キューン、ハロルド・メイバーン、ローランド・ハナ、ジョン・ヒックス、山本剛、エリック・アレクサンダー、デヴィッド・ヘイゼルタインなど、多彩なアーティストが作品をリリースしています。
🎧 ヴィーナスレコードの魅力
ヴィーナスレコードの魅力は、音質やアートワークだけでなく、アーティストの創造性を引き出すプロデュース力にもあります。原プロデューサーが自ら聴きたいと思って制作するジャズが、日本のジャズファンの嗜好とマッチし、双方に共通する心情があることが、ヴィーナスレコードの作品が支持される理由の一つです。
また、ヴィーナスレコードは、CDだけでなく限定盤のアナログレコードも発売しており、180グラムの重量盤で高音質なことでも有名です。これらのレコードは中古市場でも人気が高く、希少性も相まって高値で取引されることがあります。
ヴィーナスレコードは、ジャズの魅力を最大限に引き出すレーベルとして、今後も多くのファンを魅了し続けることでしょう。
エバープレイの中古レコード通販ショップ
エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っておりますので是非一度ご覧ください。
https://everplay.base.shop/
また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery