昼下がりの午後を彩る旋律:『昼下がりの情事』サウンドトラック深堀りガイド

1957年公開のビリー・ワイルダー監督作品『昼下がりの情事』は、ゲイリー・クーパーとオードリー・ヘプバーンを主演に迎え、大人の恋愛模様を描いたロマンティック・コメディ映画です。
フランツ・ワックスマンによる劇中スコアとポピュラー楽曲の融合は、本作を映画史に残る名作として彩り、劇中のワルツ「Fascination」は映画音楽の定番として知られています。
本コラムでは、映画の制作背景からワックスマンの経歴と楽曲分析、EPV-5055をはじめとするサウンドトラックEP盤の諸仕様、国別プレス一覧、CD再発情報を詳述します。
映画概要と制作背景
1957年に公開された『昼下がりの情事』は、ビリー・ワイルダーとI. A. L. ダイアモンドがクロード・アネの小説『アリアーヌ、若きロシアの娘』を原作に脚色した作品で、パリを舞台に年の差ロマンスを描いています。
主演はゲイリー・クーパー、オードリー・ヘプバーン、そしてモーリス・シュヴァリエ。
世界初演は1957年5月29日にパリで行われ、その後6月19日にロサンゼルス、同年8月23日にニューヨークで公開されました。
フランツ・ワックスマンの経歴と楽曲分析
ワックスマンは1906年生まれのドイツ出身の作曲家で、1934年にハリウッドへ移住後、『フランケンシュタインの花嫁』や『レベッカ』など数々の名作スコアを手がけ、2度のアカデミー賞を受賞しました。『昼下がりの情事』では、管弦楽に加え多彩なパーカッションやチェレスタ、アコーディオンなどを組み合わせ、劇中で“Fascination”や“Love in the Afternoon”“Hot Paprika”等の楽曲を効果的に配置。特に“Fascination”はワルツのリズムで登場人物の心情を象徴的に彩り、映画の雰囲気を一層深めています。
サウンドトラックEP EPV-5055の詳細
Verve Recordsから1957年にリリースされた7インチ45回転のEP(カタログ番号EPV-5055)は、以下の3トラックをモノラル録音で収録しています。
- Love in the Afternoon
- Fascination
- Hot Paprika
国別プレス一覧とCD再発
以下の国別プレスが存在します。
- アメリカ:Verve Records EPV-5055(EP、1957年)
- 日本:Victor EP-1256(EP)
- 日本:Columbia LL-85(45rpm EP)
- 日本:London Records HIT-513(45rpm EP)
- アルゼンチン:Music Hall 45-E6(EP)
- ニュージーランド:London Records NZL.269(45rpm EP)
- スペイン:RCA Records 3-20218(EP)
また、1996年にはRhino RecordsからCD再発(R2 72422)が行われ、ボーナストラックを含むコンピレーション形式で現在も入手可能です。
現代コレクター市場の動向
EPV-5055は断続的に市場に登場し、マトリックス番号やジャケットのバリエーションによってプレミアが付きやすく、映画音楽ファンやビンテージEPコレクターにとって魅力的なアイテムとなっています。
まとめ
ビリー・ワイルダー監督の洗練された演出とワックスマンの技巧が融合した『昼下がりの情事』のサウンドトラックは、映画音楽としての評価が高く、多彩なプレスや再発形態がコレクションの幅を広げています。オリジナルEPV-5055は特に希少性が高く、映画音楽ファンのみならず、ヴィンテージEP愛好者にもぜひ手に取っていただきたい一枚です。
参考文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/Love_in_the_Afternoon_(1957_film)
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