「魂のハーモニー」:三部ハーモニーで魅せるThe Outlaws

The Outlawsは1967年にフロリダ州タンパで結成され、多彩なトリプルギターと三~四部ハーモニーを駆使したスタイルでサザンロックの一翼を担い、1975年のデビュー作『Outlaws』以降「There Goes Another Love Song」「Green Grass and High Tides」「(Ghost) Riders in the Sky」など数々の名曲を放ちました。
黄金期には初期3作品がゴールド/プラチナ認定を受け、Lynyrd Skynyrd や The Allman Brothers Band と並びサザンロック・ブームを牽引した後、2005年の再結成以降もツアーと新作発表を継続。
2020年リリースの最新盤『Dixie Highway』まで、50年以上にわたり精力的に活動しています。

結成と前史(1967–1974)

1967年、当初は Frank Guidry、Hughie Thomasson、Herbie Pino、Hobie O’Brien が「The Four Letter Words」として結成され、翌1968年にベーシスト Frank O’Keefe やオルガン奏者 Tommy Angarano が加入するなどメンバーを入れ替えながら活動を続けました。のち、1971年に Henry Paul と Monte Yoho が合流。1972年には Thomasson が復帰し、バンド名を「Outlaws」に改め再始動したのが現在のラインナップの礎です。

マネージャーの Charlie Brusco と Alan Walden の目に留まり、1974年には Lynyrd Skynyrd の Ronnie Van Zant の推薦で Arista Records と契約を獲得。以降、“The Florida Guitar Army” と称される華麗な多重ギターワークと、三~四部ハーモニーを武器にライブでの評価を高めていきました。

黄金期(1975–1979)

1975年3月リリースの1stアルバム『Outlaws』は Billboard 最高13位を記録し、シングル「There Goes Another Love Song」「Green Grass and High Tides」がAORチャートで大ヒットとなりました。特に9分半に及ぶ「Green Grass and High Tides」は、ビーチでのインスピレーションを歌詞に込めたエピソードが語り草となり、ライブでの定番フィナーレに。

続く2nd『Lady in Waiting』(1976)、3rd『Hurry Sundown』(1977)もゴールド認定を獲得し、バンドの音楽性が完成形を迎えました。1980年リリースのカバー「(Ghost) Riders in the Sky」はBillboard Hot 100で31位をマークし、商業的にも絶頂を極めました。

この時期、The Outlaws は The Who、The Rolling Stones、Aerosmith、Queen、Black Sabbath、Rush、Foghat などジャンルを超えた大型ツアーでサポートアクトを務め、幅広いファン層を獲得しました。

再結成と近年の活動(2005–現在)

2005年4月、Hughie Thomasson、Henry Paul、Monte Yoho、David Dix の“クラシック・ラインナップ”が再結成し、国内外ツアーを再開。しかし同年9月9日、Thomasson がフロリダ州ブルックスビルの自宅で心臓発作により急逝。代役を立てながらもバンドは Henry Paul を中心に活動を継続し、2012年9月に12年ぶりのスタジオ作『It’s About Pride』を発表、批評家からも高い評価を得ました。

2020年2月リリースの最新作『Dixie Highway』は、かつてのスリリングなギター・インタープレイを継承しつつ新メンバーの個性を融合させた充実作と評されました。

また、1977年加入のギタリスト Freddie Salem も2024年9月に逝去。メンバー変遷を重ねつつも、現在も Henry Paul を筆頭に Jeff Aulich(G)、Jimmy Dormire(G)、Dave Robbins(Key)、Randy Threet(B)、Mike Bailey(Dr)らによるツアーを継続中です。

音楽的特徴と影響

  • トリプルギター・ハーモニー:Thomasson のフェンダー・ストラトキャスター、Billy Jones のギブソン・レスポール、Henry Paul のテレキャスターが織りなす掛け合いが最大の魅力。
  • 三・四部ボーカルハーモニー:Poco や The Byrds、The Eagles の影響を受けたカントリー寄りの多声部コーラスが、南部ならではの哀愁を演出。
  • ライブの評判:“The Florida Guitar Army” の異名のとおり、熱狂的なギターソロの応酬とタイトなリズム感でサザンロック・シーンに新風を吹き込みました。

主要作品と代表曲

  • アルバム
    • 『Outlaws』 (1975)
    • 『Lady in Waiting』 (1976)
    • 『Hurry Sundown』 (1977)
    • 『Ghost Riders』 (1980)
    • 『It’s About Pride』 (2012)
    • 『Dixie Highway』 (2020)
  • 代表曲
    • “There Goes Another Love Song”
    • “Green Grass and High Tides”
    • “(Ghost) Riders in the Sky”

メンバー変遷(主なラインナップ)

期間コアメンバー
1967–1974Frank Guidry, Hughie Thomasson, Herbie Pino, Hobie O’Brien, David Dix, Phil Holmberg
1975–1979Hughie Thomasson, Henry Paul, Billy Jones, Frank O’Keefe, Monte Yoho
2005–2007Hughie Thomasson, Henry Paul, Monte Yoho, David Dix, Chris Anderson, Randy Threet, Dave Robbins
2008–現在Henry Paul, Jeff Aulich, Jimmy Dormire, Randy Threet, Dave Robbins, Mike Bailey

レガシー

The Outlaws は Lynyrd Skynyrd、The Allman Brothers Band と並び称されるサザンロックの重鎮として、現在もツアーを続行中。特に「Green Grass and High Tides」はゲーム『Rock Band』にもフィーチャーされ、世代を超えて支持を集めています。50年以上にわたり進化を続けるそのサウンドは、今後もサザンロック・ファンを牽引し続けるでしょう。


参考文献

エバープレイの中古レコード通販ショップ

エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っております。
The Outlawsのレコードも取り揃えておりますので是非一度ご覧ください。
https://everplay.base.shop/

また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery